ものづくり補助金平成24年度和歌山県

静電気可視化装置の開発

阪和電子工業株式会社

この事例のポイント

  • 静電気可視化モニタは試作品の段階で形状が使いにくく、ケースが金属製であったため、販売会社から製品改良を求められた。
  • 静電気可視化モニタの量産販売に向けて、性能面とデザイン性の向上を図り、ケース用の樹脂成形金型を新たに用意してモデルチェンジを行った。
  • 静電気可視化モニタは、USB接続でPC画面による確認も可能になり、帯電部の見逃しを減らせるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名阪和電子工業株式会社
所在地和歌山県 和歌山市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数52人
資本金2.2億円

事業の背景

創業当初は自動制御盤の開発とプリント基板のOEM製品の製造が中心だったため、先代からは自社製品を持ちたいという強い思いがあった。そこで静電気分野に着目し、静電気放電破壊検査装置(ESD関連製品)を手掛けてきた。静電破壊自動測定器の国内シェアは70%にのぼり、海外でも台湾企業での採用が相次いでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術静電気可視化モニタは試作品の段階で形状が使いにくく、ケースが金属製であったため、販売会社から製品改良を求められた。
  • 品質・精度試作品にはデータを保存する機能がなく、性能面の充実も求められていた。

やったこと

静電気可視化モニタの量産販売に向けて、性能面とデザイン性の向上を図り、ケース用の樹脂成形金型を新たに用意してモデルチェンジを行った。静電気の帯電量を見るための液晶画面を追加し、SDカードへのデータ転送機能を加えた。液晶画面では静電気の特性を色で表示でき(赤は+、青は-)、静電気量(電圧)も表示できる。連続データを保存できるため、時系列で静電気の動きを把握できる。デザイナーと打ち合わせを重ねて外観デザインを決め、スイッチの位置も変更したことで持ちやすくなり、手元の操作性も向上した。

  • 金型ケース用樹脂成形金型

新しい製品・サービス:静電気可視化モニタ(HSN-5008L)

事業の効果

静電気可視化モニタは、USB接続でPC画面による確認も可能になり、帯電部の見逃しを減らせるようになった。液晶画面と色表示により使いやすくなり、連続データの保存で時系列の把握もできるようになった。外観デザインの見直しで持ちやすさと操作性が向上した。販売開始から1年で約20台の販売実績があり、順調な滑り出しとなっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ESD関連製品の国内シェア70%、台湾企業での採用など、市場での強みが数字つきで書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け静電気を色と数値で視覚化する点や、帯電部の見逃し防止という顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値静電気の可視化は業界初とされ、同分野で高水準の付加価値化を図る製品であることが書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標販売開始1年で20台程度の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時の自動制御盤・基板OEMから、先代の思いで自社製品を持つ流れが書かれており、ESD事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ESD関連製品の国内シェア70%、台湾企業での採用など、市場での強みが数字つきで書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    展示会での評価や販売会社からの改良要望など課題認識はあるが、高付加価値化や成長の計画としての記述は薄い。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売開始1年で20台程度の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    金型作り込みなど慣れない業務に時間がかかったとあり、量産体制を確立した経緯はあるが、人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    静電気を色と数値で視覚化する点や、帯電部の見逃し防止という顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    販売拡大にWebや展示会、新販路の検討が挙げられているが、スケジュールや課題解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    静電気の可視化は業界初とされ、同分野で高水準の付加価値化を図る製品であることが書かれている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    半導体の小型化に伴う静電気耐性低下という需要の背景はうかがえるが、国が補助する理由としての波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は書かれておらず、費用対効果を判断する材料は少ない。

  • イノベーションへの貢献2

    USB接続やSDカードへのデータ保存など、デジタル化の要素はあるがサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    半導体・電子機器の小型化に伴う需要増という成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    和歌山市の企業として関西ものづくり新撰2014に選定されたとあり、地域での評価はうかがえるが、雇用や地域経済への効果は書かれていない。

今後の展望

静電気可視化モニタの知名度向上を図るため、展示会出展やWebサイトの充実に取り組む。新たな販売ルートも検討する。本業のESD事業では、半導体の小型化に伴う需要増を背景に、国内外のメーカーへの攻勢を強める。

  • 目標:販売開始から1年で20台程度の販売実績

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。