ものづくり補助金平成30年度製造業北海道

木製単板クラフト製品へのデジタルフルカラー印刷による高付加価値化の実現

空知單板工業株式会社

この事例のポイント

  • 木製単板クラフト製品はカレンダーやしおり、名刺やハガキなどが代表的だったが、全てのアイテムの表面印刷や一部アイテムのカットなどを外注に頼っており、生産性が低かった。
  • 木製単板シートへの印刷を内製化するため、新設備としてオンデマンド型デジタルフルカラープリンターを導入した。
  • 全工程の社内製造化が実現し、生産性が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名空知單板工業株式会社
所在地北海道 赤平市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野デザイン,表面処理
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

空知單板工業は1972年設立で、単板から乾燥製材まで幅広く対応している。1986年から独自技術で厚さ0.3ミリ未満の天然木薄単板の製造・販売を始め、天然木薄単板の国内シェアは30%以上で国内1位になっている。この天然木薄単板を主力商品とし、2次加工して付加価値を高めた木製単板クラフト製品の製造・販売に注力していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力木製単板クラフト製品はカレンダーやしおり、名刺やハガキなどが代表的だったが、全てのアイテムの表面印刷や一部アイテムのカットなどを外注に頼っており、生産性が低かった。
  • コスト・採算外注で印刷するためコストが高く、仕上がりの面でも完璧なものができないことが多かった。
  • 新製品・新技術紙ではなく木製単板シートに印刷するには、トナーの定着性、色再現性、木製単板シートの搬送安定性などの問題を解決する必要があった。

やったこと

木製単板シートへの印刷を内製化するため、新設備としてオンデマンド型デジタルフルカラープリンターを導入した。導入にあたっては、トナーの定着性、色再現性、木製単板シートの搬送安定性などの課題について、リコー社と様々な共同検証試験を重ねた。導入したプリンターは、製版不要で小ロット印刷に対応し、連続印刷時でも複数枚重送・紙詰まりを抑制する機能を備えている。フルカラーのほか、オプションのホワイト印刷にも対応し表現力が上がった。これにより全工程の社内製造化が実現した。

その他オンデマンド型デジタルフルカラープリンター(リコー社製)

新しい製品・サービス:大祭向けカードや境内の木を素材にした記念しおりなど、木製単板シートへのフルカラー印刷による新製品。

事業の効果

全工程の社内製造化が実現し、生産性が大きく向上した。外注に頼っていた印刷を内製化したことでコストを抑えられ、仕上がりの品質も高まった。木製単板の香りや手触りを生かした高品質な木製シートへのプリントが可能になり、商品開発の幅が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    木製単板クラフト製品は以前から主力の一つで、ノベルティ向けの製品群を継続して扱ってきたことが読み取れる。ただ戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内シェア30%以上の天然木薄単板技術を強みとし、ノベルティ需要や木の香り・手触りという優位性を挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    外注依存と生産性の低さという課題を明示し、内製化と高付加価値化による売上・収益向上を目指す流れが書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上・収益向上は掲げられているが、具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    リコー社との共同検証試験を経て導入したとあるが、人材や事務処理体制の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    木の香りや手触り、企業ノベルティ需要など商品の価値は整理されているが、顧客ターゲットの具体化は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    トナー定着性や色再現性、搬送安定性という課題と、共同検証で解決した経緯は書かれている。スケジュールは不明。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    木製単板へのデジタルフルカラー印刷は難易度が高く、高付加価値化を図る取組として具体的に説明されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    外注コストの解消や生産性向上は述べられているが、費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル印刷の導入は示されるが、地域やサプライチェーンへの波及についての記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    北海道赤平市の地場企業として、国内シェアの高い木材加工技術を活かす点は読み取れるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

もともとは自社のPR用として名刺やカレンダーを、天然木薄単板を使用して制作していました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。