ものづくり補助金平成30年度製造業京都府

無人搬送ロボットを活用した工場内物流システム改革と人手不足解消

サンプラスチックス株式会社

成果倉庫業務の人数 4名→2名

この事例のポイント

  • 倉庫作業は人力に依存しており、夜間シフトの人員不足が深刻である。
  • 倉庫業務は昼間に製品の出荷と資材の受入れ・入庫を行い、夜間に生産された製品のパレット積み収納と生産機械への資材投入を行っている。
  • 倉庫業務の人数 4名→2名。夜間の収納作業を無人搬送システムで完全無人化し、夜間シフトの人手不足を解消した。

事業者のプロフィール

事業者名サンプラスチックス株式会社
所在地京都府 相楽郡精華町
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野機械制御
従業員数73人
資本金5.25億円
設立1957年

事業の背景

当社はヨーグルトやマーガリンなどの食品用容器や、医療用の試験管・検査カップなどのプラスチック容器を製造しており、現在は24時間稼働で1日200万個を生産できる体制を築いている。「作業」は機械化や外注化し、開発など創造性が求められる「仕事」に人材を集中する方針をとっている。平成25・26・27・29年の補正事業も活用して工場のFA化を進め、生産性向上と衛生環境の維持で顧客の信頼を得てきた。一方で倉庫内は人力作業が残り、作業員の確保と作業能力の強化が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能倉庫作業は人力に依存しており、夜間シフトの人員不足が深刻である。
  • 人手・技能フォークリフトの有資格者を確保しにくく、夜間は欠員が出やすい。一般の作業員より夜間作業員の採用コストが約2割多くかかり、効率も悪かった。
  • 生産能力倉庫の処理量は担当者のフォークリフト技能に左右され、遅れると生産工程全体に影響していた。今後の増産に対して当時の処理能力では補えなかった。
  • 生産能力夜間は作業員が単独で作業するため処理能力を把握できず、適正な業務量を管理できなかった。
  • その他倉庫スペースの効率や費用の面から既存レイアウトを改修せずにシステムを設計する必要があった。
  • その他3交代の交代時に、ロケーション変更などの引継ぎ情報が度々伝わらず、現場に混乱が生じていた。

やったこと

倉庫業務は昼間に製品の出荷と資材の受入れ・入庫を行い、夜間に生産された製品のパレット積み収納と生産機械への資材投入を行っている。製品の収納をロボットで行う無人搬送システムを導入し、夜間の収納作業を無人化した。本システムは主にセンサー付きフォークリフト、制御機、位置補正用マグネットで構成され、フォークリフトのセンサーが方位データと走行距離データから位置を算出し、倉庫内の位置情報を参照して走行経路を決める。ラック間の通路幅は通常の3mに対して2mで設計し、既存レイアウトを改修せずに使えるよう3ウェイフォークリフトを導入した。フォークは180度旋回し、正面と左右の3方向から荷物を積み降ろしできる。パレットは3段積みで収納し、導入当初は荷積みの状態が悪くセンサーが反応せず一晩停止したり、収納場所を誤ったりするエラーが発生したため、ログを確認して原因を探り、昼間の製品の受け渡し方法や手順を見直した。

ロボット無人搬送システム
その他3ウェイフォークリフト

事業の効果

  • 倉庫業務の人数 4名→2名

夜間の収納作業を無人搬送システムで完全無人化し、夜間シフトの人手不足を解消した。倉庫業務の人数を4名から2名に減らし、採用コストも削減できた。今後製品の増産があっても人員を増やさずフォークリフトの追加で対応でき、体制を柔軟に組めるようになった。処理能力が把握できて業務量の適正化や処理方法の改善が進み、引継ぎ情報が確実に伝わって現場の混乱もなくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の製造FA化の取組(産業用ロボット・自動検査)との延長で倉庫の無人化に取り組んだと読めるが、位置づけは簡潔である。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    受注増加と夜間人員不足という外部・内部の状況は書かれているが、競争優位性への言及は乏しい。

  • 課題の認識と解決5

    夜間作業員の採用コストが2割増、倉庫業務を4名から2名に削減など、課題と効果が数字で示され、実効性が読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    夜間無人化による倉庫人員4名から2名への削減、24時間体制での1日200万個生産など、具体的な目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    社内でFA化を継続的に進めてきた実績や、導入後のプログラミング・ログ確認による運用見直しは読めるが、体制の詳細は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客からの信頼や衛生環境維持は書かれているが、製品の選ばれる理由の整理は限定的である。

  • 事業化までの道筋4

    導入時のエラーをログ確認と人の作業手順見直しで解決した経緯や、今後の出荷作業への展開計画が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    既存レイアウトを改修せず狭い2m通路で活用する工夫はうかがえるが、高付加価値化や高価格化の記述はない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    人手不足解消や柔軟な増産体制という地域的な意義はうかがえるが、経済波及効果への記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    採用コストの削減や倉庫人数の半減、増産時もフォークリフト追加で対応できる点など、費用対効果を示す事実が書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    無人搬送システムという先端技術の活用は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都府精華町の立地は書かれているが、地域の特性を活かした経済成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

無人搬送システムは今後、昼間に行っている出荷作業にも活用する予定である。生産設備への資材投入の自動化など機械化をさらに進め、最終的には人がいなくても稼働できる工場づくりを進めていく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。