ものづくり補助金平成27年度製造業岐阜県

超伝導核磁気共鳴装置(NMR)による薬理活性物質の迅速な構造及び純度解明

長良サイエンス株式会社

成果(-)-EGCgは試料溶液が1mgだと10分、0.2mgだと30分で必要なデータを得られた。

この事例のポイント

  • 薬理活性物質の構造解析に不可欠な超伝導核磁気共鳴装置は導入・維持費が高額で、国内でも大学や大手企業など限られた研究機関しか所有しておらず、当社は岐阜大学の設備を借用して対応してきた。
  • 超伝導核磁気共鳴装置(NMR)を社内に導入し、従来は大学設備を借用していた分析を自社で行える環境を整えた。
  • (-)-EGCgは試料溶液が1mgだと10分、0.2mgだと30分で必要なデータを得られた。最新モデルの超伝導核磁気共鳴装置により、従来より迅速に測定でき、微量な試料でも短時間で確実な分析が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名長良サイエンス株式会社
所在地岐阜県 岐阜市
業種化学工業
技術分野バイオ
従業員数12人
資本金3,000万円
設立1999年

事業の背景

当社は岐阜大学教授を務めていた代表取締役社長が、大学で開発した生理活性天然物の分離精製技術を基に設立したバイオベンチャー企業である。食品や和漢薬中に含まれる約450種の生理活性天然物を研究用の高純度試薬として製造・販売しており、その大半は世界で初めて商品化された独自品である。独自の高分離能HPLCで精密分離した試薬を400種以上製造している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力薬理活性物質の構造解析に不可欠な超伝導核磁気共鳴装置は導入・維持費が高額で、国内でも大学や大手企業など限られた研究機関しか所有しておらず、当社は岐阜大学の設備を借用して対応してきた。
  • 人手・技能大学設備の借用には空き時間や費用を考慮する必要があり、1週間につき1時間×3回、専任者が大学まで足を運ぶ必要があった。

やったこと

超伝導核磁気共鳴装置(NMR)を社内に導入し、従来は大学設備を借用していた分析を自社で行える環境を整えた。強い磁場の中で化合物の分子構造や物性を解析する装置で、液体ヘリウムで極低温にした超伝導コイルを用いる。(-)-EGCgと(+)-Sesaminの2種類の試薬で、構造及び純度解析の効果を従来品(大学設備)と導入した最新モデルで比較検証した。また導入機器の測定マニュアルを作成し、社員が誰でもスムーズに使用できる体制を整えた。

検査測定超伝導核磁気共鳴装置(NMR)

事業の効果

  • (-)-EGCgは試料溶液が1mgだと10分、0.2mgだと30分で必要なデータを得られた。
  • 従来と比べて10分の1の量でもデータが取れるようになった。
  • 大学設備の借用に専任者が1週間につき1時間×3回大学まで足を運ぶ必要があったが、導入後は必要な時に即時測定ができるようになった。

最新モデルの超伝導核磁気共鳴装置により、従来より迅速に測定でき、微量な試料でも短時間で確実な分析が可能になった。薬理活性物質の構造及び純度解明が効率化し、既存・新規製品の確認や受託業務で大きな効果を上げ、競合他社に対する競争力が強化された。測定マニュアルの共有により社員全員が必要なデータを自身で得られるようになり、研究への意欲も高まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時の大学研究成果を基に高純度試薬を製造してきた経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    独自品が世界初商品として国内外に販売され、HPLC用シリカゲルなど技術力の高評価が書かれるが、市場動向との関係は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    大学設備の借用に伴う空き時間や費用、専任者の大学通いが課題として書かれ、導入後の効率化も示されるが、売上・付加価値の目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    分析時間の短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    測定マニュアルを作成し社員全員が自身でデータを得られる体制を整えたと書かれ、体制整備は読み取れるが人員規模の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    微量分析の需要増加や受託業務での利用が書かれ、ニーズへの対応は読み取れるが顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の利用状況や効果検証の手順は書かれているが、中長期のスケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    独自品が世界で初めて商品化され、約450種の生理活性天然物を高純度試薬として販売している点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    研究成果の製品化による機能性解明や新機能探索への利用はうかがえるが、国が補助する波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果3

    測定時間が従来の空き時間調整と月3時間の移動から短縮され、試料量も10分の1で済むと数字で示されている。ただし投入額対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新NMRによる高感度分析は書かれるが、サプライチェーンへの貢献やデジタル技術の活用は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岐阜の地で大学研究成果を基に高付加価値試薬を製造している点は読み取れるが、地域経済への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。