ものづくり補助金平成30年度製造業北海道

パストライザー導入による「はね品」果実を活用したフルーツビールの海外進出事業

北海道麦酒醸造株式会社

成果製造数量(2人体制) 4,500本/日→6,000本/日

この事例のポイント

  • 製造工程が機械化されておらず、作業の多くが手作業で、従業員のシフト状況により製造数量が大きく変動していた。
  • 主力商品であるフルーツビールの瓶詰後の殺菌工程に、トンネル型の低温殺菌装置パストライザーを導入した。
  • 製造数量(2人体制) 4,500本/日→6,000本/日。殺菌工程の機械化により製造数量が大きく増え、生産量は約2.7倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名北海道麦酒醸造株式会社
所在地北海道 小樽市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境,機械制御
従業員数12人
資本金4,000万円
設立2002年

事業の背景

北海道麦酒醸造は2002年2月に小樽市高島で開業し、従業員12人の小規模な醸造所である。余市町・仁木町産の果物を多く使った「フルーツビールシリーズ」などを主力とし、道内外のファンに人気がある。近年は「メイド・イン・ホッカイドウ」のイメージを背景に、アメリカ・中国・東アジアなど海外への輸出数量が伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製造工程が機械化されておらず、作業の多くが手作業で、従業員のシフト状況により製造数量が大きく変動していた。
  • 品質・精度殺菌は加熱した湯槽に手作業で瓶を漬け込み一定時間静置する方法で、殺菌精度のばらつきを完全になくすことが難しかった。
  • 人手・技能高温環境下で重量のある瓶製品の出し入れを終日行う必要があり、従業員の負担が非常に大きかった。
  • 品質・精度加熱時に瓶内の圧力が高まるため、湯槽から取り出す際のわずかな衝撃で瓶が破裂する危険性があった。

やったこと

主力商品であるフルーツビールの瓶詰後の殺菌工程に、トンネル型の低温殺菌装置パストライザーを導入した。瓶製品をコンベアで自動搬送し、瓶に温水シャワーをかけて殺菌する。ビールは充填時約5℃を60〜70℃程度まで上げて殺菌し、高温のままでは品質が劣化するため常温まで冷却する。手作業で行っていた殺菌工程を機械化・連続化し、品質の安定化と省人化・省力化を図った。

加工機パストライザー(トンネル型低温殺菌装置)

事業の効果

  • 製造数量(2人体制) 4,500本/日→6,000本/日
  • 製造数量(2交代制・4人) 4,500本/日→12,000本/日

殺菌工程の機械化により製造数量が大きく増え、生産量は約2.7倍になった。未経験者の雇用・配置が可能になり、2交代制を導入できた。殺菌精度と作業の安全性も向上し、効率的で安定的な製造体制が確立された。その結果、コロナ禍でも道内・国内の販路拡大と販売数量の増大を達成し、海外では中国・アメリカ・香港・台湾・シンガポールへの輸出数量増加と新規市場開拓が進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    小規模醸造所が地元果実を使うフルーツビールを主力とし、海外輸出を伸ばしている点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    果実使用割合が高く果実感が強いという差別化要因と、海外輸出数量の伸びという外部環境が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業依存と殺菌精度のばらつき、瓶破裂の危険という課題を明示し、殺菌工程の機械化で対応している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造数量が4人で1日約4500本から2人で約6000本、2交代制で4人約12000本と数値目標と実績が示されている。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員12名の小規模体制と未経験者の配置が可能になった点はうかがえるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    生産者の顔が見える安心安全な果物を使う強みや、海外での需要拡大と輸出数量の増加が示され、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    殺菌工程の機械化と連続化は示されるが、遂行スケジュールや中長期の検証方法は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    欧米のフルーツビールと比べて果実使用割合が圧倒的に高いという差別化が明記され、高付加価値化の根拠になっている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元農家との連携や地域素材の活用はうかがえるが、経済波及や雇用創出の規模は具体的に示されていない。

  • 費用対効果3

    生産数量が約2.7倍に増えた実績は読み取れるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    殺菌工程の機械化は示されるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルでサプライチェーンに貢献する記述はわずかにうかがえる程度。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    余市町・仁木町の地元果実を活用し、地元農家と連携して高付加価値のフルーツビールを生み出している点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

ここでしかつくることのできないお酒を提供していく

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。