ものづくり補助金平成29年度製造業大分県

異物混入ゼロを目指した安心安全な品質管理の実現

有限会社中宮商店

この事例のポイント

  • 生産量の増加に伴い、漁網やペンキ片などの異物混入や量目異常品の件数が増えていた。
  • X線検査と金属検査を追加し、異物検出品と量目異常品を自動除去する一連の検査ラインを構築した。
  • 新検査ラインにより、X線検査と金属検査で異物混入を高精度に検出し、異物混入ゼロを目指す体制を高度化できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社中宮商店
所在地大分県 佐伯市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数14人
資本金300万円
設立1993年

事業の背景

有限会社中宮商店は明治末期に創業し、平成に入ってからちりめん加工に特化し、釜揚げしらすを主力として築地(豊洲)市場などへ出荷してきた。近年はパック製品が好調で、全国展開の大手スーパーチェーンでも売上を伸ばしている。前年度にはしらすパックに対応したガス充填パック機をものづくり補助金で導入し、生産力を強化した。一方、消費者の品質管理への関心が高まり、パック商品の異物混入に厳しい視線が集まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度生産量の増加に伴い、漁網やペンキ片などの異物混入や量目異常品の件数が増えていた。
  • 生産能力検品作業に追われ、場合によっては生産ラインを停止することや取引先からの信用低下を招くおそれがあった。
  • 品質・精度異物混入への消費者の目が厳しくなるなか、自社でパック加工を行うため管理責任を全て負い、生産ラインの厳格化が必須となっていた。

やったこと

X線検査と金属検査を追加し、異物検出品と量目異常品を自動除去する一連の検査ラインを構築した。導入したのはZ型払い出し整列コンベア、X線検査装置、金属検出機付ウェイトチェッカー、アーム式振分装置の4機である。ちりめんをガスパックしたパックをZ型払い出し整列コンベアで一列に自動整列させ、1パックごとにX線検査装置で検査する。X線検査装置は最新型の画像処理技術で物体の濃度や元素まで把握し、高感度で異物混入を検査する。続いて金属検出機付ウェイトチェッカーで細い針金などの金属類を検出し、内容量を0.01g単位の基準値で量目検査する。条件に合わないものはアーム式振分装置で自動除去し、正常品はラベリング作業へ進む。別途導入した色彩選別機と熱殺菌機も含めた検査ラインを経て、年間約200万パックを出荷する体制を整えた。

その他Z型払い出し整列コンベア
検査測定X線検査装置
検査測定金属検出機付ウェイトチェッカー
その他アーム式振分装置

事業の効果

新検査ラインにより、X線検査と金属検査で異物混入を高精度に検出し、異物混入ゼロを目指す体制を高度化できた。量目も0.01g単位で基準を設定して管理できる。各パックの検査結果は数値として1パックごとに記録・確認でき、生産ラインを停止することなく安心・安全な出荷体制を確立した。これにより年間約200万パックを出荷する体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成に入りちりめん加工に特化し、築地市場等へ出荷してきた経緯や前年度のガス充填パック機導入が書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国展開の大手スーパーチェーンでの売上増や水揚げ直後の鮮度が強みとして書かれるが、市場分析や競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    漁網やペンキ片等の異物混入、量目異常品の増加が課題として明示され、X線・金属検査の追加で0.01g単位の管理を実現すると書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    年間約200万パックの出荷体制は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    従業員14名や製造に注力できる体制が整ったとあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の具体的記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    異物混入ゼロや安心・安全な品質管理への消費者の関心の高まり、鮮度の高い商品という選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    検査ラインの構築と稼働は書かれるが、遂行スケジュールや中長期の課題検証、解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ちりめん加工の一般的な普及度は書かれず、同分野での高付加価値化について言及はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の水産加工協同組合や米水津地区の産地としての位置づけが書かれるが、波及効果や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加、生産性向上の数値はなく、検品作業の負担軽減が述べられる程度で費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献3

    X線の画像処理技術やデータ表示による記録の仕組みが書かれ、デジタル技術の活用は読み取れるが、地域やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐伯市米水津の宮野浦地区で地元業者が切磋琢磨して全国に出荷する地域特性が書かれるが、地域経済成長への牽引の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

安心・安全な食品への関心の高まりを背景に、同社の市場や小売店向けのパック商品は今後も人気を高めると考えられる。検査ラインの導入で製造に注力できる体制が整い、新商品の開発やブランド力のさらなる強化にも取り組む展望である。

事業者の声

製造に注力できる体制が整った分、新商品の開発にも意欲的に取り組みたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。