ものづくり補助金平成30年度製造業岡山県

逆転の発想で、学生服に今までにない機能性を強固に施す生産プロセスの革新

株式会社晃立

成果従来は部分縫製後に機能加工し最終縫製する必要があったが、真空加工では最終縫製後に機能加工するため縫製工程が1度で済む

この事例のポイント

  • 従来の薬品を衣類に噴霧し圧力を加える機能加工では、ファスナーや肩パッドなどの付属品が破損するなど用途が限定されていた。
  • プリーツ加工で使う真空加工を応用し、学生服に機能性のある薬品の粒子を繊維の奥深くまで浸透させる技術を開発した。
  • 従来は部分縫製後に機能加工し最終縫製する必要があったが、真空加工では最終縫製後に機能加工するため縫製工程が1度で済む。真空加工による機能加工で、学生服に洗濯耐久性や撥水性などの機能を付与できるようになり、薬品が繊維の奥深くまで浸透する。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社晃立
所在地岡山県 岡山県倉敷市
業種繊維工業
技術分野表面処理
従業員数130人
資本金1,200万円
設立1965年

事業の背景

晃立は1965年に学生服のプリーツ加工会社として設立され、女子スカートを年間約70万着加工しており、この規模を加工する会社は他にないという。学生服やジーンズなどのカジュアル衣料を生産し、学生服メーカーや東京の商社・メーカーに納めている。学生服市場は出生数の減少により数量が年々減っている一方、カジュアル衣料では保温などの機能性製品が発売され、保護者から機能性を求める声が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の薬品を衣類に噴霧し圧力を加える機能加工では、ファスナーや肩パッドなどの付属品が破損するなど用途が限定されていた。
  • 生産能力部分縫製したものに機能加工を行い、その後に最終縫製を行う必要があり、工程が複数回になって生産性が低かった。
  • 集客・繁閑学生服市場は少子化により数量が年々減少しており、付加価値の高い製品が求められていた。

やったこと

プリーツ加工で使う真空加工を応用し、学生服に機能性のある薬品の粒子を繊維の奥深くまで浸透させる技術を開発した。2019年に学生服を生産する小川工場に真空加工機を導入し、生産体制を構築した。真空と高温の工程を繰り返すことで薬品の粒子が繊維に浸透する。最終縫製した製品に機能加工を行えるため、縫製工程が1度で済む。

新しい製品・サービス:学生服に洗濯耐久性や撥水性などの機能性を付与した製品

事業の効果

  • 従来は部分縫製後に機能加工し最終縫製する必要があったが、真空加工では最終縫製後に機能加工するため縫製工程が1度で済む

真空加工による機能加工で、学生服に洗濯耐久性や撥水性などの機能を付与できるようになり、薬品が繊維の奥深くまで浸透する。最終縫製後に機能加工できるため縫製工程が1度で済み、生産性が向上する。付加価値の高い学生服を製品化し、少子化で縮小する学生服市場への対応を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.6 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1965年創業のプリーツ加工を祖業とし、真空加工の応用で機能性加工へ展開する一貫性が文章から読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性少子化で学生服数量が減る中、保温など機能性を求める保護者の声を捉え、真空加工で繊維奥深くに薬品を浸透させる独自性を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け従来の圧力加工の限界を示し、最終縫製後に機能加工できる工程短縮という選ばれる理由を具体的に整理している。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    1965年創業のプリーツ加工を祖業とし、真空加工の応用で機能性加工へ展開する一貫性が文章から読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    少子化で学生服数量が減る中、保温など機能性を求める保護者の声を捉え、真空加工で繊維奥深くに薬品を浸透させる独自性を示している。

  • 課題の認識と解決3

    学生服市場の数量減少という課題を認識し、付加価値の高い製品化へ方針転換する計画が示されている。

事業の実現可能性3.3
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    創業以来のプリーツ加工の実績と年間約70万着の加工規模、従業員約130人の体制が記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    従来の圧力加工の限界を示し、最終縫製後に機能加工できる工程短縮という選ばれる理由を具体的に整理している。

  • 事業化までの道筋3

    学生服メーカーへ提案中という現状と、今後の製品化方針は示されているが、具体的スケジュールは乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の薬品噴霧・圧力加工と異なる真空加工による機能性加工で、学生服の高付加価値化を図る点が明確である。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用4

    地場企業が繊維産業を支え雇用を創出してきたことや、倉敷の雇用の場としての役割が示され、地域波及効果が読み取れる。

  • 費用対効果3

    真空加工により工程が1度で済み生産性が向上すると記載され、費用対効果の方向性は示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    既存のプリーツ加工用真空技術を応用して新たな機能性加工を開発し、業界の生産プロセスを革新する点が示されている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    倉敷市と観音寺市で生産拠点を持ち、地域の繊維産業を支え雇用を創出してきた地場企業として地域経済に貢献している。

今後の展望

学生服メーカーに提案している状況で、今後も学生服市場の減少が見込まれる中、付加価値の高い学生服を製品化していく方針。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。