ものづくり補助金平成30年度情報通信業鳥取県

放送運用業務を代行する画期的なリモート放送サービス

株式会社サテライトコミュニケーションズネットワーク

この事例のポイント

  • 全国に点在する放送局がそれぞれ大掛かりな放送送出機器を設置しオフラインで運用しており、災害時も被災地の放送局に出社して待機することを強いられていた。
  • 全国に点在する放送局の放送運用業務を当社が代行する「リモート放送サービス」を開発した。
  • 自治体CATVなどは放送運用の労力を減らしつつ速報性の高い情報提供を実現でき、インターネットやスマートフォンを持たない高齢者や情報弱者にもテレビを通じて地域防災情報を伝達できる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サテライトコミュニケーションズネットワーク
所在地鳥取県 米子市
業種情報サービス業
従業員数29人
資本金1億円
設立1993年

事業の背景

株式会社サテライトコミュニケーションズネットワークは、映像コンテンツで地域と地域をネットワークし、地域情報発信や地域コンテンツ流通を促進する事業を展開している。既存事業では全国のCATV120局以上にサービスを提供している。自治体CATVなどでは、番組撮影・編集、編成や放送送出、技術保守を担当する職員の負担と、多額の放送機器更新費用が課題になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力全国に点在する放送局がそれぞれ大掛かりな放送送出機器を設置しオフラインで運用しており、災害時も被災地の放送局に出社して待機することを強いられていた。
  • 人手・技能放送送出機器の保守に対応できる技術スタッフを各局で確保しなければならない負担があった。
  • 人手・技能地震や気象警報などの緊急情報を放送に反映させるには人手を介する必要があり、放送局スタッフの負担が大きかった。

やったこと

全国に点在する放送局の放送運用業務を当社が代行する「リモート放送サービス」を開発した。番組や映像を編成してIP経由で伝送し、放送局から送出する「リモート放送システム」を構築した。さらに、地震や気象警報などの緊急情報を番組に自動で合成表示する「リモート放送自動レイアウト」を開発した。これにより、緊急情報は自動表示されるほか、放送局スタッフがインターネット経由で入力する方法、当社が放送局に代わって入力する方法を取れるようにした。

新しい製品・サービス:放送局の放送運用業務を代行するリモート放送サービス(リモート放送システムとリモート放送自動レイアウトによる緊急情報の自動表示)

事業の効果

自治体CATVなどは放送運用の労力を減らしつつ速報性の高い情報提供を実現でき、インターネットやスマートフォンを持たない高齢者や情報弱者にもテレビを通じて地域防災情報を伝達できる。高齢化率の高い中山間地の自治体CATVにとっては防災情報伝達の手段となる。運用を集約した拠点から配信するため、当社の運用効率と売上の向上、新規雇用の創出も見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決自治体CATVの番組撮影・編集・送出・保守の負担や機器更新費用という課題を挙げ、放送モデル3件/年・一般モデル4件/年の導入計画を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け災害時の緊急情報を放送局スタッフの待機なしに自動表示する点や、自治体CATVの高齢者へのテレビ防災情報提供というニーズが示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値放送業務を代行する遠隔放送という、誰も実施していない独創性のあるサービスだと述べられており、既存の放送局運用とは異なる分野である。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋2020年の展示会出展や業界紙広告、自治体への予算化提案は触れられているが、中長期の検証や遂行スケジュールは書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の全国120局以上のCATV向けサービスとコミネットを土台に、リモート放送を新事業として位置づけている。過去の取組との関係は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自治体CATVの放送機器更新費用や運用負担という課題と、映像センターの技術・運用スタッフという強みに触れている。競争優位の根拠は書かれているが、市場データは示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    自治体CATVの番組撮影・編集・送出・保守の負担や機器更新費用という課題を挙げ、放送モデル3件/年・一般モデル4件/年の導入計画を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    放送モデル3件/年、一般モデル4件/年の導入計画はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    運用スタッフと技術スタッフを配置した映像センターを有すると書かれているが、人数や体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    災害時の緊急情報を放送局スタッフの待機なしに自動表示する点や、自治体CATVの高齢者へのテレビ防災情報提供というニーズが示されている。

  • 事業化までの道筋2

    2020年の展示会出展や業界紙広告、自治体への予算化提案は触れられているが、中長期の検証や遂行スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    放送業務を代行する遠隔放送という、誰も実施していない独創性のあるサービスだと述べられており、既存の放送局運用とは異なる分野である。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    防災情報の速報性向上や中山間地の高齢者への情報伝達という社会的意義が示されているが、経済波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    放送機器更新費用やスタッフ負担の軽減が述べられているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IP経由の遠隔送出と緊急情報の自動レイアウト表示で、自治体CATVの放送運用を集約するという新しいビジネスモデルが示されている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    中山間地の自治体CATVにおける防災情報伝達という地域課題への貢献が述べられているが、地域経済や雇用への効果は具体的でない。

今後の展望

放送モデルと一般モデルの2種類のサービスを提供する計画で、今後は放送モデル3件/年、一般モデル4件/年の導入を計画している。2020年7月から8月にオンライン展示会に出展し、業界紙3誌で広告宣伝を行った。現在はCATV事業者を中心に販売活動を行い、自治体には来年度の予算化に向けた提案を行っている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。