ものづくり補助金平成30年度建設業山口県

社会インフラの安心安全の為のグラウトアンカー用マンションの生産プロセスの構築

株式会社カワテツ

成果稼働時間 8時間→20時間

この事例のポイント

  • 社会インフラの補強工事に使うアンカー部品の需要が増えているが、30年前に導入した加工機は加工エリアが小さい。
  • 同社仕様にカスタマイズされた最新鋭のCNC高速加工旋盤を導入し、従来機の旧設備から入れ替えた。
  • 稼働時間 8時間→20時間。無人化と省力化により、夜間の人員削減と慢性的な人手不足への対策が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カワテツ
所在地山口県 山口市
業種総合工事業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1969年

事業の背景

同社は1969年創業の金属加工会社で、汎用旋盤、NC旋盤、フライス加工を得意とし、ロボット溶接や溶射、防食・防錆塗装まで一貫して製作している。20年前から機械化・自動化を計画的に進めてきた。社会インフラのメンテナンス市場は国内で約5兆円、世界では約200兆円とされ、道路・橋・トンネルの長寿命化や災害復旧の需要が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力社会インフラの補強工事に使うアンカー部品の需要が増えているが、30年前に導入した加工機は加工エリアが小さい。
  • 生産能力加工エリアに入らない分は単体機で1本ずつ加工しており、手間がかかっていた。
  • コスト・採算専用機ではなく複合加工機を使っていたため、加工時間のロスが発生していた。

やったこと

同社仕様にカスタマイズされた最新鋭のCNC高速加工旋盤を導入し、従来機の旧設備から入れ替えた。従来と同じメーカーのため従来のプログラムがそのまま使え、立ち上げの労力が少ない。複合加工機能を持たないため制御システムの処理が速く、誰でも使えるシンプルな操作性で段取りもしやすい。加工エリアが大きくなったことで、従来ラインに乗せていなかった約500〜700mm長の部品も加工できるようになった。全工程を自動化して稼働時間を8時間から20時間に増やし、夜間の人員削減と人手不足対策につなげた。

事業の効果

  • 稼働時間 8時間→20時間
  • アイドルタイム(1ロット40個) 8日→2日

無人化と省力化により、夜間の人員削減と慢性的な人手不足への対策が進んだ。1ロット40個の生産アイドルタイムは8日から2日に短縮され、工場全体の効率と納期が改善した。既存設備に比べて各種能力が10〜20%向上し、加工時間は約15%短縮された。旋盤の前加工が不要になり工程数が減ったことで、技術者や作業者の負担も軽くなり、高速・高精度の加工も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性社会インフラ補修の需要増と自社の金属加工強みを踏まえ、他社が手がけない技術で強みを高める方針が明確。
  • 4
    課題の認識と解決加工エリア不足や複合機による時間ロスを課題として特定し、CNC高速旋盤で加工時間約15%、アイドルタイム8日から2日へ短縮する効果を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標各種能力10〜20%向上、稼働時間を8時間から20時間へ拡大など、具体的な数値目標と見込みが示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献高速加工旋盤の導入は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの波及は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    30年前の加工機の限界を背景に、20年前から機械化・自動化を計画的に推進してきた経緯との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    社会インフラ補修の需要増と自社の金属加工強みを踏まえ、他社が手がけない技術で強みを高める方針が明確。

  • 課題の認識と解決4

    加工エリア不足や複合機による時間ロスを課題として特定し、CNC高速旋盤で加工時間約15%、アイドルタイム8日から2日へ短縮する効果を示している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    各種能力10〜20%向上、稼働時間を8時間から20時間へ拡大など、具体的な数値目標と見込みが示されている。

  • 事業を進める体制3

    販売代理店や専門家の書類作成サポートを受けた体制が示され、誰でも扱えるシンプルな操作性で運用体制も確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    社会インフラの長寿命化・災害復旧需要と海外納入先からの10%超の供給要求を背景に、顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    熟練工の高齢化や多品種小ロット対応の今後の課題を挙げ、次の自動化体制の方向性を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    社会インフラ補強向けのグラウトアンカー部品を、同社仕様のカスタマイズ加工機で高品質・短納期に製作する点が特徴。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    社会インフラの老朽化対策や災害復旧に資する部品供給で、国の補助対象としての公共性が明確。

  • 費用対効果3

    加工時間の短縮や工程削減、夜間人員削減などの効果が示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    高速加工旋盤の導入は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの波及は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    社会インフラのメンテナンス市場の成長に触れるが、日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及2

    地域の企業として雇用や地域経済への波及効果は示されず、地域特性を活かした記述は弱い。

今後の展望

今後は多様化するニーズに応えるため、多品種小ロットの加工品も自動化できる体制を整えていく考えである。海外展開も目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。