ものづくり補助金平成30年度卸売業、小売業京都府

観光産業に特化した地域性の高い土産菓子の大量生産設備導入事業

成果電熱式デッキオーブンで鉄板面積では従来比2〜3倍の製造能力を見込む

この事例のポイント

  • 土産菓子の需要が増えているが、現状の多品種小ロット生産ではパティシエの商品開発時間を確保できない。
  • ホットミックス、生地充填機、電熱式デッキオーブンを導入し、焼き菓子の量産化を図った。
  • 電熱式デッキオーブンで鉄板面積では従来比2〜3倍の製造能力を見込む。フィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子を大量に作れるようになった。

事業者のプロフィール

所在地京都府 舞鶴市
業種飲食料品卸売業
従業員数4人
資本金1,000万円
設立2020年

事業の背景

2013年に舞鶴市でイタリアンレストラン「アメイロ ビストロ アルル」を開業し、その後事業を広げた。2018年の豪雨で床上浸水の被害を受け、1週間営業できず、その後も風評被害で顧客が戻らなかった。そのような中で地元食材を使った「マイヅルプリン」が売上を維持したことから、複数店舗・複数事業の展開に至った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力土産菓子の需要が増えているが、現状の多品種小ロット生産ではパティシエの商品開発時間を確保できない。
  • 人手・技能生産性の高い設備を導入し、パティシエの負担を減らして量産体制を整える必要がある。
  • 品質・精度パティシエ個人の技能が見えず、作業の品質が均一になりにくい。

やったこと

ホットミックス、生地充填機、電熱式デッキオーブンを導入し、焼き菓子の量産化を図った。ホットミックスはIHヒーター機能付きで、人肌や沸騰手前など細かな温度管理とプログラミング可能な撹拌速度・時間により、パティシエの技術を再現できるようにした。生地充填機は生地の種類や状態に合わせて絞り方をプログラミングでき、工具を使わずに分解できて洗浄しやすいものを選んだ。電熱式デッキオーブンは3つのユニットで構成し、鉄板面積で従来比2〜3倍の製造能力を見込んでいる。作業はミーティングを重ねて見直し、マニュアル化と品質の均一化を進めた。

加工機ホットミックス
加工機生地充填機
加工機電熱式デッキオーブン

新しい製品・サービス:地元の食材を用いた土産用の焼き菓子(フィナンシェ、マドレーヌなど)

事業の効果

  • 電熱式デッキオーブンで鉄板面積では従来比2〜3倍の製造能力を見込む

フィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子を大量に作れるようになった。データ取りや作業の見直しにより作業の改善が図られ、パティシエを中心にした情報や改善意欲の共有も進んだ。今後は地元の食材を用いた焼き菓子の開発・販売に力を入れ、観光需要の回復を取り込む予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2013年の飲食店開業から菓子・総菜製造へ事業を拡大した経緯と、マイヅルプリンの継続的な売上維持が書かれ、事業の一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    観光客増加とご当地土産需要の拡大、地元食材を使った焼き菓子の不足に言及。ただし自社の強み・弱みの分析は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    パティシエの開発時間不足という課題を明示し、生産性の高い設備で量産し商品開発時間を確保する方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    1日500〜1000個の生産を見積もるとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断は限定的。

  • 事業を進める体制3

    パティシエ中心のミーティングやマニュアル化で作業員の体制づくりに触れるが、人材配置や事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    観光需要の回復や大型クルーズ船の入港など需要の背景はあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋4

    作業のマニュアル化、データ取得、ミーティングによる見直しという課題解決の方法が段階的に書かれ、遂行方法は具体的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    舞鶴市に地元食材を使った土産向け焼き菓子が少ないことに注目したとあり、差別化の方向性はうかがえるが、水準の数値根拠は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    観光地の土産需要や地元食材の活用(大浦パパレモンプロジェクト、耕作放棄地再生)など地域波及効果が書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、生産効率向上の記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    IHや温度・撹拌のプログラム機能、データ取得による技能の見える化など、デジタル機器の活用が書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    地元の生産者や観光施設と連携し、舞鶴の食材を用いた土産品を開発・販売する地域の経済成長への寄与が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

観光需要の回復を見込み、地元の生産者や観光施設、土産物店と一体で商品の開発・販売に取り組んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。