ものづくり補助金平成30年度製造業山梨県

アルミダイカスト部品バリ取り工程のロボットによる自動化

有限会社三豊技研

成果加工時間(1個・人あたり) 6分→0.33分

この事例のポイント

  • 熟練作業者の高齢化や人手不足に悩んでいた。
  • 手作業の注意点や工具の当て方を作業者からヒアリングし、その内容をもとにロボットの動作や加工順序を設計した。
  • 加工時間(1個・人あたり) 6分→0.33分。作業者のスキルに左右されず高品質の加工ができるようになり、加工時間は95%削減された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社三豊技研
所在地山梨県 韮崎市
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工
従業員数12人
資本金300万円
設立1986年

事業の背景

同社は1986年に創業し、近隣の大手金属加工メーカーが切削加工したアルミダイカスト製ヒートシンクの仕上げ加工を主に請け負ってきた。LEDヘッドランプ市場は成長しており、2025年に世界で2,750万台、国内で520万台が見込まれている。ヒートシンクはダイカストでバリが出やすく、バリ取りやバフ研磨は熟練作業者の経験に頼ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能熟練作業者の高齢化や人手不足に悩んでいた。
  • 人手・技能仕上げ加工はリードタイムが短く熟練作業者に作業負荷が掛かりやすく、手作業のため身体への負担も大きかった。
  • 生産能力今後の増産要求に対応できる生産体制と従業員の作業環境の改善が必要だった。

やったこと

手作業の注意点や工具の当て方を作業者からヒアリングし、その内容をもとにロボットの動作や加工順序を設計した。全てのバリ取り箇所に工具がアクセスでき強固にクランプできる治具を設計し、従来の手作業用の2種類のバリ取り工具を基に、ロボット先端部の最適な工具をテストカットで選定した。ファナック社製の垂直多関節ロボットを導入し、対象物を固定するステーションを2カ所設けて一方で加工中にもう一方で段取りができる構造とした。テスト品10個を目視検査し、加工時間を1分以内にすることで合格とした。

ロボットファナック社製垂直多関節ロボット(バリ取りロボット)
ロボットロボット制御盤(ティーチング用操作盤)

事業の効果

  • 加工時間(1個・人あたり) 6分→0.33分
  • 作業人数換算 6人分→1人分

作業者のスキルに左右されず高品質の加工ができるようになり、加工時間は95%削減された。1台で6人分の仕事をこなし、今後の増産要求にも対応できる生産体制を構築した。新規取引先の獲得も見込まれ、従業員の作業環境の改善や働き方改革にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ヒートシンクのバリ取りなど仕上げ加工の経験と顧客からの評価が書かれており、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手金属加工メーカーの協力で、熟練作業者への依存や高齢化という課題に対し、自動化で品質と増産対応力を高める強みの活かし方が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    作業者の高齢化や人手不足という課題を示し、2台のバリ取りロボで6分/個・人から0.33分/個・人、95%の時間削減と増産対応を数字で示している。

事業の実現可能性76%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間が6分/個・人から0.33分/個・人へ95%削減、テスト品10個での検証と1分以内の合格基準など、数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制4

    産業用ロボットの特別教育を受けた有資格者がティーチングを担当し、社内体制と作業者への教育の仕組みが具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は近隣の大手金属加工メーカーで、品質の高さや新規取引先獲得の見込みが示され、選ばれる理由は読み取れるが、市場ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    テスト加工や治具設計、工具選定、ステーション2カ所の段取り構造など、導入に向けた遂行方法が段階的に具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達2

    リース導入やものづくり補助事業での購入は書かれているが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みについての記述はない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    LEDヘッドランプ市場は2025年に国内520万台へ成長する見込みと示され、ヒートシンクの仕上げは熟練依存で高付加価値だが、分野の高水準化の記述は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の大手金属加工メーカーとの取引や雇用の門戸拡大は触れられているが、経済波及効果や国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    補助金で購入した後にリースで2台目を導入し、加工時間95%削減という効果が示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    垂直多関節ロボットによる自動化でサプライチェーン内の仕上げ工程を変革したと読み取れるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    韮崎市の地域企業として近隣の大手メーカーと取引し、雇用の門戸を広げた点が書かれており、地域の事業としての位置づけはうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客からの評判が良く、近いうちにもう1台の導入を検討している。大手金属加工メーカーが今後も主な顧客となる見込み。

事業者の声

このロボット1台で6人分くらいの仕事をこなします。品質も素晴らしく、『人間はとてもかなわないな』と思いました。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。