ものづくり補助金平成30年度製造業三重県

精密微細加工技術高度化と材料歩留まり向上における高効率化のシステム構築

松井機工有限会社

成果振れ精度 0.2→0.025

この事例のポイント

  • CNC自動旋盤は長尺残材が発生して製品加工工数が減るため、材料歩留まりが低かった。
  • 高圧クーラント仕様のCNC旋盤を用い、オイルホールドリルで細深穴加工を可能にした。
  • 振れ精度 0.2→0.025。長尺残材を再利用できるようになり、材料歩留まりと生産性が向上する見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名松井機工有限会社
所在地三重県 度会郡玉城町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金300万円
設立1960年

事業の背景

同社は錠前部品の精密切削加工を主たる業務とし、医療機器部品や産業機器部品などを手がけている。優秀な技術が認められ、従来からの取引先に加えて医療福祉関係や航空機産業など新たな市場からも関心が寄せられている。一方で製造時に多く発生する長尺残材(スクラップ)を再利用し、歩留まりを向上させる必要性が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力CNC自動旋盤は長尺残材が発生して製品加工工数が減るため、材料歩留まりが低かった。
  • 生産能力医療機器部品や産業機器などから小径・細穴形状の精密微細加工の要望が増えており、その対応力を強化する必要があった。
  • 品質・精度小径・細深穴加工では振れ精度が0.2以上と大きく、棒材からの加工で振れ精度を上げる必要があった。
  • 品質・精度横穴外径のバリを確実に除去する加工ができていなかった。

やったこと

高圧クーラント仕様のCNC旋盤を用い、オイルホールドリルで細深穴加工を可能にした。3D面取り機能を使い、バリ発生部に適切なツールパスでバリを確実に除去するようにした。ガイドブッシュレス式で短尺材料にも対応できる機能付きのCNC自動旋盤(短尺残材対応中厚クーラント使用機)を導入し、長尺残材を再利用して製品を製造できるようにした。小径(Φ12以下)の細穴や横穴バリ処理などに対応でき、棒材からの加工で振れ精度を0.2以上から0.025以下に高めた。残材長は180mmから70mmに短くなった。

加工機主軸台移動形 CNC 自動旋盤(L12Ⅶ 細穴用高圧クーラント仕様)
加工機主軸台移動形 CNC 自動旋盤(L12Ⅶ 短尺残材対応中圧クーラント仕様)

事業の効果

  • 振れ精度 0.2→0.025
  • 残材長 180mm→70mm

長尺残材を再利用できるようになり、材料歩留まりと生産性が向上する見込みである。小径・細穴の精密微細加工が可能になり、振れ精度とバリ取りの品質も改善する。材料歩留まり向上により、コストを抑えた生産体制が築ける。この技術で医療機器部品や従来の錠前部品、産業機器など幅広い分野からの要望に応え、新規製品部品の受注を増やすことが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    社長が展示会や専門知識の獲得に積極的で、従来の錠前部品から医療機器部品へ広がった経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療機器・産業機器など小径・細穴の精密微細加工の要望増加を市場として示し、高圧クーラント仕様の導入で競争力強化を図る旨が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    導入前後の芯ブレ0.2以上から0.02(振れ精度0.025以下)、残材長180mmから70mmへの改善など数値つきで課題と解決策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    振れ精度や残材長の数値目標は示されているが、付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数8人と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器部品や産業機器など対象分野と、精密微細部品への対応力が受注につながるというニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入機種の選定や機械メーカーとの打ち合わせは書かれているが、中長期の検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    小径・細穴の精密微細加工は高付加価値分野として位置付けられ、医療機器部品などで需要拡大が見込まれると記載されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    医療機器や航空機など成長分野への展開は書かれているが、波及効果や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    材料歩留まりの向上やコスト削減が見込まれると書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC自動旋盤の導入は書かれているが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    医療・航空機など成長分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性や地域経済の牽引への言及はわずかで、三重県玉城町の立地以外に具体的な記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新規製品部品の受注獲得を目指し、更なる展開と発展を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。