ものづくり補助金平成24年度和歌山県

シールリング生産における小口化、短納期化

株式会社寿精密

成果洗浄時の製品投入数 48万個→96万個

この事例のポイント

  • 受注が増えたため、工場の生産能力と生産効率を向上させる必要があった。
  • 洗浄設備として純水全自動式超音波洗浄機を導入し、洗浄工程を自動化した。
  • 洗浄時の製品投入数 48万個→96万個。洗浄投入数が2倍になり生産能力が向上し、前期・今期の受注増加に対応して売上増加にも寄与した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社寿精密
所在地和歌山県 伊都郡かつらぎ町
業種金属製品製造業
技術分野金属プレス加工
従業員数136人
資本金2.235億円
設立1986年

事業の背景

半導体部品の金型製造から始まり、現在は携帯電話用精密プレス加工品とリチウムイオン電池用中芯が主力で、数億個単位の受注がある。精密加工品の売上は全体の70〜80%を占める。数年前から電気自動車メーカーへリチウムイオン電池用の精密部品を間接的に納入し、スマートフォン向け半導体部品の一部にも採用されたことで受注が増えた。国内のスマートフォン利用率も右肩上がりで、さらなる受注増が見込める状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が増えたため、工場の生産能力と生産効率を向上させる必要があった。
  • 人手・技能洗浄工程は自動化されておらず人手を要し、全工程の中で特に時間がかかっていた。
  • 納期・工程洗浄工程が遅く、検査や梱包・出荷へスムーズに流せないため、短納期に取り組む必要があった。

やったこと

洗浄設備として純水全自動式超音波洗浄機を導入し、洗浄工程を自動化した。洗浄時の製品の投入数は48万個(旧型)から96万個(新型)になり、洗浄工程を短縮した。自動洗浄機器の導入により、検査、梱包・出荷までの流れを作り、納期短縮に取り組んだ。工場内のスペースがやや狭かったため、工場内のレイアウトを変更して設備を設置した。

  • その他純水全自動式超音波洗浄機

事業の効果

  • 洗浄時の製品投入数 48万個→96万個
  • 無人稼働時間 20分→60分

洗浄投入数が2倍になり生産能力が向上し、前期・今期の受注増加に対応して売上増加にも寄与した。自動運転により無人稼働時間が延び、洗浄用バケットの入替えという重労働がなくなり、人的労力を他工程に分散して各工程の生産性向上につながった。一方、受注動向を読みきれず洗浄機に収まらない製品が出たことや、洗浄できる製品形状に限界があることが今後の課題として残った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大手上場企業数十社と直接取引し、試作から量産・組立まで一貫対応できる点が評価されていると具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決洗浄工程が手作業で全工程で最も時間を要していたという課題を認識し、洗浄機導入で生産能力が48万個から96万個へ2倍になったと記されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産能力が2倍になり無人稼働時間が20分から60分に延びたと数値で示され、売上増加にも寄与したとある。付加価値額や賃上げの目標は読み取れない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員136人や工場レイアウト変更の記述はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記載は少ない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の金型・プレス加工の延長で事業を拡大してきたことは読めるが、経営戦略上の位置付けを明示する記述は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手上場企業数十社と直接取引し、試作から量産・組立まで一貫対応できる点が評価されていると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    洗浄工程が手作業で全工程で最も時間を要していたという課題を認識し、洗浄機導入で生産能力が48万個から96万個へ2倍になったと記されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産能力が2倍になり無人稼働時間が20分から60分に延びたと数値で示され、売上増加にも寄与したとある。付加価値額や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員136人や工場レイアウト変更の記述はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記載は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    携帯電話用精密プレス品やリチウムイオン電池用中芯で数億個単位の受注があり、顧客ニーズの裏付けと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    洗浄できる製品形状の限界を今後の課題とし改善案を検討すると書かれているが、遂行方法やスケジュールの詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    精密金型・プレス加工は一般的な分野で、高付加価値化や高価格化を図る記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    電気自動車向け電池部品やスマートフォン向け半導体部品への採用に触れるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産能力が2倍になり売上増加に寄与したと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動洗浄機の導入で工程を自動化したことはうかがえるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    医療・防災分野など新市場への進出に挑戦すると書かれているが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島工場や中国・タイに拠点を持つ点は書かれているが、地域特性を活かした高付加価値化や地域経済への牽引は明示されていない。

今後の展望

国内では既存の精密加工技術を活かして医療・防災分野へ参入し、小口受注から取引を広げる計画である。樹脂成形品の製品力も高める。海外では中国で車載用エアコン向け精密部品の受注を得ており、現地工場の従業員を増員し、タイなどでも用地買収を進める。国内は本社工場の増築を予定し、生産能力の限界による機会損失を避けたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。