ものづくり補助金平成30年度製造業京都府

自動裁断機によるオーダーメイドウェアの多品種少量生産の強化

岩本繊維株式会社

成果パジャマの1日裁断枚数 60枚→180枚

この事例のポイント

  • オーダーメイドパジャマの裁断工程が手作業で、短納期で一着ごとに異なるサイズを生産する体制が整っていなかった。
  • 補助事業では、オーダーメイドパジャマの裁断工程を効率化するため、オールインワンカットシステム(自動裁断機「E2-2000」、パターンスキャナー、CAD/CAMソフト)を導入し、型…
  • パジャマの1日裁断枚数 60枚→180枚。裁断工程の機械化と型紙の電子化により、パジャマやカバー寝具の裁断枚数が大幅に増え、生産能力が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名岩本繊維株式会社
所在地京都府 京都市
業種繊維工業
技術分野複合・新機能材料
従業員数54人
資本金1億円
設立1973年

事業の背景

主力はオーダーメイドのパジャマやカバー寝具などの寝具・ウェアで、企画・製造・販売が一体となった受注生産を行っている。補助事業前は売上の約65%が卸売りで、コロナ禍で自社販売チャネルの確保が喫緊の課題となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力オーダーメイドパジャマの裁断工程が手作業で、短納期で一着ごとに異なるサイズを生産する体制が整っていなかった。
  • コスト・採算カバー寝具などの特殊品は製品数が少なく、寝具にこだわる人のニーズに応えきれていないと感じていた。
  • 人手・技能大型で重い原反を都度取り替える作業が大きな負担になっていた。
  • 納期・工程お客様を待たせることによる満足度の低下が懸念されていた。

やったこと

補助事業では、オーダーメイドパジャマの裁断工程を効率化するため、オールインワンカットシステム(自動裁断機「E2-2000」、パターンスキャナー、CAD/CAMソフト)を導入し、型紙を電子化した。さらに、原反を自動でセットできる「原反スロット」を自社開発してシステム化したカバー製造用の自動裁断機「E4-2000」を別枠で導入し、カバー寝具の裁断も機械化した。これにより作業が標準化され、裁断工程の効率化と生産能力の強化を図った。

加工機オールインワンカットシステム(自動裁断機「E2-2000」、パターンスキャナー、CAD/CAMソフト)
加工機カバー製造用自動裁断機「E4-2000」(自社開発の原反スロット付き)

新しい製品・サービス:オーダーメイド寝具の直販ビジネス「つくるカバー」

事業の効果

  • パジャマの1日裁断枚数 60枚→180枚
  • カバー寝具の1日裁断枚数 80枚→200枚
  • オーダーメイドの1日生産枚数 30着→100着
  • 生産能力 1倍→1.5倍
  • 1枚当たり80円のロスとしても年間で最大約210万円が削減できる計算。
  • WEB直販の売上比率 35%→50%

裁断工程の機械化と型紙の電子化により、パジャマやカバー寝具の裁断枚数が大幅に増え、生産能力が大きく向上した。オーダーメイドでも短納期で納品できるようになり、他社との差別化につながった。生地ロスが減って歩留まりが向上し、原価も削減できた。作業の標準化により新人でも高い生産性を発揮できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のオーダーメイドパジャマ事業を拡大する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    一枚から受注できる多品種少量体制と、ネット直販の高評価(5つ星80%)を強みとして示しており、競争優位の根拠が具体的。

  • 課題の認識と解決5

    裁断は1日60枚が限界だったが180枚に対応、受注データ入力も100件15分と数字つきで課題と解決策が結びついている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    裁断枚数が60枚から180枚、カバー寝具は80枚から200枚、生産能力3倍など目標と実績が数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    3〜5年育成の職員や新人の活用は書かれているが、事務処理や推進体制の詳細は記述が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    オーダーメイドの顧客ターゲットやお客様の声、5つ星評価などニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    海外展開に向けた取組に触れているが、スケジュールや検証方法の記述は限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    1枚からのオーダーメイド寝具と独自開発の原反スロットなど、同分野で高付加価値化を図る内容が具体的。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域雇用や波及効果への言及はほとんどなく、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    年間約210万円の生地ロス削減や生産能力3倍など、投資額に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    自動裁断機やCAD/CAMなどデジタル技術の活用は読み取れるが、業界全体への波及効果の記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都の繊維事業者である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外展開で好循環を生み出せないかと考え、インターネットでの仕掛けづくりに取り組んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。