ものづくり補助金平成30年度製造業山口県

小ロット段ボール印刷に特化した特殊印刷市場の開拓

中村印刷株式会社

この事例のポイント

  • ペーパーレス化や価格競争の激化で将来への不安があり、他社との差別化を図る必要があった。
  • 東京で開催された機械展で、段ボールに直接印刷できる高速フルカラー印刷機を知り、導入を決めた。
  • 果樹園や結婚式場などから多くの引き合いが寄せられた。

事業者のプロフィール

事業者名中村印刷株式会社
所在地山口県 光市
業種印刷・同関連業
技術分野デザイン
従業員数20人
資本金500万円
設立1948年

事業の背景

光市内で最も老舗の印刷会社として、大手企業や地元中小企業、病院、学校、市役所などから受注し、安定した経営を続けてきた。品質向上と適正な利益の追求を経営方針として一定の成果を上げてきた。一方で、ペーパーレス化や価格競争の激化から将来への不安を抱えていた。グループ会社の親和紙器株式会社では段ボール箱を製造しており、これと関連づけたビジネスを模索していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信ペーパーレス化や価格競争の激化で将来への不安があり、他社との差別化を図る必要があった。
  • コスト・採算従来の段ボール印刷は版を作る必要があるため、小ロットではコストが高くなっていた。
  • 新製品・新技術グループ会社の段ボール箱製造と関連づけたビジネスが展開できていなかった。

やったこと

東京で開催された機械展で、段ボールに直接印刷できる高速フルカラー印刷機を知り、導入を決めた。導入したのは中四国初となるドイツXANTE社製の段ボール専用大型インクジェット機である。厚さ15mm以下の段ボールに直接、高速でフルカラー印刷ができる。版を作る必要がないため、300枚以下の小ロットに適しており、小規模店や農家など個々のニーズに合わせたオリジナルデザインの段ボールを制作できるようになった。

  • 加工機XANTE社製 段ボール専用大型インクジェット印刷機

新しい製品・サービス:段ボールに直接フルカラー印刷できる、小ロット対応の特殊印刷(デザイン×段ボール)

事業の効果

果樹園や結婚式場などから多くの引き合いが寄せられた。軽くて持ち運びが簡単なことから、企業から実物の代わりの展示用模型として利用できないかという問い合わせもあった。以前は決まった顧客を回っていたが、県内の果樹園などへの新規開拓営業の動機づけにもなった。社員の知識とモチベーションが向上し、提案型の営業ができるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性段ボールへの高速フルカラー印刷は中四国初導入で、従来のフレキソ単色印刷に対し小ロット対応という差別化を明確にしている。
  • 4
    事業を進める体制グループ会社や提携先との連携、既に始めているDM・訪問営業・ネット営業など、遂行体制の具体的な動きが書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け果樹園や結婚式場から引き合いが多数寄せられ、300枚以下の小ロットに適する点や生産者の思いを伝える箱という価値が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの具体的な目標値が事例中に示されておらず、実現可能性の定量的根拠が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    老舗印刷会社として段ボール箱製造のグループ会社と関連づけたビジネスを模索しており、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    段ボールへの高速フルカラー印刷は中四国初導入で、従来のフレキソ単色印刷に対し小ロット対応という差別化を明確にしている。

  • 課題の認識と解決3

    ペーパーレス化や価格競争による将来不安を課題として認識し、小ロット特殊印刷市場の開拓で解決を図る計画になっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの具体的な目標値が事例中に示されておらず、実現可能性の定量的根拠が薄い。

  • 事業を進める体制4

    グループ会社や提携先との連携、既に始めているDM・訪問営業・ネット営業など、遂行体制の具体的な動きが書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    果樹園や結婚式場から引き合いが多数寄せられ、300枚以下の小ロットに適する点や生産者の思いを伝える箱という価値が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    前回不採択を受けて既に営業を開始し、今後はネット宣伝や全国展開、撮影所設置へ段階的に進める計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    段ボールのフルカラー直接印刷は一般に普及しておらず、中四国初導入という新規性と小ロットの特殊印刷分野を開拓している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地元の果樹園や小規模店、農家への新規開拓により地域の事業者の販路や他印刷物の受注増が期待でき、地域的な波及が読み取れる。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値額の増加や生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル段ボール印刷機の導入により、小ロットで個々のニーズに沿ったオリジナルデザインを実現する新しい事業モデルを示している。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    ペーパーレス化への対応として新市場を開拓する方向性は触れられているが、日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及3

    光市の老舗印刷会社が地元の果樹園や地域の事業者へ営業を広げ、地域の企業との関わりを活かした事業となっている。

今後の展望

今後はインターネットによる宣伝活動に力を入れ、全国に販路を拡大していく。事業再構築補助金を活用して本格的な撮影所を設置し、商品撮影や結婚式・七五三のアルバム、ポスター撮りなどを自社で行えるようにする予定である。

事業者の声

「夢」があるからこそ企業は成長します。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。