ものづくり補助金平成30年度製造業静岡県

清水港の地域産業である缶詰ラベル包装に係る工程改善事業

港包装株式会社

成果1日当たり700ケースの増産

この事例のポイント

  • 1号缶のラベル包装は手作業で重労働であり、熟練工の技術に依存したラインの処理能力に限界があった。
  • 熟練工の技術に依存していたチューニング作業を自動化させたラベル貼付機(半自動ラベラー)を導入した。
  • 1日当たり700ケースの増産。チューニング作業を自動化したラベル貼付機の導入により、1号缶の生産能力と生産量が大幅に向上し、1日あたり700ケースの…

事業者のプロフィール

事業者名港包装株式会社
所在地静岡県 静岡市
業種その他の製造業
資本金1億円
設立1960年

事業の背景

港包装株式会社が本社を置く清水港エリアは、国内の缶詰ラベル包装業務の国内シェア95%を占める。同社が創業した昭和35年には周辺に同業他社が10社以上あったが、缶詰の製造が海外へ移転したことでニーズが減り、現在は3社となっている。小ロットでは缶への直接印刷はコスト高となるため、ラベル包装への需要は一定数残っている。同社だけが大型の1号缶への包装が可能である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力1号缶のラベル包装は手作業で重労働であり、熟練工の技術に依存したラインの処理能力に限界があった。
  • 人手・技能熟練工がラインに張り付く必要があり、他作業に時間を割り当てられず、若手技能者への技能伝承も急務となっていた。
  • 納期・工程1号缶のラベル包装は加工効率が悪く、廃止も検討されたが取引先の強い要望により工程の効率化が必要だった。

やったこと

熟練工の技術に依存していたチューニング作業を自動化させたラベル貼付機(半自動ラベラー)を導入した。ライン増強に加えて手作業ラインの稼働を極力少なくし、生産量の増加を図った。チューニング作業が一部自動化されたことで、熟練工がラインに張り付く必要がなくなり、熟年作業員を他部署への配置転換や他作業との兼任に充てられるようになった。これにより若手作業員への技術指導や工場全体の工程管理体制の構築が進んだ。

加工機半自動ラベラー(ラベル貼付機)

事業の効果

  • 1日当たり700ケースの増産
  • 作業精度のばらつきの解消により不良品が3パーセント削減
  • 納期は平均で9日間短縮

チューニング作業を自動化したラベル貼付機の導入により、1号缶の生産能力と生産量が大幅に向上し、1日あたり700ケースの増産となった。作業精度のばらつきが解消され、不良品は3%削減、納期は平均9日短縮された。熟練工の張り付きが不要になったことで若手技能者の育成と工程管理体制の構築が進み、加工精度の向上による取引先の信頼性向上も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1号缶ラベル包装は同社しかできず創業時から取り組んできたとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内ラベル包装の需要は一定数あり、国内シェア95%や1号缶対応は同社のみとあるが、強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    熟練工依存や若手育成の急務といった課題が示され、自動化で1日700ケース増産、不良3%削減と課題解決の内容が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1日当たり700ケースの増産、不良品3%削減、納期平均9日短縮と数値目標や成果が明示されており、実現性の根拠も読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    熟練工の配置転換や若手指導、工程管理体制の構築はうかがえるが、事業遂行の人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    国内需要の限界、取引先の強い要望、ラベル包装を選ぶ顧客ニーズなど、ターゲットとニーズの裏付けが具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備と工程改善の方法は書かれているが、スケジュールや中長期の課題検証については具体的な記載が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    缶詰ラベル包装の国内シェア95%や直接印刷では出せない質感といった特徴はあるが、高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    清水港の地場産業や缶詰製造に関わる多くの企業を守る効果が書かれており、地域波及の理由はうかがえる。

  • 費用対効果2

    増産や不良削減の効果はあるが、補助金投入額に対する費用対効果や付加価値額の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    半自動ラベラーの導入は読み取れるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記載は見られず、サプライチェーンへの貢献は限定的である。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    清水港エリアの地場産業活性化に寄与するとあり、地域の雇用や産業維持への言及はあるが、具体的な雇用数などは書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産性向上で生まれた時間を若手への技能伝承に充て、持続可能な生産体制を構築し、地場産業の活性化に寄与する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。