ものづくり補助金平成30年度製造業奈良県

高精度な人間工学に基づく独自の知的財産技術を用いた新商品開発

高井辰株式会社

この事例のポイント

  • 安価な海外商品が台頭し、国内市場の8割を超える割合を占めるなど、市場の伸びが止まった状態が続いている。
  • 当社のノウハウと編み機メーカーのノウハウを組み入れ、カスタマイズしたオリジナル編み機を開発した。
  • 自由な操作性をもつ編み機の完成により、人間工学に基づく立体的な編み立て靴下の開発が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名高井辰株式会社
所在地奈良県 大和高田市
業種繊維工業
技術分野デザイン,立体造形
設立1935年

事業の背景

当社は昭和10年の創業以来、品質にこだわったものづくりを続け、紳士・婦人靴下を中心に企画・製造・販売を行っている。安価を武器にする海外商品が国内市場の8割を超える割合を占め、市場は止まった状態が続いている。その中で、他社に真似のできない付加価値の高いオリジナル商品の存在価値が拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信安価な海外商品が台頭し、国内市場の8割を超える割合を占めるなど、市場の伸びが止まった状態が続いている。
  • 新製品・新技術他社に真似できない付加価値の高いオリジナル商品の開発が急務となっていた。
  • 生産能力既存設備では編み立ての動きが制約され、新商品の開発ができなかった。

やったこと

当社のノウハウと編み機メーカーのノウハウを組み入れ、カスタマイズしたオリジナル編み機を開発した。この編み機にコンピュータ制御を組み込み、蓄積してきた実用新案や特許申請の技術を生かせる自由な操作性を実現した。これにより、人間工学に基づいた特徴のある立体的な編み立て靴下の開発が可能になった。編み機導入のタイミングで、人間工学に基づいた左右立体構造の靴下の製作にも取り組んだ。

加工機オリジナル編み機(コンピュータ制御)

新しい製品・サービス:当社オリジナルの左右立体構造をもつビジネスパイル靴下と、スポーツと健康を融合させた人間工学に沿った日常使用のスポーツ健康靴下。

事業の効果

自由な操作性をもつ編み機の完成により、人間工学に基づく立体的な編み立て靴下の開発が可能になった。新商品によりOEMの新規顧客獲得につながり、売上向上に大きく貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の品質へのこだわりや靴下の企画・製造・販売の事業が述べられ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外安価品の国内シェアが8割超と示され、匠の技術や独自の人間工学靴下など自社の強みと市場環境の対比が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    他に類を見ない商品開発が急務とされ課題認識はあるが、高付加価値化の成果を裏付ける数値目標は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    編み機開発やノウハウの組み入れがうかがえるが、人材や事務処理体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    人間工学に基づくつま先にそった靴下、ビジネスパイルとスポーツ健康の具体的な製品像と顧客像が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    ECサイト立ち上げやOEM増加の方向性はあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    海外安価品が国内の8割超を占める中、人間工学に基づく高付加価値靴下で高価格帯を狙う点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内靴下市場の低迷は触れられるが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は述べられていない。

  • 費用対効果2

    新規OEM顧客獲得や売上向上への貢献がうかがえるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    オリジナル編み機のコンピュータ制御と特許技術の活用が書かれ、技術面の新しさはうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外品に対する高付加価値商品への転換という方向性がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    奈良県大和高田市の企業で、和紙や竹など日本の素材を活かす点は書かれているが、地域経済の牽引に関する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

オリジナルブランド「Legacess(レガセス)」のECサイトを立ち上げ、ブランディングを強化してエンドユーザーへのアプローチを行う。あわせてロイヤルティ向上によるOEMの発注増を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。