ものづくり補助金平成30年度製造業岡山県

生産性4倍と人の張り付き1/100を実現する樹脂部品の高精度大量生産プロセス改革

株式会社ケイプラビジョン

成果生産性は4倍向上した。

この事例のポイント

  • 樹脂を旋盤で切削すると切粉が長い紐状になり、加工中に加工物に絡むという問題があった。
  • 2020年に主軸台移動形のCNC旋盤を導入し、生産の自動化と生産性の向上を図った。
  • 生産性は4倍向上した。主軸台移動形のCNC旋盤の導入により、切粉の絡みが解消され、切削工具の振動で切粉が短く切れるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ケイプラビジョン
所在地岡山県 岡山県倉敷市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野精密加工
従業員数13人
資本金300万円
設立2001年

事業の背景

2001年に唐井利昌社長が有限会社ケイ・テクノを設立し、2003年に樹脂の切削加工を始めた。樹脂部品の仕事量は徐々に増え、現在は中核事業に育っている。主要顧客の半導体製造装置の市場は年々拡大している。新型コロナウイルス感染拡大後は巣ごもりやリモートワークにより需要が急拡大し、半導体不足から自動車などが減産を強いられた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力樹脂を旋盤で切削すると切粉が長い紐状になり、加工中に加工物に絡むという問題があった。
  • 生産能力切削工具の交換によるロスタイムが生じ、生産性を高める必要があった。
  • 人手・技能切粉の処理のため社員が常時監視する必要があり、人の張り付きが生じていた。
  • 人手・技能バリを社員が手作業で取り除いており、作業に人手がかかっていた。

やったこと

2020年に主軸台移動形のCNC旋盤を導入し、生産の自動化と生産性の向上を図った。切削工具を振動させることで切粉を短く切り、切粉の絡みを解決した。旋盤は表面の加工と同時に裏面の加工ができ、従来機と比べて加工時間は半分になる。主軸台移動機能により切削工具を交換するロスタイムを短縮し、加工時間を短くした。社員が常時監視する必要がなくなり、24時間稼働も可能になった。

加工機主軸台移動形のCNC旋盤

事業の効果

  • 生産性は4倍向上した。
  • 加工時間 100%→50%
  • 人の張り付き 100%→1%

主軸台移動形のCNC旋盤の導入により、切粉の絡みが解消され、切削工具の振動で切粉が短く切れるようになった。表面と裏面を同時に加工でき、工具交換のロスタイムも減ったことで、生産性は4倍に向上した。社員の張り付きが大幅に減り、24時間稼働も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    2001年設立から樹脂切削加工を事業の中核に育てた経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    半導体製造装置の世界販売額が2022年に1000億ドル以上と予測され、2020年の712億ドルから約40%増の見通しと書かれ、市場環境は読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    切粉が加工物に絡む課題を主軸移動型CNC旋盤で解決し、加工時間半減・生産性4倍と具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性4倍、加工時間は半分になるなど数値目標に近い成果が書かれているが、賃上げや付加価値額の目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    社員13人のうち製造現場の体制は書かれるが、補助事業を遂行する事務処理能力や専門人材の確保については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は半導体製造装置などで、製品は機能性樹脂部品と書かれ、顧客の評価として丁寧で仕上がりがきれいと説明されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の24時間稼働やバリ取りの手作業など現状は書かれるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    樹脂の切削加工は金属にはない切粉問題があると書かれ、一般的な普及度より加工技術の特徴が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    半導体需要の拡大や自動車の減産といった産業上の影響は書かれるが、雇用創出や波及効果の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果2

    導入費用や補助額が書かれておらず、費用対効果は生産性4倍という結果以外に判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    切削工具の振動で切粉を短くする技術は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    半導体製造装置の市場拡大への対応とは読めるが、構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    岡山県倉敷市に本社とサテライトファクトリーを置き、東は関東から西は九州まで顧客がいると書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体業界の国際団体SEMIは、2022年の半導体製造装置の世界販売額が1000億ドル(約11兆円)以上になると予測しており、2020年の712億ドルから約40%増える見通しだ。

事業者の声

24時間稼働することも可能になった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。