ものづくり補助金平成30年度生活関連サービス業、娯楽業山口県

山口県初インバウンド需要も見込める知育と健康がテーマの遊び場事業

株式会社山田事務所

この事例のポイント

  • 主要客層が高齢化しており、顧客層の若返りが課題だった。
  • 都市圏での市場調査をもとに、顧客が関心をもつ「知育と健康」のテーマに沿った遊具を選定した。
  • プレオープンでは親子20組の枠に県内外から400組の応募があり、オープン後2カ月は予約客で埋まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山田事務所
所在地山口県 下松市
業種娯楽業
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1921年

事業の背景

「くだまつ健康パーク」は30年以上にわたって親しまれてきた県内最大規模の複合レジャー施設で、温泉や岩盤浴などのリフレッシュメニューを中心に、夏はプール、冬はスケートを備えている。3世代で利用できることが強みである。少子高齢化を背景に、祖父母が孫のために支出する金額は増えている。同社は健康をテーマとするレジャー施設を近距離で4つ運営しており、2017年度の年間来場者数合計は350,726人であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑主要客層が高齢化しており、顧客層の若返りが課題だった。
  • 販路・情報発信県内に3世代で楽しめる屋内有料遊び場がほとんどないなか、乳幼児をもつ家族向けの新たな顧客層を開拓する必要があった。

やったこと

都市圏での市場調査をもとに、顧客が関心をもつ「知育と健康」のテーマに沿った遊具を選定した。限られたスペース内で体を大きく使う遊びや手先を器用に使う遊びを実現できる最先端の遊具を、補助金を活用して導入した。導入したのは、タッチパネルで子どもの想像力や好奇心を引き立てる「小人が住まう黒板」、マット上で跳んだり走ったりして体幹や足腰を鍛える「エアトラック」、木とふれあい木に学ぶ「木製遊具」、安全対策の壁床クッション、ブロックモジュール、「クアドロ」、「1D 0」、「ドリームリログ」である。これらにより、乳幼児の家族連れをメインターゲットとした屋内遊び場「キッズパークCotton」を2019年12月に開設した。

  • その他小人が住まう黒板エアトラック木製遊具安全対策壁床クッションブロックモジュールクアドロ1D 0ドリームリログ

新しい製品・サービス:乳幼児の家族連れをメインターゲットとした、オールシーズン・全天候型の屋内遊び場「キッズパークCotton」

事業の効果

プレオープンでは親子20組の枠に県内外から400組の応募があり、オープン後2カ月は予約客で埋まった。2021年3月末時点で累計来場者数は22,219人、総会員数は4,360組に達し、1カ月あたり約1,800人の新規顧客を獲得している。プールや温泉との併用によるシナジー効果も生まれ、滞在時間が長くなったことで遠方からの利用者も増えた。インパクトのある遊具によりSNSでの自発的な情報発信が生まれ、広告宣伝費をかけずに顧客との心理的な距離も縮まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性30年以上親しまれた既存施設の強みと高齢化課題を踏まえ、乳幼児家族向け新サービスを既存事業の顧客層若返り戦略として位置付けている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性都市圏の市場調査に基づき知育と健康のテーマを選定し、県内に3世代で楽しめる屋内有料遊び場がほぼないという競合の少なさを活かしている。
  • 4
    課題の認識と解決主要客層の高齢化という課題を明確に認識し、新規顧客の獲得で累計来場者22,219人、月1,800人の新規顧客を得ている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献最先端遊具を導入しSNS発信を促した点はあるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    30年以上親しまれた既存施設の強みと高齢化課題を踏まえ、乳幼児家族向け新サービスを既存事業の顧客層若返り戦略として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    都市圏の市場調査に基づき知育と健康のテーマを選定し、県内に3世代で楽しめる屋内有料遊び場がほぼないという競合の少なさを活かしている。

  • 課題の認識と解決4

    主要客層の高齢化という課題を明確に認識し、新規顧客の獲得で累計来場者22,219人、月1,800人の新規顧客を得ている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていないが、新規顧客獲得の数値目標と実績が示され、実現性は読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    既存のレジャー施設を運営し、4施設の経営実績があり、事業を遂行する体制は確保されていると読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    乳幼児家族をメインターゲットに、プレオープンで親子20組枠に400組の応募があり、ニーズの裏付けが明確である。

  • 事業化までの道筋3

    今後の課題として地域講師と連携したイベントによるリピーター定着や、幼稚園・保育園向け団体プランの強化を計画している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    県内に3世代で楽しめる屋内有料遊び場がほとんどなく、最先端遊具を導入した屋内遊び場は県内で新しい取組である。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    祖父母の孫への出費増加を背景に、遠方利用者の増加やSNS発信による集客など地域外からの需要創出が見込める。

  • 費用対効果3

    開設後の累計来場者や新規顧客数が示され、投入額に対する効果の概要は読み取れるが、費用対効果の定量分析はない。

  • イノベーションへの貢献2

    最先端遊具を導入しSNS発信を促した点はあるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    山口県で県内3世代向け屋内遊び場がほぼない中、県外からの来場やインバウンド需要も見込み、地域の集客を牽引している。

今後の展望

今後は地域の講師と連携したイベントなどソフト面を充実させ、リピーターの定着を目指す。インバウンド需要はコロナで途絶えたが、幼稚園や保育園向けの団体プランの案内を強化する。また、2020年11月に大衆演劇を終了し、「キッズパークCotton」のメインターゲットである20〜30代と既存客の50代以上の間を補完する30〜40代向けの新サービスを展開して顧客層をさらに拡大する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。