ものづくり補助金平成30年度製造業山口県

生産性・品質向上によるこんにゃくの需要拡大を目的としたパラレルロボットケーサーの導入

錦町農産加工株式会社

成果箱詰め速度 32個/分→64個/分

この事例のポイント

  • 従来機種は製品10個を一度にロボットアームで吸着してダンボールに落とす仕組みで、きれいに並べられず個数が不足することがあり、精度に課題があった。
  • 箱詰め工程に、高速かつ高精度な位置決め動作が可能なパラレルリンク機構のロボットケーサー(ケーサー PRKgS1)を導入し、自社の仕様に合わせてカスタマイズした。
  • 箱詰め速度 32個/分→64個/分。箱詰めの効率と正確性が大きく向上し、生産量は2倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名錦町農産加工株式会社
所在地山口県 岩国市
業種食料品製造業
技術分野機械制御
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

明治創業のこんにゃくメーカーで、年間およそ1,000万個、100種類以上のこんにゃく製品を製造している。国内のこんにゃく消費全体は減少傾向にあるが、糸こんにゃくは鍋つゆの販売が増加しており、新規取引先からの声も高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来機種は製品10個を一度にロボットアームで吸着してダンボールに落とす仕組みで、きれいに並べられず個数が不足することがあり、精度に課題があった。
  • 生産能力多品種・小ロット・短納期に対応するため必要数を容器に移してから手詰めしており、個数や商品間違いのクレームにつながる可能性が高く、安定した生産体制が求められていた。

やったこと

箱詰め工程に、高速かつ高精度な位置決め動作が可能なパラレルリンク機構のロボットケーサー(ケーサー PRKgS1)を導入し、自社の仕様に合わせてカスタマイズした。ロボットアームが糸こんにゃく1個ずつを吸着してダンボールに整列させ、ボタン一つで向き・位置・高さの配列を設定できるため、従来機種では対応できなかった様々なパターンの箱詰めに対応できるようになった。あわせて日付検査システム(SS102)を導入し、画像センサで賞味期限の表示の有無や包装状態のミスを検査できるようにした。

事業の効果

  • 箱詰め速度 32個/分→64個/分

箱詰めの効率と正確性が大きく向上し、生産量は2倍になった。小ロットや短納期を求める取引先に応えられる受注体制が整った。見た目が良くなったことで量販店など新規の取り扱いの可能性も高まった。夏場の中腰での手直し作業の負担が減り作業環境が改善し、適正な人員配置によってコスト削減にもつながった。品質向上により海外輸出の足がかりも得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標1分間32個から64個へ生産量が2倍になったと数字で示されており、目標値と結果が明確に読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性多品種・小ロット・短納期への顧客要望の増加と、海外輸出や新規量販店取引の見込みが書かれており、市場動向と自社の対応が読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決箱詰めの精度不足や手詰め作業によるクレームリスクという課題が明示され、導入により解消したと書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員35名、常務取締役の名前が出てくるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1994年の本社工場新築や「寂地次ブランド」立ち上げなど過去の取組はあるが、箱詰め装置導入の経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種・小ロット・短納期への顧客要望の増加と、海外輸出や新規量販店取引の見込みが書かれており、市場動向と自社の対応が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    箱詰めの精度不足や手詰め作業によるクレームリスクという課題が明示され、導入により解消したと書かれている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1分間32個から64個へ生産量が2倍になったと数字で示されており、目標値と結果が明確に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員35名、常務取締役の名前が出てくるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客からの多品種・小ロット・短納期の要望と、年間約1,000万個・100種類以上の製品規模が示され、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として国内外の販路拡大が述べられているが、導入機械の遂行スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    従来機種では対応できなかった箱詰めパターンへの対応が書かれているが、ジャンルの普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    海外販路の開拓や新規取引先の獲得が述べられており、地域経済への波及は直接は書かれていない。

  • 費用対効果4

    箱詰め機の導入で生産量が2倍になり、適正な人員配置によるコスト削減にもつながったと具体的な効果が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    画像センサによる賞味期限の読み取りやロボットアームの導入が示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの言及は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岩国市錦町の地下天然水を使用する地域資源の活用が書かれているが、地域の雇用や経済成長への牽引は具体的に書かれていない。

今後の展望

国内では鍋用や個食タイプの糸こんにゃく、粒状にして味付けしたリゾットなど時代のニーズに合った製品を提案し、需要拡大を図る。海外では、イギリスでネット販売を行っており、インド市場では「ヘルシーな麺」として提案していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。