ものづくり補助金平成29年度製造業沖縄県

「製品冷凍化による賞味期限延長とボトルネック工程の解消」計画

この事例のポイント

  • 県内の大手小売店数社から卸売りの引き合いがあったが、賞味期限の短さと酢飯の手作業詰めのため在庫を持てず対応できていなかった。
  • プロトン凍結によるいなり寿司の冷凍・解凍設備2種の新型機械を導入した。
  • いなり寿司の計画生産と長期保存が実現し、業務効率化と販売拡大が進んだ。

事業者のプロフィール

所在地沖縄県 宜野湾市
業種食料品製造業
従業員数15人
設立2010年

事業の背景

当社は惣菜店から食品メーカーへの転換を目指していた。主力商品はいなり寿司である。県内の大手小売店数社から卸売りの引き合いがあったが、賞味期限の短さと酢飯の手作業詰めのため対応できていなかった。繁忙期と閑散期の差が大きく、欠品と廃棄のジレンマに陥ることが多かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信県内の大手小売店数社から卸売りの引き合いがあったが、賞味期限の短さと酢飯の手作業詰めのため在庫を持てず対応できていなかった。
  • 集客・繁閑繁忙期と閑散期のバラつきが大きく、欠品と廃棄のジレンマに陥ることも多かった。
  • 納期・工程お米を炊く工程だけで40分程度を要し、顧客の急なニーズに応えることが難しかった。
  • 生産能力製品の消費期限が短く(30℃で27時間)生産計画の立案・実行が難しく、欠品による機会損失の発生頻度も高かった。

やったこと

プロトン凍結によるいなり寿司の冷凍・解凍設備2種の新型機械を導入した。年間で繁忙期の数日しか稼働していなかった既存の酢飯詰め機械も活用した。酢飯を詰めたての状態で冷凍することで、品質面と衛生面を強化した。これにより、いなり寿司の計画生産と長期保存を実現した。

加工機凍結機
加工機解凍機

事業の効果

いなり寿司の計画生産と長期保存が実現し、業務効率化と販売拡大が進んだ。急な大口注文にも対応できるようになった。酢飯を詰めたてで冷凍することで品質と衛生面が強化され、差別化につながった。業務が平準化されたことで、流動的だった雇用の安定化にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    惣菜店から食品メーカーへのポジショニング昇格が図れたと書かれ、経営基盤強化の方向性は読めるが過去の取組との連続性は具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内大手小売店からの卸引き合いや、油揚げの大豆からの一次加工技術を品質・価格両面で活かすという強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    欠品と廃棄のジレンマ、炊飯40分・消費期限30℃27時間という課題を認識し、冷凍化と計画生産で解決する方針が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標値は示されず、業務効率化や販売拡大と書かれるのみで高付加価値や賃上げの数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員15人の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    いなり寿司を詰めたて状態で冷凍し品質・衛生面を差別化する点や、大口注文に応えられる点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    冷凍・解凍設備の導入と既存詰め機の活用という手順は示されるが、中長期の課題検証やスケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    冷凍いなり寿司で差別化を図る点は書かれるが、分野の普及度や高価格化の水準についての記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    新たな雇用の安定化や県内特産品を使ったコラボ商品開発への言及があり、地域波及の一端はうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加幅など費用対効果を示す数字は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    冷凍・解凍設備の導入はうかがえるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はわずかである。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    県内の大手小売店や飲食店、県内特産品の活用が書かれ、地域の特性を活かす方向性は読み取れるが、成長牽引の規模感は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県内2店舗でFC展開を実施しており、今後さらに強化していく予定である。具材に車エビやブランド牛など県内特産品を用いた高付加価値コラボ商品も企画開発中である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。