ものづくり補助金平成30年度製造業青森県

おから及び長芋をはじめとする新食品パウダーの開発

株式会社あづま

成果おからパウダーの生産量(期間あたり) 240kg→4,000kg

この事例のポイント

  • 食品を粉末化したパウダー加工品の需要が増えるなか、従来のドラムドライヤーでは対応できない素材があり、作業工程の煩雑さが課題になっていた。
  • 野菜などの食品素材を高温瞬間乾燥方式で乾燥させるダブルドラムドライヤー(ジョンミルダー)を1台導入した。
  • おからパウダーの生産量(期間あたり) 240kg→4,000kg。パウダー化できる食品が広がり、ホウレンソウ、カボチャ、カシス、黒にんにく、ながいもの皮などのパウダー化に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社あづま
所在地青森県 七戸町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数60人
資本金300万円
設立1991年

事業の背景

当社は上北郡で収穫される長いもやにんにくなどの農産物の生産・加工・販売を行う食品加工・卸業者で、平成3年に法人化した。法人化前の1970年から野菜のパウダー化やチップ加工などの商品開発に取り組んできた。現在の主力商品は冷凍とろろや真空パックのカット長いも、むきにんにく、乾燥スライスにんにくなどで、県外に向けて販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術食品を粉末化したパウダー加工品の需要が増えるなか、従来のドラムドライヤーでは対応できない素材があり、作業工程の煩雑さが課題になっていた。

やったこと

野菜などの食品素材を高温瞬間乾燥方式で乾燥させるダブルドラムドライヤー(ジョンミルダー)を1台導入した。加熱された2本のドラムに粉砕した食品が張り付き、短時間で乾燥されたものがドラムから自動で掻き取られる仕組みである。熱劣化が少なく、熱に敏感なたんぱく質等の乾燥による変色や香りの劣化を防止でき、ムラなく均一な製品化が可能である。伝導・伝熱機構のため熱効率に優れ、低コストである。オペレーションは作業員一人で対応できる。

  • 加工機ダブルドラムドライヤージョンミルダー

新しい製品・サービス:おからパウダー、ホウレンソウ・カボチャ・カシス・黒にんにく・ながいもの皮のパウダー

事業の効果

  • おからパウダーの生産量(期間あたり) 240kg→4,000kg
  • 素材の粉末化の工程数 4工程→1工程

パウダー化できる食品が広がり、ホウレンソウ、カボチャ、カシス、黒にんにく、ながいもの皮などのパウダー化に成功した。おからパウダーは生産量が大幅に増え、20日間で約4tの生産が理論上可能になった。従来機器より乾燥時間が短く熱劣化が少ないため、色合いの鮮やかな見栄えのする商品を提供できている。乾燥処理の時間短縮により作業効率が向上し、高品質な製品を短納期で提供できるようになった。作業員の数や時間が減り、余剰時間を新たなパウダーのブレンド商品や青森県産野菜のパウダー商品の開発に充てられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1970年からパウダー化やチップ加工の商品開発に取り組み、今回のドラムドライヤー導入も野菜パウダー化の延長線上にあると読み取れます。
  • 4
    課題の認識と解決素材によって従来機では対応できず工程が複雑になっていた課題を挙げ、導入後は4工程が1工程に減ったと課題解決が示されています。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け熱劣化が少なく色鮮やかで均一な製品ができる点や、食品製造や飲食店への提供先が挙げられ、製品の価値と選ばれる理由が整理されています。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制作業員1人で対応可能とされ、製造に携わる人数や時間が減ったとありますが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しいです。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    1970年からパウダー化やチップ加工の商品開発に取り組み、今回のドラムドライヤー導入も野菜パウダー化の延長線上にあると読み取れます。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    パウダー需要の増加が見込まれると書かれていますが、自社の経営資源の強みや競争優位の根拠は具体的に示されていません。

  • 課題の認識と解決4

    素材によって従来機では対応できず工程が複雑になっていた課題を挙げ、導入後は4工程が1工程に減ったと課題解決が示されています。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    おからパウダーの生産量が2,000〜3,000袋から20日で50,000袋(約4t)へ理論上増えると数字で示されていますが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていません。

  • 事業を進める体制2

    作業員1人で対応可能とされ、製造に携わる人数や時間が減ったとありますが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しいです。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    熱劣化が少なく色鮮やかで均一な製品ができる点や、食品製造や飲食店への提供先が挙げられ、製品の価値と選ばれる理由が整理されています。

  • 事業化までの道筋2

    今後は真空凍結乾燥機の導入を検討していると書かれていますが、時期や遂行方法、スケジュールは示されていません。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    黒にんにくやホウレンソウなど多様な素材のパウダー化に成功したとあり、高品質化の方向性はうかがえるものの価格水準の根拠は乏しいです。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    果実の絞りかすや野菜の端材など産業廃棄物になっていたものを活用して廃棄を減らす効果が示され、地域資源の活用としても読み取れます。

  • 費用対効果3

    乾燥時間の短縮による低コストの利点や生産量の大幅増は書かれていますが、投資額に対する付加価値増加の数値は示されていません。

  • イノベーションへの貢献2

    フリーズドライ等の新しい乾燥技術と冷凍技術の組み合わせに触れていますが、デジタル技術や地域・サプライチェーン全体への貢献は具体的ではありません。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    パウダー化による商品展開の拡大はうかがえますが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換に関する記述はありません。

  • 地域経済への波及3

    青森県産野菜のパウダー商品開発や上北郡で収穫される農産物を活用する点から、地域資源を活かした事業とうかがえます。

今後の展望

真空凍結乾燥機(フリーズドライ)が可能な機器の導入も検討している。素材ごとに3種類の乾燥方法を選べるようにし、長年培ったノウハウと最新の冷凍・乾燥技術を合わせて、幅広い食品のパウダー化に挑みたいと考えている。果実の絞りかすや野菜の端材を活用して廃棄を減らし、食品製造や飲食店に幅広く使ってもらいたいとしている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。