規格外のイチゴを急速冷凍し、デザートの素材として売り出す
中井農園株式会社
奈良県のイチゴ農園・直営飲食店(従業員12名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 味は変わらないのに安く扱われる規格外のイチゴを、冷凍して商品に変えた。
- 地元の商工会の指導員から補助金の提案を受け、計画づくりから採択後の手続きまで支援を受けた。
- 鮮度を保てる凍結機で、解凍しても水分が出にくい冷凍イチゴを作れるようになった。
- 加工時間の短縮と長期保存で、繁閑の差が大きいイチゴを年間通して売れるようにした。
事業の経緯
40年以上にわたってイチゴ栽培と米作を営んできた。卸売だけでは伸びしろが小さいと考え、2014年に直営の飲食店を開き、直売所や卸、飲食店にも販路を広げた。
規格外のイチゴの多くが安く扱われたり捨てられたりしていたことから、鮮度を保てる凍結機に目をつけた。地元の商工会の提案でものづくり補助金を使って設備を入れ、冷凍イチゴを商品にした。その後、家族経営から法人経営に移り、2022年に会社を設立した。
事業の内容
- 課題:規格外品のロス規格外のイチゴは味が変わらないのに値段が下がり、加工品に回すか捨てるしかなかった。加工品の市場は飽和していて、差別化も難しかった。
- 課題:繁閑の差と冷凍の品質イチゴは出荷できる期間が短く、忙しい時期とそうでない時期の差が大きい。これまでの冷凍方法では解凍したときに水分が流れ出てしまい、生のまま食べる用途には使えなかった。
- 取り組み:商工会への相談鮮度を保って冷凍できる凍結機を知ったが、高額な設備を自己資金だけでまかなうのは難しかった。経営や補助金を相談できる相手を探していたところ、地元の商工会の指導員からものづくり補助金を提案された。書類は代表が作り、指導員が内容を確認して改善点を助言した。採択後も報告書の作成や法人化の手続きを手伝ってもらった。
- 取り組み:凍結機と冷凍設備の導入細胞を壊さず鮮度や食感を保った冷凍イチゴを作るためにプロトン凍結機を入れた。冷凍したイチゴを保管・長期保存するために台下冷凍冷蔵庫、台下冷凍庫、プレハブ型冷凍庫を、冷凍品を包装するために真空パック包装機を導入した。
補助金を使った経費
記事の内容から、ものづくり補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| 機械装置・システム構築費 | プロトン凍結機 |
|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 台下冷凍冷蔵庫 |
| 機械装置・システム構築費 | 真空パック包装機 |
| 機械装置・システム構築費 | 台下冷凍庫 |
| 機械装置・システム構築費 | プレハブ型冷凍庫 |
事業の効果
- イチゴ30kgを冷凍するまでの加工時間が、3日から7時間に縮んだ。
- 月に630kgの冷凍イチゴを自社で加工できるようになった。
- プレハブ型冷凍庫で最大800kgまで長期保管できるようになった。
- 規格外のイチゴをデザートやかき氷のトッピングとして商品にし、問い合わせが増えて新しい販路と収益の拡大につながった。
事業者の声
当社の今後について、いろいろ考えるきっかけにもなった。
米田さんのサポートがなければ、ここまで順調に補助金を活用することはできなかった。手厚い支援に本当に感謝している。
まずは経営者としての自分の時間を作れる状態にしたい。
事業をやりたい人がやらないと、続けられないくらい大変な仕事。
自社の経営を改めて見直し、今後の展望をより具体的に考えることにつながった。
奈良県のイチゴ農園・直営飲食店(従業員12名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、ものづくり補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(23次)
相談先と計画づくり
| 商工会 | 天理市商工会 |
|---|
作業工程の効率化、規格外品のロスの削減、飲食事業での差別化の3つを計画に落とし込んだ。補助金の仕組みの説明を受けながら、自社の今後の方向も考え直した。
今後の展望
2025年にブドウ栽培と観光農園を始め、イチゴの時期以外の収益を確保して年間を通じて安定した経営をめざす。別の助成金でビニールハウスの自動換気を入れて省力化を進め、常勤の従業員を増やして代表が自分の時間を持てる体制にする。親族以外でも農園を引き継げる形も考えている。
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