ものづくり補助金平成30年度製造業石川県

日本伝統の織技法とIT 活用による高付加価値織物の生産プロセス開発

株式会社オリジナークロスジャカード

成果経糸密度 50本/cm→94本/cm

この事例のポイント

  • 多色の大柄を斬新でダイナミックに表現する織物の設計ベースがなく、これまで取り組んだことがなかった。
  • 写真や絵画などのジャカードデータを8色のドットに変換する工程を自社で行うため、織物専用ソフトを導入した。
  • 経糸密度 50本/cm→94本/cm。ジャカードデータ処理工程を自社に取り入れることで、準備工程のリードタイムとコストを削減する見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オリジナークロスジャカード
所在地石川県 小松市
業種繊維工業
技術分野情報処理
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

主力はオーダーカーテンだが、人口減少と住宅着工件数の減少により市場縮小が予測されていた。世界のインテリアブランドは中国へ生産基地を移している。一方、訪日外国人数は2016年に2,400万人と過去最高を更新し、ホテル建設ラッシュによりホテル向けカーテンの需要が伸びていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術多色の大柄を斬新でダイナミックに表現する織物の設計ベースがなく、これまで取り組んだことがなかった。
  • 生産能力自社の高密度織物をさらに高めた超高密度織物を実現できていなかった。
  • 品質・精度緻密な柄表現ができず、ホテル物件から求められるジャカード織物の品質を満たせなかった。
  • 品質・精度腐食や色あせに強い耐久性のある素材の確保が必要だった。
  • コスト・採算ジャカードデータ作製を専門業者に委託しており、リードタイムが長かった。

やったこと

写真や絵画などのジャカードデータを8色のドットに変換する工程を自社で行うため、織物専用ソフトを導入した。色相・明度・彩度を調整して原画を最適化し、基本設計に基づいて意匠図に変換した後、組織図を作成してジャカード機で製織する生産ラインを確立した。経糸密度を1cm間に94本、緯糸密度を1cm間に255本とする超高密度織物を開発し、耐久性の高いポリエステルを素材に採用した。風景・人物・動物・絵画の8パターンで試験し、最適な色と組織を選定した。

加工機ジャガード織機及び設計システム
ソフト織物専用ソフト

新しい製品・サービス:日本伝統の織技法(つづれ織)とデジタルプリンター方式を融合させたフルカラーのジャカード織物によるタペストリー等のテキスタイルアート作品。

事業の効果

  • 経糸密度 50本/cm→94本/cm
  • 緯糸密度 80本/cm→255本/cm

ジャカードデータ処理工程を自社に取り入れることで、準備工程のリードタイムとコストを削減する見込みである。超高密度で精細な多色表現が可能になり、ホテル向けなど高品質が求められる物件の受注拡大が期待される。ポリエステル採用により耐久性と堅牢度も向上した。タペストリー等のアート作品が象徴的な商品として付加価値を高め、他商品への波及も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    オーダーカーテン主力の事業に、タペストリー等のアート作品を加える方向性が示され、既存事業からの延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    訪日外国人4,000万人目標やホテル建設ラッシュを背景に、経糸94本・緯糸255本の超高密度織物など自社の強みを具体的な数字で示している。

  • 課題の認識と解決4

    ホテル物件向けの課題を4つ挙げ、それぞれに対応する試作や工程改善を示しているが、付加価値向上の売上見通しは示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値増への期待は述べられているが、目標とする数値や賃上げの目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    従業員数10名と、ジャカードデータ処理を内製化する工程は書かれているが、事業を遂行する人員配置や役割分担は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高級ホテルやリゾート物件を顧客ターゲットとし、ホテル物件からのジャカード織物の依頼増加というニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作の工程①〜③と8パターンの試験手順は示されているが、中長期の計画やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    多色大柄や超高密度のジャカード織物は今まで取り組んだことがないと明記され、1点物のテキスタイルアートとして高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    産地の企業が関わる例が少ないと述べ、新幹線延伸に伴う公共施設や観光地での採用など地域への波及が示されている。

  • 費用対効果2

    補助金の投入額や付加価値額の増加幅など、費用対効果を示す数字は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    織物組織とデジタルプリンター方式を融合させ、ジャカードデータ処理を内製化して独自の生産ラインを確立する計画が示されている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    中国への生産移転の流れに対し、国内でアート分野に特化する方向性が示されているが、構造転換への言及は限定的である。

  • 地域経済への波及3

    小松の織物産地での立地と、テキスタイルアートによる地域の企業価値向上が示されているが、地域の雇用や成長への数値は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

タペストリーなどのアート分野はビジネスとして伸ばしていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。