ものづくり補助金平成30年度サービス業(他に分類されないもの)山形県

環境配慮型塗装技術および総合調色管理システムの導入による生産性向上

有限会社自動車美装もみぢ

成果手直し率 5%→2%

この事例のポイント

  • 自動ブレーキの標準装備などにより事故自体が減少し、補修塗装の受注と売上が影響を受けている。
  • 民間の修理工場としていち早く溶剤系塗料からの脱却を図り、無害・無臭で高隠蔽性能を有する環境配慮型水性塗料とその塗装技術を導入した。
  • 手直し率 5%→2%。導入した水性塗料は高隠蔽性により塗装回数が減り、作業時間が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社自動車美装もみぢ
所在地山形県 天童市
業種自動車整備業
技術分野表面処理
従業員数6人
資本金300万円
設立1971年

事業の背景

当社の主事業は自動車の補修板金塗装である。近年は自動ブレーキの標準装備などにより事故自体が減少傾向にあり、売上にも影響が出ている。国内自動車メーカーやディーラーが溶剤系塗料から環境配慮型の水性塗料への転換を加速させており、従来主体としてきた溶剤系塗装の受注は今後ますます減少し、企業の存続を脅かしかねないと想定された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑自動ブレーキの標準装備などにより事故自体が減少し、補修塗装の受注と売上が影響を受けている。
  • 品質・精度発注元のディーラーや保険会社から、安定した仕上がりと短納期、コスト抑制が求められている。
  • 新製品・新技術国内自動車メーカーやディーラーが溶剤系塗料から水性塗料への転換を進めており、溶剤系塗装の受注が今後減少すると想定される。
  • 生産能力調色作業は職人の感覚に頼り長時間を要しており、塗装工程全体のボトルネックになっていた。

やったこと

民間の修理工場としていち早く溶剤系塗料からの脱却を図り、無害・無臭で高隠蔽性能を有する環境配慮型水性塗料とその塗装技術を導入した。これにより仕上がり品質の安定化、塗装時間の短縮などによる生産性の向上、塗料使用量の低減によるコスト削減に取り組んだ。調色作業の改善として、測色カメラと専用ソフトウェアによる総合調色管理システムを導入し、車体の色をデータとして測定・解析した。デジタルスケールで塗料を計量し調合することで、調色作業の効率化と標準化、作業時間の短縮を図った。

検査測定測色カメラ
ソフト総合調色管理システム専用ソフトウェア
検査測定デジタルスケール
その他塗装乾燥用送風機

新しい製品・サービス:無害・無臭で高隠蔽性能を有する環境配慮型水性塗料とその塗装技術

事業の効果

  • 手直し率 5%→2%

導入した水性塗料は高隠蔽性により塗装回数が減り、作業時間が短縮された。手直し率も従来の5%から2%程度に改善された。調色作業時間は37分短縮され、塗装工程全体で40%のリードタイム短縮が実現した。塗料使用量も12%程度減少し、コスト低減により利益率が向上している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    溶剤系から水性塗料への移行を早期に図ったと書かれ、事業の方向性との一貫性がうかがえる。ただし過去の取組との関係は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動ブレーキ普及で事故減少、ディーラーの水性塗料転換加速と外部環境を示し、塗装技術で差別化を図ると明記している。

  • 課題の認識と解決4

    溶剤系受注減少による存続危機を課題として認識し、水性塗料と調色システム導入で生産性向上を図ると書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    調色作業37分短縮、塗装工程全体でリードタイム40%短縮、手直し率5%から2%、塗料使用量12%減と数値目標に対する実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員6名の会社で、マニュアル化により経験の浅い人でも仕上がりを得られたと書かれ、体制の一部がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    無害・無臭・高隠蔽性の水性塗料を、取引先に対する仕上がりや短納期の要望に応える価値として挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として、水性塗料のPRや多能工化による生産体制の強化が挙げられているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    水性塗料への転換が業界の主流になると見込み、高品質化により取引先に付加価値がつき売上増につながったとある。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    環境配慮型塗料への転換という社会的な方向性はうかがえるが、経済波及や雇用創出などの公的補助の必要性は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投入額に対する効果は明示されないが、作業時間短縮や塗料使用量12%減によるコスト低減と利益率向上が成果として示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    測色カメラと専用ソフトによる調色のデジタル化が示され、デジタル技術の活用が読み取れるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    環境配慮型への移行という産業構造の変化に対応する取組はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    地域密着を掲げ、天童市の事業者として地域のお客様に対応していることが書かれているが、地域経済への波及効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

水性塗料は仕上がりがよく、今後業界の主流になると思われる。水性塗料への転換により付加価値がつき売上増につながっており、今後は水性塗料のメリットを積極的にPRして受注獲得や新たな取引先の開拓につなげたい。調色作業や塗装作業の標準化により従業員の多能工化を進め、フレキシブルな生産体制で生産効率を高めていく。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。