ものづくり補助金平成29年度製造業鹿児島県

最新の同時5軸複合加工機を用いた、大手試作開発市場への本格参入と高度加工技術者の育成

株式会社KOGEN

この事例のポイント

  • 所有設備は同時5軸制御の性能を備えているが、付属の対話ソフトは簡易な3軸制御のみだったため、5軸制御を活用できず、付加価値の高い市場へ展開できなかった。
  • 数値制御支援設備hyperMILLを導入し、既存設備の5軸制御加工能力をフルに活用できるようにした。
  • hyperMILLの導入により、他社では加工が困難な付加価値の高い製品の引き合いが増えた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社KOGEN
所在地鹿児島県 薩摩川内市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数2人
資本金100万円
設立2016年

事業の背景

当社は鹿児島県薩摩川内市で金型や部品の小ロット生産を行っている。既存設備は同時5軸制御の性能を持つが、ソフトが簡易な3軸制御のみで能力を生かせなかった。国内では加工技術者の人材不足が深刻で、難易度の高い複雑形状部品を生産できる人材の育成が課題になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力所有設備は同時5軸制御の性能を備えているが、付属の対話ソフトは簡易な3軸制御のみだったため、5軸制御を活用できず、付加価値の高い市場へ展開できなかった。
  • 品質・精度アンダーカット部は従来の設備では5軸加工ができず、高品質で高価値の製品加工を行えなかった。
  • 人手・技能納期に応えられず失注が増えており、熟練工の確保と若年層の育成、検査体制の強化が必要になっていた。

やったこと

数値制御支援設備hyperMILLを導入し、既存設備の5軸制御加工能力をフルに活用できるようにした。これにより2工程を集約し、段取り・加工時間を大幅に短縮した。面精度は3ランク向上し、今まで不可能だった高精度・複雑形状・高速加工が可能になった。併せて、大手試作開発市場への営業展開と高度加工技術者の育成体制を整えた。

事業の効果

hyperMILLの導入により、他社では加工が困難な付加価値の高い製品の引き合いが増えた。大手試作部門への取引ルートも開拓できた。生産性と品質が向上し、2019年3月期の売上は前年比で増加した。従業員1人当たりの平均賃金も上昇し、申請時の目標を達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決3軸対話ソフトしかなく5軸加工ができないという課題を明示し、hyperMILL導入で2工程集約・加工時間259%短縮と解決策を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標加工時間259%短縮、面精度3ランク向上、売上前年比15%増、平均賃金1.1%増といった数値目標と実績が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け高精度・複雑・高速加工による大手試作開発市場への展開を示し、他社には無い多彩なノウハウを強みとして挙げている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性既存設備の5軸制御能力を活かす狙いは読めるが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    既存設備の5軸制御能力を活かす狙いは読めるが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社では加工が困難な高付加価値製品の引合いが増えたと書かれ、大手試作部門へのルートを開拓したとある。ただし市場分析や自社の強み・弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    3軸対話ソフトしかなく5軸加工ができないという課題を明示し、hyperMILL導入で2工程集約・加工時間259%短縮と解決策を示している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間259%短縮、面精度3ランク向上、売上前年比15%増、平均賃金1.1%増といった数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    高度加工技術者の育成体制を整えるとあり、熟練工の雇用計画も書かれるが、従業員2名の規模に対する体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・複雑・高速加工による大手試作開発市場への展開を示し、他社には無い多彩なノウハウを強みとして挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    人材確保や3D測定装置導入などの今後の取組は書かれるが、中長期の検証や詳細なスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    同時5軸加工と複雑形状部品の高付加価値化に取り組むとあるが、ジャンルの普及度や高水準の位置付けの説明は乏しい。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    人材不足問題への貢献を掲げるが、経済波及効果や雇用創出の規模など国が補助する理由の具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果4

    投資に対して売上15%増、加工時間259%短縮、面精度向上など生産性と付加価値の改善が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    高度な5軸加工技術の確立が産業の高度化に通じる可能性はうかがえるが、構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島県薩摩川内市の企業とあるが、地域特性を活かした付加価値創出や地域経済への牽引は具体的に書かれていない。

今後の展望

今後は納期対応のために熟練工を採用し、若年層の雇用育成計画を進める。検査の質を上げつつ検査時間を短縮するため、最新の3D測定装置と加工設備の導入を計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。