ものづくり補助金平成30年度製造業静岡県

布製雑貨における生地のロス低減と裁断精度を向上させた型レス生産方法の確立

株式会社創和

成果量産までのリードタイム 20日→10日

この事例のポイント

  • 延反作業は作業員2名による手作業のため時間がかかり、重ねた生地に微妙なずれが生じることがあった。
  • 従来手作業で行っていた延反作業に、コンピューターを搭載したコンベア式延反機を導入し、ロール状の生地から自動で一定長さを切り出して、ずれなく同じ位置に重ねられるようにした。
  • 量産までのリードタイム 20日→10日。延反機と自動裁断機の導入により、生地のロスが減って端材の発生が抑えられた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社創和
所在地静岡県 焼津市
業種その他の製造業
技術分野デザイン,精密加工
資本金1億円
設立1994年

事業の背景

株式会社創和は平成6年に静岡県焼津市で家庭用雑貨商品の製造業として創業し、企画からデザイン、試作、抜き型製作、延反作業、量産まで一貫体制で生産している。現在、国内キャラクター雑貨の小売市場は1兆5千億円を維持しており非常に安定した市場である。一方、特定キャラクターはライセンス契約が厳格で見た目の品質要求が高い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力延反作業は作業員2名による手作業のため時間がかかり、重ねた生地に微妙なずれが生じることがあった。
  • 品質・精度抜き型の上からの圧力により重ねた生地にずれが生じ、不良品となるケースがあった。
  • コスト・採算抜き型で裁断すると残った端材がロスになっていた。
  • 納期・工程型の製作を外注しているため型の手配に日数を要し、量産体制を整えるのに時間がかかっていた。
  • 納期・工程企画から量産体制に入るまでデザイン修正等を含めて20日程度を要していたが、取引先からは高精度かつ短納期での供給が求められていた。

やったこと

従来手作業で行っていた延反作業に、コンピューターを搭載したコンベア式延反機を導入し、ロール状の生地から自動で一定長さを切り出して、ずれなく同じ位置に重ねられるようにした。裁断作業には抜き型ではなく刃物で生地をカットする自動裁断機を導入し、CADデータと連動したCAM制御により任意の形に生地を切り抜けるようにした。これにより型が不要となり、生地のカット部分をロスのない設計にできて端材の発生を減らした。延反機と自動裁断機を連動稼働させ、一連の作業を人の手を介さず自動で行えるよう工程を改善した。

加工機コンベア式延反機
加工機自動裁断機(CAD/CAM連動、刃物カット式)

事業の効果

  • 量産までのリードタイム 20日→10日

延反機と自動裁断機の導入により、生地のロスが減って端材の発生が抑えられた。手作業によるばらつきがなくなり、不良率が低下してコスト削減と製品品質の向上につながった。量産までのリードタイムが約10日短縮し、短納期での受注対応が可能になった。従来裁断工程に専任だった作業員1名は付加価値の高い業務に配置転換でき、生産ラインの効率化も図れた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    家庭用雑貨の製造・企画から量産までの一貫体制を持つ点は読み取れるが、補助事業が経営戦略上どう位置づくかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    キャラクター雑貨市場は1兆5千億円で安定と記載あり、取引先から高精度・短納期を求められている点は読み取れるが、自社の経営資源の強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    延反作業や裁断作業のボトルネック、型外注による日数、企画から量産まで約20日かかる課題が具体的に示され、リードタイムを約10日短縮と解決策が対応している。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    リードタイム約10日短縮、不良率低下、作業員1名の配置転換は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    作業員2名の手作業や裁断専任1名の配置転換は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    女性目線の安全で使い勝手のよい製品、キャラクター商品の品質要求への対応は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入機械による工程改善の流れは書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールについての記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    型レスによる延反・裁断の生産方法は同分野で一般的でない可能性がうかがえるが、普及度や高付加価値化の水準は明記されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    キャラクター雑貨市場の規模や安定性は触れられているが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述はわずかである。

  • 費用対効果3

    不良率低下、コスト削減、リードタイム約10日短縮と効果が書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CADデータと連動したCAM制御による裁断、延反機と裁断機の連動は書かれているが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    焼津市・藤枝市の地域企業であることはわかるが、地域の特性を活かした雇用や成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

一新した生産体制を武器に、今後も顧客満足度の向上を図り、さらなる需要拡大を図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。