ものづくり補助金平成30年度製造業岩手県

栗の品質を維持する新たな製法で高付加価値のある新商品の開発

株式会社回進堂

成果1時間あたりの加工量 70kg/時→250kg/時

この事例のポイント

  • 栗を一個ずつ手で機械に入れるなど手作業の工程が多く、栗餡の加工に多くの時間がかかり、処理量も限られていた。
  • 栗を二つ割りにする装置を従来の1枚刃から4枚刃に変え、大幅な時間短縮を実現した。
  • 1時間あたりの加工量 70kg/時→250kg/時。新たな加工ラインにより、1時間あたりの加工量は70kgから250kgに増加し、大幅な時間短縮を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社回進堂
所在地岩手県 奥州市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数74人
資本金1,100万円
設立1927年

事業の背景

昭和2年創業の当社は、岩谷堂羊羹など地場産素材を用いた和菓子を製造してきた。平成14年に栗と砂糖だけで煉り上げた純栗ようかんを発売し、栗菓子の需要は高く人気商品となっていた。栗餡は小さな栗の皮を一つずつむいて作るためコストがかかり、国内でも数社でしか製造していない。当社は栗農家と栽培契約を結び、仕入れる栗の70〜80%は岩手県産である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力栗を一個ずつ手で機械に入れるなど手作業の工程が多く、栗餡の加工に多くの時間がかかり、処理量も限られていた。
  • コスト・採算栗は鬼皮をむいた瞬間から酸化が始まり風味や色、食感が劣化するため、加工処理時間の短縮が課題となっていた。
  • 品質・精度栗水ようかんは素材の味が前面に出るため栗餡の品質向上が欠かせず、何度試作しても納得いく味や色にならず商品化できなかった。
  • 人手・技能果肉の選別作業に多くの人員を配置しており、より良い品質を追求するための人手の負担が大きかった。

やったこと

栗を二つ割りにする装置を従来の1枚刃から4枚刃に変え、大幅な時間短縮を実現した。割った栗はベルト上で切り口を上にした状態で流れるため、選別がしやすくなった。鬼皮と果肉の分離も機械の性能が向上して素早くできるようになり、液糖でコーティングする前の工程も短縮できた。これにより栗の品質をいい状態で保てるようになり、栗餡の品質のばらつきもなくなった。本事業を活用して栗肉加工選別裏ごしラインを導入した。

加工機栗肉加工選別裏ごしライン

新しい製品・サービス:栗水ようかん

事業の効果

  • 1時間あたりの加工量 70kg/時→250kg/時

新たな加工ラインにより、1時間あたりの加工量は70kgから250kgに増加し、大幅な時間短縮を実現した。栗餡の品質のばらつきがなくなり、栗をいい状態で保つことが可能となった。栗餡の品質向上により新商品の栗水ようかんが誕生し、働き方改革にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の栗餡・栗菓子の製造を背景に、栗餡の品質向上と栗水ようかん商品化を図る取組と読めるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自社通販サイトの売上がコロナ前の4倍に伸びたとあり外部環境への対応がうかがえるが、競争優位の根拠は十分に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    栗の酸化による品質劣化と加工時間の長さという課題を示し、4枚刃化で1時間あたり70kgから250kgに加工量を増やした具体的成果が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日3tの栗餡加工が可能になり、同じ量を2時間で処理できると数字で示されており、付加価値向上の目標と実績が読み取れる。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    栗餡の品質向上が栗水ようかんという新商品につながり、通販での作りたての味や冷凍販売による賞味期限延長など顧客への価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新ラインの導入と通販販路拡大の方向性は示されているが、中長期の検証やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で栗餡を自社製造する企業は数社に限られると記載され、栗水ようかんは試作を重ねた末に実現した高付加価値商品として読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    岩手県産栗の仕入れによる地元農家との取引拡大や地場産業への貢献が書かれており、地域波及がうかがえるが定量的ではない。

  • 費用対効果4

    約3.6倍の加工量増加と2時間処理による働き方改革など、投入に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    機械の性能向上や選別の効率化は書かれるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はほぼない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    岩手県の気候と地場の栗原料を活かした岩谷堂羊羹関連製品で、地域農家との取引拡大につながっていると具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は栗水ようかんに細かな改良を重ね、自社通販サイトで栗しぼりを冷凍販売して販路を広げ、高品質な栗菓子を日本中に届けたいと考えている。

事業者の声

「地元の栗農家さんに働きかけて、品質のいい栗をもっと仕入れていきたいです」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。