ものづくり補助金平成30年度製造業京都府

平面度0.01㎜以下の超高規格アルミプレートのジャスト・イン・タイム実現

株式会社渡邉商事

この事例のポイント

  • 産業用ロボット関連などのユーザーから、アルミプレートの平面度を0.01mm以下にする要求が強まっていた。
  • 2020年1月に精密平面研削盤を導入し、高速で回転する砥石に素材を押し当てて少しずつ削り取る方式で、±0.01mm公差の細かい精度での加工を可能にした。
  • 平面度0.01mm以下の超高規格アルミプレートの生産を実現し、他社にない技術上の優位性を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社渡邉商事
所在地京都府 京都市
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数88人
資本金1.2億円
設立1950年

事業の背景

当社は1948年創業のアルミニウム材料販売業者で、メーカーから仕入れた材料をストックし、全国900社を超える製造業者の希望する大きさにカットして販売している。主要取引先には株式会社島津製作所などがある。人手不足によるロボット化の推進で、産業用ロボットの導入が中小企業にも広がり、平面度の高い部品への需要が伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度産業用ロボット関連などのユーザーから、アルミプレートの平面度を0.01mm以下にする要求が強まっていた。
  • 品質・精度展伸材は板厚精度が±0.2mm程度で表面に圧延の筋目が残るため、平面度の要求に応えられなかった。
  • 納期・工程6面ゼロカットの引き合いが年々増える一方で、顧客は短いリードタイムを求めていた。

やったこと

2020年1月に精密平面研削盤を導入し、高速で回転する砥石に素材を押し当てて少しずつ削り取る方式で、±0.01mm公差の細かい精度での加工を可能にした。自動運転と機上計測システムにより板厚寸法を自動計測できるようにし、人手不足や労働時間短縮に対応する省力化を図った。6面ゼロカットの表面研磨加工(6面ZCS)を内製化し、リードタイムを短縮した。

加工機精密平面研削盤
検査測定機上計測システム

新しい製品・サービス:平面度0.01mm以下の超高規格アルミプレート

事業の効果

平面度0.01mm以下の超高規格アルミプレートの生産を実現し、他社にない技術上の優位性を確立した。リードタイムを大幅に短縮し、コストも大幅に削減して、生産性の向上と精度の向上を両立できた。自動運転の機能は工場のIoT化の足掛かりとなり、今後の生産機械の自動化につながる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1948年創業のアルミ材料販売業で、精密切断などの前工程と精密加工を一貫して手がける強みが事例から読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    平面度0.01mm以下の加工を新設し、全国900社超の製造業者と協働ロボット需要など市場動向を踏まえた差別化が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    平面度0.01mm以下の要求増加という課題に対し精密平面研削盤導入で対応する流れは示されるが、付加価値や成長の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は記載がなく、リードタイムやコストの削減が大幅とあるのみで数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    JISQ9100の品質体制や社員研修、顧問契約による技術指導など体制面の記述はあるが、補助事業を担う具体的な人員配置は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    平面度0.01mm以下の超高規格アルミプレートという製品内容と、産業ロボット関連ユーザーの需要という顧客ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    2020年1月に機械を導入したことは書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    平面度0.01mm以下という同分野で高水準の精度を狙う加工で、高付加価値化を図る内容が具体的に示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    産業ロボットの普及によるアルミ需要や、LMガイド部品の精度要求など、需要創出の背景は示されるが国が補助する理由までは書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    自動運転機能や機上計測による省力化とIoT化の足掛かりが書かれ、サプライチェーンへの貢献も示唆されるが、先端技術の具体性は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    産業用ロボット分野の伸長という成長分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換との関係までは明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    京都伏見の地域企業へのジャスト・イン・タイム供給が書かれ地域のモノづくりの生産性向上に触れるが、雇用や成長への数値は示されない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は顧客ニーズとして潜在化している有力なトレンドを先取りし、平面度0.01mm以下の超高規格アルミプレートの販売展開を目指す。生産機械の運転も順次自動化して工場のさらなるIoT化を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。