ものづくり補助金平成30年度製造業山梨県

半導体市場の拡大に応えるファインセラミックス「切削加工技術」の高度化計画

株式会社ホーマ

成果溝加工と外形加工の工数 18日→5日

この事例のポイント

  • 溝加工と形状加工を外注に頼っており、外注先では納品を短縮できず、製造リードタイム短縮のボトルネックになっていた。
  • 完全内製化体制を構築するため、マシニングセンタを新たに導入し、製造工程をすべて内製化して一貫加工体制を確立した。
  • 溝加工と外形加工の工数 18日→5日。製造工程を内製化して一貫加工体制を確立したことで、溝加工と外形加工の工数とリードタイムが大きく短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ホーマ
所在地山梨県 笛吹市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1978年

事業の背景

同社はファインセラミックスの切削加工を得意とし、半導体製造装置部品や人工透析機械のパイプなどを手がけている。ファインセラミックス加工を行う企業は全国でも少なく、全国の企業から製造依頼や相談が寄せられる。海外大手IT企業のスマートフォン電極チップ用部品も10年以上前から加工しており、製品シェアは100%とされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程溝加工と形状加工を外注に頼っており、外注先では納品を短縮できず、製造リードタイム短縮のボトルネックになっていた。
  • 生産能力溝加工は元来向いていない平面研削盤で行っていて、精度を出すために自社で治具を作成していたが、多品種小ロットのため製品ごとの治具製作の負担が大きく非効率だった。
  • 品質・精度高い精度を維持したまま加工時間を減らすことができず、工数削減は不可能だった。大手取引先からは寸法精度の向上と納期短縮の要望もあった。

やったこと

完全内製化体制を構築するため、マシニングセンタを新たに導入し、製造工程をすべて内製化して一貫加工体制を確立した。熟練工の技術を分析し、素材や製品仕様に応じた刃の選択方法を文書化したうえで、刃の送り速度を数値化してマシニングセンタにプログラムした。これにより溝精度±10μm、形状精度±200μmでの加工が可能になった。2020年4月から完全内製化体制でのファインセラミックス製品の製造を開始した。

加工機マシニングセンタ

事業の効果

  • 溝加工と外形加工の工数 18日→5日
  • 製造リードタイム 20日→7日

製造工程を内製化して一貫加工体制を確立したことで、溝加工と外形加工の工数とリードタイムが大きく短縮された。単純な設備導入に頼らず熟練工の技術を数値化したことで、顧客の求める精度での安定供給が可能になった。その結果、既に新たな仕事の受注にも結び付いている。また熟練工の技術を継承できる形になり、若手技術者がマシニングセンタの操作を習得したことで、技術の幅が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    父から経営を引き継いだ後、熟練工の技術を数値化し内製化を進めた経緯は読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ファインセラミックス加工を行う企業は全国でも少なく、製品シェア100%という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    外注依存で製造リードタイムが20日だった課題に対し、マシニングセンタ導入で5日、全体7日へ短縮し、溝精度±10μmを実現と数値で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造リードタイムを20日から7日に65%短縮できる生産体制の構築と、2020年4月の内製化開始が具体的に書かれている。

  • 事業を進める体制4

    従業員10人のうち9人が技術者、うち6人が熟練工で、若手技術者がマシニングセンタ操作を習得したと書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体装置部品や人工透析機械のパイプなど用途は書かれるが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の体系的な記述は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    治具作成の負担や熟練工の技術の文書化・数値化、若手への継承が書かれているが、中長期の検証や進め方のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ファインセラミックス加工を行う企業は全国でも少なく、高い技術力で高精度製品を手掛けると書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    半導体装置部品や人工透析機械のパイプ、人工衛星部品など社会的に重要な分野への供給が書かれるが、波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    リードタイム短縮や生産能力拡大の効果は数値で示されるが、補助金額に対する付加価値増加の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    マシニングセンタを使った切削加工技術の開発とデジタル化の取り組みがうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    半導体市場の拡大に応える取組とあり、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    山梨県笛吹市の地場企業として全国から依頼が来ると書かれるが、地域の雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はマシニングセンタを使う仕事をさらに拡大していく計画である。

事業者の声

小さい会社ほど現場が大事、技術が大切なんです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。