ものづくり補助金平成30年度宿泊業、飲食サービス業京都府

自家焙煎方式の開発による、国産そば茶スイーツの小売事業展開とブランドの確立

株式会社よしむら

この事例のポイント

  • そば茶専用の焙煎機が市場になく、国産そば茶の自家焙煎方式を新たに開発する必要があった。
  • そば茶専用の焙煎機を開発するため、様々な焙煎機器メーカーに接触しデモ実施等の試行錯誤を繰り返し、当社独自の焙煎機を開発した。
  • 急速冷凍機と冷凍庫の活用により、小売店での冷凍保存が可能となり賞味期限の短さに対応できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社よしむら
所在地京都府 京都市
業種飲食店
技術分野材料製造プロセス
従業員数150人
資本金3,000万円
設立2002年

事業の背景

当社は設立以来、手打ちそば店や豆腐料理店を経営し、全国でも最大規模の約30名の手打ちそば職人を擁している。京都も含め全国的に飲食業界の競争が激化しており、強みを活かせる新たな事業展開を考えていた。女性を中心に高まりつつあるスイーツ需要を、そばのノウハウを活かして取り込むことを狙った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術そば茶専用の焙煎機が市場になく、国産そば茶の自家焙煎方式を新たに開発する必要があった。
  • 品質・精度既存設備では断熱性や加熱能力の問題から焼きムラや生地の食感等の品質面が安定しなかった。
  • 生産能力小売業を展開するにあたり、生産能力を向上させる必要があった。
  • 納期・工程保存料等の添加物を使用しないため賞味期限が短く、生産の平準化が難しかった。

やったこと

そば茶専用の焙煎機を開発するため、様々な焙煎機器メーカーに接触しデモ実施等の試行錯誤を繰り返し、当社独自の焙煎機を開発した。焙煎前の原材料に工夫を加えてそば茶の風味を極めて強く出すことに成功し、国産そば茶の自家焙煎方式を確立した。既存のセントラルキッチン「生産工房よしむら」にスイーツの生産拠点を集約し、そば粉の製粉→攪拌→焼成の集中生産ラインを構築した。焼成工程には製菓用オーブン(バッケン)を導入し、芯温センサーと自動温度調整機能を備えた。急速冷凍機で焼成したスイーツを冷風で一気に冷却・凍結させ、冷凍庫で2週間保管した後に解凍した試作品の食感やそばの風味の劣化がないことを確認した。

加工機焙煎機
加工機製菓用オーブン(バッケン)
加工機急速冷凍機
その他冷凍庫

新しい製品・サービス:自家焙煎の国産そば茶スイーツ(焙煎そば茶ロール、そば茶あんチーズケーキ等)と新ブランド「sonoka」

事業の効果

急速冷凍機と冷凍庫の活用により、小売店での冷凍保存が可能となり賞味期限の短さに対応できた。繁忙期以外の時期にも製造が可能となり、生産の平準化も実現した。試作品はそばの風味・食感ともに満足のいく仕上がりとなり、有名百貨店の催事出展では多くの顧客から拡販の可能性を感じる声を得て、拡販に向けた交渉を継続している。国産そば茶の自家焙煎方式は当社独自の技術として確立され、国産そば茶スイーツの小売り事業展開とブランド確立に向けた基盤となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    手打ちそば店の経営という既存事業を背景に、そば茶スイーツの小売り展開を打ち出しており、既存の強みとの関係は読み取れるが、戦略上の位置付けの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国最大規模の約30名の手打ちそば職人や独自ノウハウを強みとし、焙煎機開発で他社と差別化する方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    焼きムラや賞味期限の短さ、生産の平準化といった課題を挙げ、急速冷凍機や製菓用オーブンで対応する計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、高付加価値化の数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    工房の従業員たちと一丸となって取り組んだとあり、体制の一端は読み取れるが、人材や事務処理能力の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自家焙煎の国産そば茶スイーツという製品の特徴と、百貨店催事での多くの客の反応に基づく拡販可能性が書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    試作品の保管試験や予定通りのスケジュールでの事業完了、冷凍保管・流通の検討など、課題検証と遂行方法が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    そば茶専用の焙煎機が市場になく自社で開発し、そば茶の風味を強く出す独自方式を確立したと書かれており、新規性が高い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地元密着の店舗運営や国産素材の活用は触れられているが、経済波及や雇用創出などの国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額などの費用対効果を示す数字は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    急速冷凍や冷凍保管による流通の仕組みは示されているが、デジタル技術や地域・サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    京都の地域に根ざした店舗運営や国産そば・豆腐の素材活用が書かれ、地域特性との関係は読み取れるが、雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新ブランド「sonoka」の各商品を国産そば茶スイーツに特化した自社店舗でも販売・PRし、補助事業の目的である小売り事業展開とブランドの確立をさらに深めていきたいと考えている。

  • 目標:全国でも最大規模の約30名の手打ちそば職人を擁している
  • 目標:資本金 3,000 千円

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。