ものづくり補助金平成29年度農業、林業沖縄県

伝統野菜の原料・食品製造作業の機械化による生産性と品質の向上

農業生産法人株式会社今帰仁ざまみファーム

成果処理量 1倍→1.3倍

この事例のポイント

  • クワンソウの需要と受注が急増したが、加工を委託していた工場が閉鎖し、自社の加工施設では対応に限界があった。
  • 洗浄後の葉茎に含まれる余分な水を遠心脱水機で取り除き、乾燥機に入れる前に脱水工程を加えた。
  • 処理量 1倍→1.3倍。乾燥機投入前の脱水工程により処理量が1.3倍に増え、製造時間そのものは短縮しなかったものの生産性が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名農業生産法人株式会社今帰仁ざまみファーム
所在地沖縄県 今帰仁村
業種農業
技術分野製造環境,製造環境
従業員数6人
資本金1,390万円
設立2007年

事業の背景

株式会社今帰仁ざまみファームは、伝統野菜クワンソウを栽培し、加工して製品にしている。2020年のオリンピックに向けてサプリメントの需要が高まり、製薬会社からクワンソウに睡眠改善などの有効成分が認められたことで、認知度と需要が一気に上がって受注も増えていた。一方で加工を委託していた工場が閉鎖し、長期的な計画として新工場の建設も検討していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力クワンソウの需要と受注が急増したが、加工を委託していた工場が閉鎖し、自社の加工施設では対応に限界があった。
  • 納期・工程洗浄・裁断・乾燥の工程のうち乾燥処理に時間がかかり、ボトルネックになっていた。
  • 生産能力裁断に使っていたスライサーなど既存機器が老朽化し、作業に支障が出ていた。

やったこと

洗浄後の葉茎に含まれる余分な水を遠心脱水機で取り除き、乾燥機に入れる前に脱水工程を加えた。裁断は万能スライサーに買い替え、1時間当たり200キロの裁断が可能になり、落下ロスも約6%まで減らした。花の加熱殺菌にはスチーマーを導入し、10kg当たりの加熱処理時間を約13%短縮できることを確認した。これにより作業効率が平均化し、従業員の負担も軽減された。

加工機遠心脱水機
加工機万能スライサー
加工機スチーマー

新しい製品・サービス:花のジャム(商品化を検討中)

事業の効果

  • 処理量 1倍→1.3倍

乾燥機投入前の脱水工程により処理量が1.3倍に増え、製造時間そのものは短縮しなかったものの生産性が上がった。万能スライサーにより裁断工程が安定し、落下ロスも減った。スチーマーで花の加熱処理時間を短縮でき、保存瓶の殺菌消毒も可能になって品質管理体制が向上する見込みである。機器導入により引き合いの多いサプリメント向け2次加工原料の製造体制が強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の加工委託先閉鎖を受け、自社加工施設の能力改善を進めた経緯が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    クワンソウの認知度・需要上昇と受注増を背景に、サプリメント向け2次加工原料製造体制を強化したと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    洗浄・裁断・乾燥のボトルネックを分析し、脱水量1.3倍、裁断200kg/時、加熱時間約13%短縮など数字で効果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    処理量1.3倍や時間短縮の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員6人規模で機器の扱いを従業員が自発的に研鑽したとあるが、補助事業の遂行体制として具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    サプリメント向け需要と製薬会社からの受注、沖縄物産展での地域商品アピールなど、顧客と選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新工場建設やHACCP対応を検討すると書かれているが、スケジュールや課題解決方法までは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    クワンソウの有効成分による需要拡大は書かれるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の伝統野菜を活かす点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    処理量増加や時間短縮など効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による品質管理体制の向上はうかがえるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    沖縄の伝統野菜クワンソウを地域特性として活かし、地域物産展への参加など地域商品を重点的に展開すると書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入した3機種で2次加工の幅が広がり、多様な商品開発に取り組める。季節に関係なく安定した製品供給ができるよう管理し、サプリメント向け2次加工原料の積極的な営業を展開する。沖縄物産展への参加など地域に合った商品のアピールを進め、将来は新工場設立にあたりHACCPへの対応も検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。