ものづくり補助金平成30年度製造業石川県

顧客ニーズを起点とした靴づくりの実現による競争力強化事業

有限会社のさか

この事例のポイント

  • 靴の裁断に抜型を使っており、抜型の作成に時間と経費がかかっていた。
  • CADシステムと自動裁断機を導入し、靴の型紙作成、データ管理、革の裁断を社内で行う体制をつくった。
  • 抜型が不要になり、抜型作成の時間と経費が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社のさか
所在地石川県 金沢市
業種なめし革・同製品・毛皮製造業
技術分野製造環境
従業員数50人
資本金50万円
設立1989年

事業の背景

平成の時代になり、労働集約型の靴産業は人件費の安い中国や東南アジアへ生産が移り、国内の製造・加工業者や周辺の材料業者が一挙に衰退した。現在は残った僅かな業者が細々と国内生産を支えている状況である。国内市場では少量多品種が求められ、国内での靴づくりは非常に難しいのが実情である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算靴の裁断に抜型を使っており、抜型の作成に時間と経費がかかっていた。
  • 生産能力社内生産のスピードが十分でなく、顧客の足型データなどの管理も一元化されていなかった。
  • 生産能力国内では少量多品種が求められているが、石川県は靴産業の中心地から離れ物流のコストと時間がかかるため、国内での靴づくりが難しかった。

やったこと

CADシステムと自動裁断機を導入し、靴の型紙作成、データ管理、革の裁断を社内で行う体制をつくった。自動裁断機ではスウェーデン鋼を使った刃を用いるため、抜型が不要になった。これにより抜型作成の時間と経費を削減できた。社内生産のスピードアップと、顧客の足型データなどの管理の一元化を実現した。

ソフトCADシステム
加工機自動裁断機

事業の効果

抜型が不要になり、抜型作成の時間と経費が削減された。社内生産のスピードが上がり、顧客の足型データなどの管理も一元化された。直営店での顧客ニーズに応じた少量多品種の生産を店頭での個人対応で実現し、顧客から高い評価を得ている。新製品や個人対応が浸透し、今期か来期の黒字化が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成の靴産業の衰退を背景に、CADと自動裁断機で社内生産を行う方針が記載されており、取組の経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    少量多品種の国内需要と石川県の物流コストの不利が書かれ、店頭での顧客個別対応が強みとして示されているが、競争優位の定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    課題として抜型作成の時間と経費、足型データの管理の分散が挙げられ、CADと自動裁断機で社内生産のスピードアップと一元化を実現すると示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、黒字化の見込みが述べられるのみで、数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    従業員50名、店頭での個人対応、直営店での生産を行っている現状は読み取れるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    足元から健康をサポートする靴という得意分野と、顧客個人のオンリーワン商品という特徴が示されており、ターゲットの一端は読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    遂行方法やスケジュールは記載がなく、中長期の課題検証についても触れられていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金500千円と今期または来期の黒字化見込みは書かれているが、資金調達の見込みは記載されていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    国内靴づくりが難しい中で少量多品種の顧客対応を行う点は読み取れるが、市場の普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    国内靴産業の衰退と周辺業者の減少が示され、国内生産の維持という観点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献3

    CADシステムと自動裁断機の導入によるデータ一元化が示されており、デジタル技術の活用は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国内生産の維持は述べられているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及はうかがえない。

  • 地域経済への波及3

    石川県金沢市を拠点とし地域の靴づくりを担う点は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今期あるいは来期には黒字化できる見込みである。

事業者の声

靴屋本来のあるべき姿を追求し、社会に貢献すること。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。