ものづくり補助金平成30年度製造業山形県

糖類・添加物不使用の「まほろばの甘酒」の高度化とEC戦略による新たな販売展開

米鶴酒造株式会社

成果製造数量(1回あたり) 120本→700本

この事例のポイント

  • 甘酒は注力商品で販売金額は年々増加しているが、2018年は製造量の限界から売上金額が頭打ちになっていた。
  • 洗米機、パネルヒーター、糖化タンクの最新鋭機器3種を導入した。
  • 製造数量(1回あたり) 120本→700本。生産性向上の成果は社員の給与増加として還元され、地域経済の雇用創出と賃金上昇に資する取り組みとなっている。

事業者のプロフィール

事業者名米鶴酒造株式会社
所在地山形県 高畠町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野機械制御,バイオ
従業員数20人
資本金4,000万円
設立1953年

事業の背景

米鶴酒造は日本酒・焼酎と関連商品を製造・販売しており、甘酒は注力商品である。甘酒の販売金額は年々増加傾向にあったが、2018年は製造量の限界から売上金額が頭打ちになっていた。引き合いが絶えない「まほろばの甘酒」の生産量拡大と品質向上が課題となっていた。甘酒は冷やして飲む通年商品として市場が拡大し続けており、とくに健康・美容志向の高い女性や若年層、情報感度の高い消費者層のニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力甘酒は注力商品で販売金額は年々増加しているが、2018年は製造量の限界から売上金額が頭打ちになっていた。
  • 人手・技能旧型の洗米機のため、洗米工程に時間と人員を要している。
  • 品質・精度細かな温度管理が現装置では困難なため、麹造り工程に改善の余地がある。
  • 生産能力糖化工程は手作業で行っており、生産量に限界がある。

やったこと

洗米機、パネルヒーター、糖化タンクの最新鋭機器3種を導入した。新しい洗米機により米クズや米ヌカを除去できる洗米が可能になった。パネルヒーターにより麹室の温度ムラがなくなり、より高品質な麹を安定的に造れるようになった。糖化タンクの導入により、手作業に頼っていた糖化工程の生産量を拡大した。「まほろばの甘酒」は山形県の酒造好適米「出羽燦々」を100%使用し、加熱殺菌処理を1回のみ行う製法を維持している。

加工機洗米機
その他パネルヒーター
その他糖化タンク

事業の効果

  • 製造数量(1回あたり) 120本→700本

生産性向上の成果は社員の給与増加として還元され、地域経済の雇用創出と賃金上昇に資する取り組みとなっている。洗米と麹造りの改善により、より高品質な麹を安定的に造れるようになった。製造力が上がったことで市場のニーズに迅速に対応できるようになった。商品の品質の高さ、有力な酒販店との強力な供給体制、企画力を活かした酒の販路拡大事業を展開できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    甘酒は注力商品で販売金額も年々増加と書かれ、需要拡大に合わせた設備投資という位置づけは読み取れるが、経営戦略上の位置づけの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「出羽燦々」100%使用・加熱殺菌1回のみで出来立てのフレッシュさがあり、常に品薄という引き合いが強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    生産量の限界で売上が頭打ちという課題を示し、製造量を1回120本から700本へ増やす数字で解決を示しており、高付加価値化につなげる計画が読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造数量が1回120本から700本へ増えると具体的な数字があるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無添加や酒蔵の麹の希少性、健康・美容志向の女性や若年層といった顧客ターゲットとニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    実店舗拡大や国内EC販売を目指すとの方向性はあるが、スケジュールや課題の解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    甘酒市場は冷やして飲む通年商品として拡大中と書かれ、無添加・麹由来の甘みという同分野での高付加価値性も示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    社員の給与増加と地域の雇用創出・賃金上昇に資すると書かれているが、経済波及の規模や数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    製造数量が約6倍に増えると読めるが、補助金額に対する費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    甘酒市場が発酵食品人気や熱中症対策から拡大していると書かれているが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    山形県の酒造好適米を使い、地域の酒蔵として地域経済に貢献する取組とは読めるが、地域特性と成長の関係は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

「甘酒」の栄養価の高さ、無添加、酒蔵の麹の希少性、老若男女問わず楽しめることに焦点をあて、実店舗販売の拡大と国内EC販売での売上拡大を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。