想い出いっぱいのランドセルに”ありがとう”を込めて贈る加工システムの構築

従業員25人の愛知県の製造業が、ものづくり補助金で高性能ミシンやレーザー加工機、UVプリンターを導入し、多様な加工に対応した採択事例です。

株式会社Askalカバン工房

この事例のポイント

  • 従来のミシンは厚さの異なる部分で押さえの強弱を調整できず、縫い目の間隔にばらつきが生じ、糸のほつれにつながるおそれがあった。
  • 厚さの変化に対応できる高性能ミシンを導入し、目詰まりを起こさず安定した縫製を可能にした。
  • 高性能ミシンの導入により縫製品質と製品の強度が向上し、審美性の問題も解消された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社Askalカバン工房
所在地愛知県 一宮市
業種なめし革・同製品・毛皮製造業
従業員数25人
資本金50万円
設立2014年

事業の背景

同社は革小物事業のほか、平成29年から使用後のランドセルのリメイク事業を主力としている。コロナ禍で卒業式が中止になった家族からの引き合いが高まり、SNSを通じて認知度も向上した。

現在、年間2万個ものランドセルのリメイクを手がけ、近年は百貨店での販売も拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来のミシンは厚さの異なる部分で押さえの強弱を調整できず、縫い目の間隔にばらつきが生じ、糸のほつれにつながるおそれがあった。
  • 品質・精度刻印は従来スタッフの手作業で行っており、ばらつきが生じていた。
  • 新製品・新技術従来のアルファベットのみの刻印から、より緻密でバリエーション豊かな刻印が施せる加工技術が求められていた。

やったこと

厚さの変化に対応できる高性能ミシンを導入し、目詰まりを起こさず安定した縫製を可能にした。縫い目の間隔が均一になることで製品の強度向上も見込める。

また革を固定して縫製する際に製品表面に残っていた押さえの跡も解消し、審美性の問題を解決した。さらにレーザー加工機を導入し、名前や好きな言葉、任意のメッセージなどの細かな要望に応じた印字が可能になった。

加えて紫外線(UV)でインクを硬化させるUVプリンターを自前で導入し、多種多様な素材に対して顧客が求める加工を施せるようにした。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

高性能ミシンの導入により縫製品質と製品の強度が向上し、審美性の問題も解消された。レーザー加工機とUVプリンターにより、細かな要望に応じた刻印や多様な素材への加工が可能になり、製品の高付加価値化が進んだ。

これにより顧客満足度の向上と一層の収益力拡大が期待される。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性平成29年からランドセルリメイク事業を主力化し、年間2万個を手がける過去の取組の延長として高付加価値化を位置づけている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ランドセルの革を使った日用品で差別化し、SNSで認知向上、百貨店販売も拡大と、市場と自社の強みを踏まえている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け消費者と同年代の社員がニーズをくみとれる強みがあり、刻印の多様化など顧客の要望に応える具体的な価値が示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値化や収益力拡大への言及はあるが、具体的な目標値や数値は記載されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    平成29年からランドセルリメイク事業を主力化し、年間2万個を手がける過去の取組の延長として高付加価値化を位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ランドセルの革を使った日用品で差別化し、SNSで認知向上、百貨店販売も拡大と、市場と自社の強みを踏まえている。

  • 課題の認識と解決3

    縫製のばらつきや手作業刻印の課題を認識し、高性能ミシンとレーザー加工機で解決する計画になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や収益力拡大への言及はあるが、具体的な目標値や数値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    社員は全員女性で、自社育成に専念し働きやすい環境を整えて定着につなげていると書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    消費者と同年代の社員がニーズをくみとれる強みがあり、刻印の多様化など顧客の要望に応える具体的な価値が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    協力工場活用を検討し品質面で断念した経緯はあるが、今後の中長期の遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ランドセルリメイクは小物中心だった分野で、パスケースや財布など高付加価値の日用品を展開し、刻印の高度化も図っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    ランドセルリメイクに進出する企業が増えている中、人材育成や生産現場のデジタル化で成長を図る点が示されている。

  • 費用対効果2

    補助金額と付加価値額の増加など費用対効果を示す数字がなく、薄い記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザー加工機とUVプリンターで多様な素材や細かな印字に対応し、デジタル技術で加工の幅を広げている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    一宮市の企業が年間2万個のランドセルリメイクを手がけ、地域の革産業の製品を高付加価値化して成長を図っている。

今後の展望

本事業で導入した機械の活用により付加価値を高め、さらなる成長を目指す。

  • 目標:年間2万個ものランドセルのリメイクを手がけている

事業者の声

消費者と同年代で消費者のニーズをくみとれる

品質と価格で顧客に応えていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。