ものづくり補助金平成30年度医療、福祉京都府

ICT/IoT活用による入居者の見守りと業務効率化による個別介護サービス強化

株式会社ルネスアソシエイト

成果夜勤1回あたりの平均居室巡回数 480室→154室

この事例のポイント

  • 夜勤体制を2名から3名に増員する必要があるが、人手不足と人件費負担のため実現が難しい。
  • ベッドマットに内蔵のセンサーで睡眠、覚醒、起き上がり等をモニタリングし、ナースコールとスマートフォンに状態変化を通知する「EGAO linkシステム」を北近畿で初めて導入した。
  • 夜勤1回あたりの平均居室巡回数 480室→154室。介護記録の自動化とスマートフォンからの入力により、記録作業と勤務交代時の情報共有の負担が大幅に減った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ルネスアソシエイト
所在地京都府 福知山市
業種社会保険・社会福祉・介護事業
従業員数65人
資本金500万円
設立1978年

事業の背景

1978年に福知山市で調剤薬局として創業し、1990年に処方箋薬局として法人化した。その後、介護付き有料老人ホーム「メゾンパルテール福知山」を開所して介護事業に参入し、現在は介護事業、病院清掃請負事業、病院併設カフェ&レストラン事業の3部門を持つ。施設は1階~4階で69名が入居できる部屋数を有するが、取組み前は2~4階のみ稼働し入居者は最大59名だった。昨今の人手不足や人件費負担が課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力夜勤体制を2名から3名に増員する必要があるが、人手不足と人件費負担のため実現が難しい。
  • 人手・技能介護記録の記載と転記に業務負担がかかっていた。
  • コスト・採算収益性が低く、1階の居室を稼働できていなかった。
  • 生産能力取組み前は2~4階のみの稼働で、入居者は最大59名だった。

やったこと

ベッドマットに内蔵のセンサーで睡眠、覚醒、起き上がり等をモニタリングし、ナースコールとスマートフォンに状態変化を通知する「EGAO linkシステム」を北近畿で初めて導入した。通知等の記録は介護カルテシステムに自動で記録・蓄積される。導入は、システムの選定と発注、現行業務プロセスの棚卸、新業務プロセスの整理、導入システムの納入・据付、操作マニュアルの整備・教育、試験運用・実証の順で進めた。従来は定時巡回だった排泄ケアを、各居室の状況を一覧できる画面を使い、睡眠→覚醒→起き上がりのタイミングで訪室する個別対応に移行した。収集したデータを活用し、個人の睡眠周期に応じたケアプランを立案できるようにした。

ソフトEGAO linkシステム(ベッドマット内蔵センサー、ナースコール連携、スマートフォン通知、介護記録連携)

事業の効果

  • 夜勤1回あたりの平均居室巡回数 480室→154室
  • 一人当たりの平均記録作業時間(日勤帯) 60分→50分
  • 一人当たりの平均記録作業時間(夜勤帯) 90分→75分
  • 入居者数(最大) 59名→69名

介護記録の自動化とスマートフォンからの入力により、記録作業と勤務交代時の情報共有の負担が大幅に減った。夜間巡回は個別対応に移行し、職員と入居者双方の負担が軽減された。業務効率化の結果、夜勤2名体制で1階をオープンでき、入居者を最大69名まで増やせる見通しが立った。今後は転倒事故の減少や、自由度の高い生活支援サービスの提供に取り組む予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組は調剤薬局から介護事業への参入程度しか読み取れず、補助事業の位置付けは収益性改善の文脈で述べられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    最大59名から69名への入居増、夜勤2名体制の目処など自社の施設条件に即した課題認識が書かれているが、市場や競合の分析は見当たらない。

  • 課題の認識と解決5

    夜勤3名体制が実現困難で入居を断っていた課題に対し、EGAOリンクで夜勤2名体制による1階オープン、最大69名入居という具体的目標が書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    夜間巡回が480室から154室(68%減)、記録作業が10〜15分減など数字で目標と成果が示され、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    導入ステップが6段階で示され、マニュアル整備・教育や試験運用も記載されているが、体制の人材構成は具体的に読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    入居者の安全と個別サービス強化の価値は述べられているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋4

    導入から試験運用までの6ステップが示され、転倒事故の減少や今後のケアプラン展開も記載されており、遂行方法は具体的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    福知山市で初めての導入と北近畿初の導入とあり、地域での新規性はうかがえるが、高付加価値化・高価格化の記述は乏しい。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    入居者の見守りや地域の介護体制に触れているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    夜間巡回の68%減や記録時間短縮の数値はあるが、補助金投入額に対する費用対効果の金額情報は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    センサーとナースコール、介護記録の連携というICT活用が述べられ、睡眠データを使ったケアプラン立案も書かれているが、地域やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    福知山市での初導入や京都ルネス病院との連携など地域性がうかがえるが、地域経済成長を牽引する記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

覚醒、起き上がり等の動作をスマートフォンで把握しナースコールする機能により、夜間の居室内での転倒事故防止や早期発見・早期対応につなげる。また、介護サポートシステムで短縮した労働時間を活用し、個別のケアプラン作成や一人ひとりの希望を支援するサービスを提供する予定である。

事業者の声

後は死に行くためのものではなく、人生の最後を生き抜くための時

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。