ものづくり補助金平成30年度製造業島根県

急速冷凍による、のどぐろ等の地魚の高付加価値の製品開発と大都市への販売促進

有限会社みなと水産

成果凍結時間 360分→30分

この事例のポイント

  • 一般消費者への販売を広げたいが、オンラインでの販売手段がなかった。
  • マイナス40度のアルコールで超急速凍結できる急速冷凍機SR-500を導入し、仕入れた魚を下処理した後に真空包装機V-930DLで真空パックにしてから急速凍結した。
  • 凍結時間 360分→30分。急速冷凍により魚をフレッシュな状態で保存できるようになり、品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社みなと水産
所在地島根県 浜田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数30人
資本金3,500万円
設立1982年

事業の背景

島根県はかれい塩干品の生産量が全国1位で、同社は浜田市で1982年に創業した水産加工会社である。取引先は関西や関東の主要市場、各地の問屋、スーパーなどの小売店で、需要に応じて数尾や数十単位から受注している。新型コロナウイルス感染症の拡大で飲食業界や観光業界が打撃を受け、同社も一時は月単位で前年度比2,000万円落ち込んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信一般消費者への販売を広げたいが、オンラインでの販売手段がなかった。
  • 生産能力大量に仕入れた魚を短時間で加工・冷凍する手段が乏しく、年間を通じた安定供給が難しかった。
  • 品質・精度従来の冷凍庫では完全に凍結するまで6〜7時間かかり、魚の鮮度を保てなかった。

やったこと

マイナス40度のアルコールで超急速凍結できる急速冷凍機SR-500を導入し、仕入れた魚を下処理した後に真空包装機V-930DLで真空パックにしてから急速凍結した。凍結に要する時間は従来の6〜7時間から30分程度に短縮された。これにより1ロット200〜300キロ、1日最高1.5トン程度の魚を処理できるようになった。2020年末にはホームページを開設してオンラインショップを立ち上げ、のどぐろの詰め合わせや一夜干しの詰め合わせ、浜田港ブランドの「どんちっちあじ」セットなどを販売し始めた。

  • その他真空包装機 V-930DL急速冷凍機 SR-500

新しい製品・サービス:のどぐろの詰め合わせ、一夜干しの詰め合わせ、「どんちっちあじ」セットなどの高付加価値商品

事業の効果

  • 凍結時間 360分→30分
  • 1ロット200〜300キロ、1日で最高1.5トン程度の魚を処理できるようになった

急速冷凍により魚をフレッシュな状態で保存できるようになり、品質が向上した。大量に仕入れた時も短時間で加工できるため、年間を通じて顧客に供給できるようになった。急速冷凍した魚は刺身としても提供でき、旅館や外食産業で好評を得ている。オンラインショップの開設により一般消費者への販路も広がりつつある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決コロナで月単位で前年度比2,000万円落ち込んだ課題に対し、急速冷凍機で供給量拡大と販路拡大に取り組んだと具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けスーパー・旅館・外食などの顧客ターゲットと、刺身でも食べられる品質向上という選ばれる理由が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性1982年創業で多魚種を扱う点は読めるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性までは書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    1982年創業で多魚種を扱う点は読めるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性までは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ライン体制の大手と違い数尾・数十単位から受注し、バイヤーの声に細かく対応する強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    コロナで月単位で前年度比2,000万円落ち込んだ課題に対し、急速冷凍機で供給量拡大と販路拡大に取り組んだと具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    1日最高1.5トン処理や凍結30分は書かれるが、付加価値や賃上げの目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制2

    30名規模の会社で営業部長の関与は読めるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スーパー・旅館・外食などの顧客ターゲットと、刺身でも食べられる品質向上という選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は総菜会社や外食、医療食へ力を入れる考えと書かれるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    のどぐろの大都市販売を狙う点はうかがえるが、高水準の高付加価値化や市場の希少性を示す記述は薄い。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    浜田の干しかれいという地域特産を扱う点はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は書かれていない。

  • 費用対効果3

    真空包装機と急速冷凍機の導入で保存期間と処理量が改善したと読めるが、投入額に対する費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    浜田港ブランドや浜田の干しかれいを扱い地域の特性を活かす点は読めるが、地域成長を牽引する記述は薄い。

今後の展望

今後は総菜会社や外食産業、医療食などへの販路拡大に力を入れていく考えである。

事業者の声

高付加価値商品を安定して供給することで、さらなる販路拡大を狙いたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。