ものづくり補助金平成24年度和歌山県

非接触型ロール径及びロール形状測定装置の試作開発

株式会社ミラック

成果1μmの単位まで測定可能

この事例のポイント

  • ロールの直径の計測に手動式のマイクロメーターしか方法がなく、ベテランの職人でなければ正確に測ることが難しい。
  • 研磨対象のロールを正確に計測したいというユーザーの要望に応え、非接触型のシリンダー形状測定機器の試作開発を行った。
  • 1μmの単位まで測定可能。試作した非接触型の測定装置は、人間が手動で測定可能な限界を超える精度を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミラック
所在地和歌山県 和歌山市
業種はん用機械器具製造業
技術分野位置決め
従業員数17人
資本金2,000万円
設立1987年

事業の背景

同社は1987年創業の円筒鏡面研磨機の専門メーカーで、国内に円筒用の鏡面研磨機を製造する会社はわずか数社程度というニッチな業界に属する。既に500台以上の納入実績があり、技術力では国内トップクラスである。主な納入先は大手印刷メーカーや地場の研磨業者で、海外向けでは代理店や大手商社経由の販売もある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ロールの直径の計測に手動式のマイクロメーターしか方法がなく、ベテランの職人でなければ正確に測ることが難しい。
  • 人手・技能計測に相応の時間を費やしており、計測機器の改善が求められていた。
  • 品質・精度測定データの記載ミスなどの人為的なミスが起こりやすく、その改善も必要だった。

やったこと

研磨対象のロールを正確に計測したいというユーザーの要望に応え、非接触型のシリンダー形状測定機器の試作開発を行った。開発した装置はレーザー光線によりロール径およびロール形状を測定するもので、1μmの単位まで測定可能である。精度誤差は3μmで、回転中心軸から表面までの距離を短時間で計測できる。

  • 検査測定レーザー光線による非接触ロール径・ロール形状測定装置

新しい製品・サービス:レーザー光線による非接触ロール径およびロール形状測定装置

事業の効果

  • 1μmの単位まで測定可能
  • 精度誤差も3μmと精度面では申し分のない水準

試作した非接触型の測定装置は、人間が手動で測定可能な限界を超える精度を実現した。回転中心軸から表面までの距離を短時間で計測できる点で得意先から高い評価を得ている。一方で売上に直結しにくく、成果を価格に転嫁しにくいため導入までには至っていない。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国内トップクラスの技術力と長年のノウハウ、業界内の良好な評判が強みとして挙げられ、大手が参入しにくい分野に着目した点が書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決手動マイクロメーターによる計測の難しさや時間の負担、記載ミスの課題を認識し、非接触測定機の開発で解決を図った点が具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けユーザーからの計測要望や得意先の高い評価が書かれ、ロット数の多い企業やダブルチェック用途など顧客ターゲットも示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標精度3μmや計測時間短縮は述べられるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、高い付加価値創出の目標は読み取れない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の円筒鏡面研磨機で500台超の納入実績があり、その延長で計測機器を開発した流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内トップクラスの技術力と長年のノウハウ、業界内の良好な評判が強みとして挙げられ、大手が参入しにくい分野に着目した点が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手動マイクロメーターによる計測の難しさや時間の負担、記載ミスの課題を認識し、非接触測定機の開発で解決を図った点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    精度3μmや計測時間短縮は述べられるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、高い付加価値創出の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    創業以来の技術蓄積と従業員17人の体制は分かるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユーザーからの計測要望や得意先の高い評価が書かれ、ロット数の多い企業やダブルチェック用途など顧客ターゲットも示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の提案先や研磨機への搭載構想は示されているが、スケジュールや課題解決の具体的方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    円筒鏡面研磨機はニッチ分野で国内数社しかなく、非接触型の形状測定装置は人間の手動測定の限界を超える製品と位置付けられている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    研磨業界のレベル引上げに貢献するとの記述はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は示されず、価格転嫁の難しさも課題として挙がっており費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー光線による非接触測定という先進的な計測技術は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    和歌山市の企業で地域の研磨業者への納入も述べられるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

今後の展望

今回開発した測定機器を研磨加工案件のロット数が多い企業に提案し、研磨済みロールの納入先にはダブルチェック用途などを提案していく。将来的には測定機器を研磨機に搭載することも視野に入れている。新たな販売機会も模索していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。