ものづくり補助金平成30年度製造業山形県

生産性と品質安定性の向上により付加価値ある輸出成長を実現する

株式会社小嶋総本店

この事例のポイント

  • 段取作業など非付加価値業務の人手作業が多く、高品質な酒造りのためには生産工程の刷新と効率化が必要だった。
  • 従来は仕込み工程で手作業だった分析作業と液量測定作業を自動化するため、SD式迅速アルコール測定システムと移動式装置を導入した。
  • アルコール計測と液量計測という毎日の業務が大幅に効率化され、品質に直結する作業に時間を割けるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小嶋総本店
所在地山形県 米沢市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野機械制御,バイオ
従業員数26人
資本金2,000万円
設立1949年

事業の背景

当社は安土桃山時代創業の日本酒蔵で、プレミアムカテゴリーの高い商品力と海外輸出実績が成長機会となっていた。海外市場ではお酒が消費されるまでの流通期間が長く、コールドチェーンが未整備であるため、国内以上にフレッシュで安定した酒質が求められる。現状の生産体制では段取作業などの非付加価値業務が人手に頼っており、高度な発酵管理を伴う高品質な酒造りのために工程の刷新と効率化が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能段取作業など非付加価値業務の人手作業が多く、高品質な酒造りのためには生産工程の刷新と効率化が必要だった。
  • 品質・精度海外市場は流通期間が長くコールドチェーンも未整備のため、国内以上にフレッシュで安定した酒質が求められていた。

やったこと

従来は仕込み工程で手作業だった分析作業と液量測定作業を自動化するため、SD式迅速アルコール測定システムと移動式装置を導入した。これにより段取作業など作業者の非付加価値業務を改善した。併せて日本酒脱酸素装置を導入し、瓶詰め前の酒に窒素ガスなどの不活性ガスを充填して溶存酸素を低減した。これらを活用し、フレッシュで安定した品質の「究極の酒造り」を目指した。

検査測定SD式迅速アルコール測定システム(移動式装置含む)
その他日本酒脱酸素装置
検査測定流量計
検査測定酸度・アミノ酸度測定器

事業の効果

アルコール計測と液量計測という毎日の業務が大幅に効率化され、品質に直結する作業に時間を割けるようになった。脱酸素装置によりフレッシュさを維持できるようになり、輸送時間の長い海外輸出で品質維持の助けとなっている。少ない人手でも高品質な製品を効率よく製造できるようになり、労働集約的な業務の見直しに効果があった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    「当社の強みであるプレミアムカテゴリーの高い商品力」「海外輸出実績」を成長機会と位置付けるが、過去の取組との一貫性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外市場では流通期間が長くコールドチェーンが未整備という外部環境と、高い商品力・輸出実績という強みに触れており、競争優位との関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    段取作業など非付加価値業務の人手作業が多いという課題を示し、分析・液量測定の自動化と脱酸素装置で酒質を高める計画が書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げへの努力は述べられているが、付加価値額の目標値や数値は示されておらず、実現可能性を判断する材料が乏しい。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    プレミアムカテゴリーの高い商品力と海外輸出実績、フレッシュで安定した品質という価値と、海外ターゲットへの訴求が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備と効果は書かれているが、遂行スケジュールや課題の解決方法の具体的な記載は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    日本酒の海外向け高品質化を図る点は読み取れるが、同分野の中での高価格化や普及度についての具体的記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外輸出の拡大や品質維持による成長は語られるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    アルコール計測・液量計測の効率化により品質作業へ時間を振り向けられるとの効果は書かれているが、投入額に対する数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    分析の自動化や脱酸素装置の導入は見られるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献としての記述は限られる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    日本経済にインフレの兆しが見え健全な成長への回帰が期待されると触れ、付加価値増への努力が述べられている。

  • 地域経済への波及3

    山形県米沢市で創業以来日本酒を製造し、海外へ輸出する地域事業者としての特性が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

コロナ禍で海外出荷が大幅に増え、2030年の目標だった海外比率30%を2022年に達成した。2023年は反動減で20%前半に減少する見込みだが、当初予定より速いペースで輸出比率が上昇しており、取り組みの継続が重要と認識している。デフレからインフレへ転じる兆しを受け、付加価値増により賃金を上乗せする必要が高まっており、本事業で導入した設備を生産性と付加価値向上に活かして賃金アップにつなげたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。