ものづくり補助金平成30年度医療、福祉山口県

新機種導入によるCAD・CAM冠の高精度加工と製作時間の短縮及び経費節減

有限会社UBEデンタル・ラボ

成果製作時間 2,500時間(5,000本あたり)→1,666時間(5,000本あたり)

この事例のポイント

  • 以前は手作業による製作が中心で、より高い適合精度と時間短縮を両立できる加工技術の確立が求められていた。
  • 2014年の補助事業で、県内初となる最新式の湿式高性能加工機(ジーシー社製Aadvaハーモニー WET機)を導入し、CAD・CAM冠の加工機として従来機から切り替えた。
  • 製作時間 2,500時間(5,000本あたり)→1,666時間(5,000本あたり)。CAD・CAM冠の高精度化により装着時の安定感が向上し、患者の満足度が高まって歯科医院の評判も上がった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社UBEデンタル・ラボ
所在地山口県 宇部市
業種医療業
技術分野デザイン,精密加工,製造環境
従業員数48人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

同社は1974年創業の有限会社で、金属の表面に陶材を焼き付けた白い金属焼付ポーセレン、インプラント、チタン製義歯など多岐にわたる歯科技工物を製作してきた。とりわけチタン製かぶせ物を得意としている。医療業界ではデジタル化が急速に進み、歯科技工業界も劇的な技術転換期にある。コンポジットレジン製CAD・CAM冠の実用化と保険適用により、保険内の治療でも白い歯を選べる幅が広がった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度以前は手作業による製作が中心で、より高い適合精度と時間短縮を両立できる加工技術の確立が求められていた。
  • 生産能力CAD・CAM冠の製作時間が長く、生産性を高める必要があった。
  • コスト・採算切削バーのランニングコストが高く、コストダウンが課題だった。

やったこと

2014年の補助事業で、県内初となる最新式の湿式高性能加工機(ジーシー社製Aadvaハーモニー WET機)を導入し、CAD・CAM冠の加工機として従来機から切り替えた。従来機の切削量は最大2mmだったが、導入機は最大3mmまで切削できる。製作時間は従来機で5,000本あたり2,500時間かかっていたが、導入機では5,000本あたり1,666時間に短縮された。切削バーのランニングコストも5,000本あたり約150万円から約40万円に下がった。

  • 加工機ジーシー社製Aadvaハーモニー WET機湿式高性能加工機

事業の効果

  • 製作時間 2,500時間(5,000本あたり)→1,666時間(5,000本あたり)
  • 切削バーのランニングコスト 150万円(5,000本あたり)→40万円(5,000本あたり)
  • 切削量 2mm→3mm
  • 歯科医院1件あたりの製作依頼数 50本/年→80本/年

CAD・CAM冠の高精度化により装着時の安定感が向上し、患者の満足度が高まって歯科医院の評判も上がった。製作時間の短縮により歯科医院の満足度も向上し、製作依頼が増えて売上が伸びた。利益の増加により経営が安定し、継続的な設備投資、新規雇用、従業員の給料引き上げも可能になった。従業員の勤務時間短縮や有給休暇の取得が進み、働き方改革にも寄与した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決製作時間が2,500時間から1,666時間へ、切削バーのランニングコストが約150万円から約40万円へと課題と解決の数字が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けCAD・CAM冠の保険適用で白い歯の選択肢が広がり、製作時間短縮と適合精度向上が選ばれる理由として示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値県内初・山口県初となる最新式の湿式高性能加工機を導入したと明記され、同分野で高水準の取組であることが読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員48名の規模は示されるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記述はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業当初から歯科技工物を製作し、チタン製かぶせ物を得意分野としている点は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    CAD・CAM冠の保険適用拡大で市場規模が従来の倍と見込むとあり外部環境は触れられているが、強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    製作時間が2,500時間から1,666時間へ、切削バーのランニングコストが約150万円から約40万円へと課題と解決の数字が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間製作依頼が50本から80本に増えたと結果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は明示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員48名の規模は示されるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    CAD・CAM冠の保険適用で白い歯の選択肢が広がり、製作時間短縮と適合精度向上が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後も最先端機器を導入し、新製品の情報収集に努めるとあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    県内初・山口県初となる最新式の湿式高性能加工機を導入したと明記され、同分野で高水準の取組であることが読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    働き方改革や従業員の勤務時間短縮に寄与したとあるが、地域波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は十分に示されていない。

  • 費用対効果3

    売上アップや利益増加、新規雇用、給料引き上げへの言及はあるが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    最先端の湿式加工機の導入で製作時間を短縮し、歯科医院の評判向上や地域の歯科医療への貢献につながったとされている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    デジタル技術による歯科技工業界の転換期という背景は触れられているが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    県内で初めて導入し山口県内の歯科医院に製作を提供している点は地域性がうかがえるが、地域経済の牽引までは読み取れない。

今後の展望

CAD・CAM冠の保険適用拡大により市場規模は従来の倍に増える見込みである。本事業の取組によって競争優位が確立できれば、一層の収益アップにつながる。今後は金属も樹脂も切削可能な加工機を新たに導入する予定で、技工士不足を見据えた安定経営を図りたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。