ものづくり補助金平成24年度鳥取県

シリコーンゴム成形品の残留低分子シロキサンカット技術の確立

イナバゴム株式会社

成果トルエン抽出後に熱処理すると残留濃度が0ppmになった

この事例のポイント

  • シリコーンゴム成形品に残留する低分子シロキサンガスが、電子部品の接点障害を引き起こす。
  • シリコーンゴムを厚み、幅、高さの異なる5種類のゴムブロックと実際の製品サンプルを作製し、低分子シロキサンの除去方法を実験した。
  • トルエン抽出後に熱処理すると残留濃度が0ppmになった。除去技術の確立により、電子部品の接点障害の原因となる残留シロキサンを抑えたシリコーンゴム成形品を供給できるようになる。

事業者のプロフィール

事業者名イナバゴム株式会社
所在地鳥取県 鳥取市
業種化学工業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数159人
資本金8,600万円
設立1963年

事業の背景

シリコーンゴムの年間消費の50%が電気・電子機器向け部品に使われている。電子部品の接点障害を起こす低分子シロキサンガスの除去方法は、シリコーンゴム業界とその製品メーカーが長年求めてきた課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度シリコーンゴム成形品に残留する低分子シロキサンガスが、電子部品の接点障害を引き起こす。
  • 販路・情報発信低分子シロキサンガスの除去が障害となり、シリコーンゴムの電気・電子分野でのシェア拡大が進まない。

やったこと

シリコーンゴムを厚み、幅、高さの異なる5種類のゴムブロックと実際の製品サンプルを作製し、低分子シロキサンの除去方法を実験した。トルエン抽出後にオーブンまたは真空オーブンで熱処理すると、残留濃度が0ppmになることが確認された。新たに導入したガスクロマトグラフ質量分析計で、シリコーンゴム中に残留する低分子シロキサンの量を検出した。

新しい製品・サービス:シリコーンゴム成形品の残留低分子シロキサンカット技術

事業の効果

  • トルエン抽出後に熱処理すると残留濃度が0ppmになった
  • 販売量 1倍→1.5倍

除去技術の確立により、電子部品の接点障害の原因となる残留シロキサンを抑えたシリコーンゴム成形品を供給できるようになる。家電・自動車・携帯端末通信機器などへ新たな販路が広がる見込みである。付加価値の向上と新規ユーザーの獲得により、販売量は1.5倍になると期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決残留低分子シロキサンによる接点障害という課題が明確で、除去方法の確立で販路拡大を目指す計画が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標現商品の付加価値加算で新規ユーザー期待を含め1.5倍の販売増という数値目標が示されているが、付加価値額の目標としては不十分。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け電子部品メーカーの接点障害という明確な課題と、家電・自動車・携帯端末への販路拡大先が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員159名や工場・拠点の記載はあるが、補助事業を担当する体制や人材配置についての記述はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のゴム部品事業の延長でシリコーンゴム課題に取り組む流れは読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    独自技術や FEM 解析サービスなど強みはうかがえるが、市場動向との関係や競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    残留低分子シロキサンによる接点障害という課題が明確で、除去方法の確立で販路拡大を目指す計画が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    現商品の付加価値加算で新規ユーザー期待を含め1.5倍の販売増という数値目標が示されているが、付加価値額の目標としては不十分。

  • 事業を進める体制2

    従業員159名や工場・拠点の記載はあるが、補助事業を担当する体制や人材配置についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    電子部品メーカーの接点障害という明確な課題と、家電・自動車・携帯端末への販路拡大先が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    検証実験から量産販売まで年次ごとの工程(初年度検証、2年目設備投資、3年目工程変更など)が5年間で示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    シリコーンゴム成形品で残留シロキサンを除去する分野で、電子部品向けの高付加価値化を図る計画が読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    電気・電子機器向けのシリコーンゴム業界の課題解決として、製品メーカーや業界の発展への寄与がうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額は不明で、費用対効果を示す数値は1.5倍の販売増程度にとどまり、投入額との比較は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    分析機器の導入による新技術の確立は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    電子機器や自動車向け部品の市場に進出する点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    鳥取を拠点とする地域企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長牽引の記述は乏しい。

今後の展望

検証実験、設備投資、工程変更を経て、量産販売までを約5年間で行う見込み。

  • 目標:現在の電子機器周辺のシリコーンゴムの使用率が50%台

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。