ものづくり補助金平成30年度製造業山梨県

色、香り、味わいに着目した日本ワイン、特に甲州辛口白ワインの品質向上

丸藤葡萄酒工業株式会社

成果スキンコンタクト20時間が最適との結果を官能評価で得た

この事例のポイント

  • 甲州辛口白ワインは色、香り、味わいが薄いと評されがちで、その品質を向上させる必要があった。
  • 果皮と果汁を接触させたまま空気に触れずに搾汁できるクローズドタイプの圧縮機「メンブランプレス機」を新たに導入した。
  • スキンコンタクト20時間が最適との結果を官能評価で得た。甲州種の新たなライン「câlin」が販売に至り、色、香り、味わいを豊かにした甲州辛口白ワインを造れるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名丸藤葡萄酒工業株式会社
所在地山梨県 甲州市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数17人
資本金1,000万円
設立1890年

事業の背景

丸藤葡萄酒工業は明治23年創業の130年以上の歴史を持つワイナリーで、「ルバイヤート」のブランドで知られる。1977年以降、4代目の大村社長のもとで甲州種の辛口白ワインの製造に力を入れてきた。甲州辛口白ワインは日本食に合うと人気がある一方、色、香り、味わいが薄いとも評される。近年は甲州を使った醸しワイン(オレンジワイン)も人気が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度甲州辛口白ワインは色、香り、味わいが薄いと評されがちで、その品質を向上させる必要があった。
  • 生産能力果皮と果汁を接触させて空気に触れないまま搾汁する設備がなく、黄褐色や渋み・苦みを抑えた甲州ワインを造れなかった。

やったこと

果皮と果汁を接触させたまま空気に触れずに搾汁できるクローズドタイプの圧縮機「メンブランプレス機」を新たに導入した。除梗破砕から瓶詰までの手順で、スキンコンタクトの時間を変えながら試験醸造を行った。色素、フェノール値、タンニン値などを分析し、スキンコンタクト20時間程度が適当との結論を得た。この製法によりフレッシュな甲州ワインより黄色味を帯び、複雑な香味を加えたワインを造れるようになり、新たな甲州辛口白ワイン「câlin」として2020年から販売を実現した。

加工機クローズドタイプのプレス機(メンブランプレス機)

新しい製品・サービス:甲州辛口白ワイン「câlin」

事業の効果

  • スキンコンタクト20時間が最適との結果を官能評価で得た

甲州種の新たなライン「câlin」が販売に至り、色、香り、味わいを豊かにした甲州辛口白ワインを造れるようになった。主力商品「ルバイヤート甲州シュールリー」に続く新製品として、ワイン造りの幅が広がった。日本ワインコンクールで金賞を受賞するなど、評価も高い。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    1988年の甲州シュールリー製法への挑戦や、1977年以降の辛口白ワイン製造への注力など過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手含む30ワイナリーの中で中小として甲州シュールリーを初めて手掛けた点は読めるが、市場動向や経営資源の強み弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    色・香り・味わいが薄いという課題を挙げ、スキンコンタクト20時間の最適化で品質向上の目処を立てた点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    品質向上の目処は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社長の姿勢や試験醸造の記述はあるが、人材や事務処理体制について具体的な記載はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    甲州辛口白ワインは色・香り・味わいが薄いと評されるという課題認識と、2020年からの商品「câlin」の販売実現が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試験醸造や官能評価の手順は示されるが、中長期の検証スケジュールや課題解決方法の詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    甲州のスキンコンタクトによる醸しワイン手法で、色・香り・味わいを高める新たなワインを打ち出し、日本ワインコンクールで金賞を受けている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    甲州は日本固有の品種で地域の産地ブランドに触れるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は書かれていないが、クローズドタイプのプレス機による新製法の確立が書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    甲州市勝沼で生まれ長く育まれたブドウを活かし、地域の産地ワインを造る点は読み取れるが、雇用や地域成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

色をさらに黄金色に近づけ、味わいをより複雑で厚みのあるものにしたいと、追求を続けている。

事業者の声

こ の 地 で 1000 年 という長い年月を生きながらえてきた甲州は、すごく大事です

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。