ものづくり補助金平成30年度製造業秋田県

クラフトビールの賞味期限延長と品質向上

株式会社あくら

成果ビールの賞味期限 90日→180日

この事例のポイント

  • 果実残渣やビール酵母がビールに残ることで商品の劣化が早まり、泡持ちが阻害され、喉越しも悪くなる。
  • ビール内に残った果実残渣やビール酵母を除去するため、ディスク型遠心分離機とビール処理用遠心分離機を導入した。
  • ビールの賞味期限 90日→180日。果実残渣やビール酵母を除去したことで、ビールの味や見た目が向上し、安定した品質で生産できる体制になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社あくら
所在地秋田県 秋田市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1996年

事業の背景

当社は1996年創業のクラフトビール製造・販売会社で、通年醸造ビール5種類と期間・数量限定ビール20種類を、自社レストランや首都圏・地元の飲料店などで提供している。秋田県内産ホップを使用した製品は香りと味が評価され、多くの賞を受賞してきた。近年クラフトビールは大都市圏の若年層を中心に人気が高まり、特に20〜40代の女性にはレモンやカシス、柚子などの果実を使ったビールが「少しずつ飲み比べする、ちょっと贅沢な商品」として人気がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度果実残渣やビール酵母がビールに残ることで商品の劣化が早まり、泡持ちが阻害され、喉越しも悪くなる。
  • 納期・工程酵母がビールに多く残ると酸化が進み、賞味期限が短くなるため店頭販売期間も短くなる。

やったこと

ビール内に残った果実残渣やビール酵母を除去するため、ディスク型遠心分離機とビール処理用遠心分離機を導入した。ビールの発酵が終わり製品になる直前に遠心分離することで、酵母をビールから分離させ、温度変化によるビールの劣化を防ぐ。果実残渣等による濁りがなくなり見た目も良くなるほか、雑味を除去することでよりシャープな味が実現できた。最終工程で難しかったビール内の酵母除去が行えるため、より安定した品質で生産する体制となった。

その他ディスク型遠心分離機
その他ビール処理用遠心分離機

新しい製品・サービス:常温流通可能なクラフトビール

事業の効果

  • ビールの賞味期限 90日→180日

果実残渣やビール酵母を除去したことで、ビールの味や見た目が向上し、安定した品質で生産できる体制になった。コロナ禍の影響で業務用樽販売が落ち込む中、個人向けボトル販売は少しずつ増えている。半年経過後も求める味や香りが維持できており、低温保存製品の賞味期限を180日まで延長できる前向きな結果が出ている。常温流通可能な製品の生産に向けて検証を進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1996年創業のクラフトビール会社で秋田県産ホップを使う製品が受賞を重ねてきたと書かれ、事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    若年層や20~40代女性に人気のクラフトビール市場に触れ、秋田県産ホップの評価を強みとして示すが、競争優位の論理は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    果実残渣や酵母による劣化・賞味期限短縮という課題を挙げ、遠心分離機導入による酵母除去で常温流通可能な製品を目指す計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    賞味期限を90日から180日へ延長できる結果が出たと書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員19人で醸造や官能検査を行っていると書かれるが、補助事業を遂行する体制や人材の詳細は説明されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    秋田県産ホップ使用の高品質クラフトビールという価値と、個人向けボトル販売など顧客ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    常温流通化に向けて官能検査を繰り返し検証を進めると書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    果実を使ったクラフトビールを少量ずつ飲み比べる商品として位置づけ、同分野で品質と賞味期限を高める取組を示している。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    秋田県内の同業者間の情報交換や業界の底上げにわずかに触れているが、経済波及や雇用創出の具体的な記述はない。

  • 費用対効果2

    賞味期限が90日から180日へ延びる見込みは示されるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    秋田県産ホップを活用した地域性のあるクラフトビールとして高付加価値を目指す点が書かれているが、雇用や地域成長への効果は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

アフターコロナを見据え、安定した品質と賞味期限延長が実現できれば個人向け販売に力を入れたい。秋田県内の同業者と横の連携を大事にしながら、クラフトビールのファンを増やす活動にも力を入れたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。