ものづくり補助金平成30年度製造業長野県

全自動NCラジアルソー導入による生産性の向上と販路拡大を目指す

有限会社塩澤工芸

成果木片加工の工程にかかる時間を60%短縮

この事例のポイント

  • 組子は主な工程が手作業のため生産性や品質に限界があり、納期が延びている。
  • 全自動NCラジアルソーを導入し、木片づくりを自動化した。
  • 木片加工の工程にかかる時間を60%短縮。全自動NCラジアルソーの導入で木片加工の工程時間が60%、作品全体の時間が30%短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社塩澤工芸
所在地長野県 高森町
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野精密加工,立体造形,機械制御
従業員数3人
資本金300万円
設立2000年

事業の背景

有限会社塩澤工芸は、組子工芸の製作・販売を目的に2000年に創業した。組子は日本で約500年の歴史をもつ建具製作の技で、座敷の書院障子や欄間などの装飾に使われている。主力は組子工芸のアートインテリア作品で、価格は数百万~数千万円、顧客は個人の富裕層や企業などが大半である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力組子は主な工程が手作業のため生産性や品質に限界があり、納期が延びている。
  • 人手・技能木片の加工を手作業で一つ一つ同じ精度に仕上げる必要があり、集中力と根気を要する作業が全工程の半分を占めていた。
  • 生産能力納入できる作品が年間5~6点に限られていた。

やったこと

全自動NCラジアルソーを導入し、木片づくりを自動化した。1作品に12~13種類、5万~8万個必要な木片を、数ミリから10分の1ミリ単位で加工する。従来は手作業で行っていた工程を機械化し、量産と正確な部材加工を両立させた。工房にはギャラリーを併設し、受注生産からモデル作品展示型の販売へ転換した。

加工機全自動NCラジアルソー

事業の効果

  • 木片加工の工程にかかる時間を60%短縮
  • 作品全体にかかる時間を30%短縮
  • 従来の10倍の精度向上
  • 年間製作可能作品数 5点→9点

全自動NCラジアルソーの導入で木片加工の工程時間が60%、作品全体の時間が30%短縮した。加工精度は従来の10倍に向上し、年間9~10作品以上の製作が可能になった。これにより売上げと収益が向上している。自動化で生まれた時間を新商品開発や技術向上、新たな顧客の開拓にも活かす取り組みを進めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から組子工芸一筋で、受注生産から展示型販売へ転換したと書かれており、事業の流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    組子は手作業で生産性や品質に限界があるとし、強みとして内閣総理大臣賞受賞歴やギャラリー展示による受注につなげている点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    木片加工が全工程の半分を占め年間5~6点に限られる課題を示し、加工時間を60%短縮して年間9~10作品以上の製作が可能になったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間60%短縮、作品全体の時間30%短縮、精度10倍、年間9~10作品以上と数値目標と効果が示されているが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員3名で創業者が組子職人として製作し、子どもたちが技術や販路を分担して後継者が育っていると書かれており、体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は個人富裕層や企業が大半で価格は数百万~数千万円、作品の価値や展示による選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新商品開発や技術向上、新たな顧客開拓を目指すとあるが、遂行方法やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    神代など32種類の銘木を用い、曲線を多用した作風を確立し、組子アートインテリアで高価格帯を実現している点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    伝統技術の継承や後継者育成に触れているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は明確ではない。

  • 費用対効果3

    機械導入で加工時間短縮と年間作品数増加により売上と収益の向上につながったと書かれているが、補助金額に対する数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    伝統工芸を高付加価値のアートインテリアとして展開し、地域の高森町で事業を行っている点は読み取れるが、地域経済への波及は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動化で生まれた時間を新商品開発や技術の向上、新たな顧客の開拓、海外への販路拡大に活かし、後継者も育ちつつ事業を広げていく方針。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。