ものづくり補助金平成30年度製造業山口県

機械化による既存商品の量産化と地元産農産物を活用した新規商品開発

この事例のポイント

  • 全て手作業のため生産能力に限界があり、大量注文を受けられないジレンマがあった。
  • 館玉・生地玉を自動計量できる最新式の包あんロボットを導入した。
  • 包あんの自動化により生産能力が大幅に向上し、大量注文にも対応できる体制が整った。

事業者のプロフィール

所在地山口県 山口市
業種食料品製造業
従業員数3人

事業の背景

明治創業の老舗和菓子店で、代々受け継いできた「温泉まんじゅう」が看板商品である。3代目から4代目への事業承継をきっかけに営業活動を強化し、イベント出店や道の駅などでの取り扱いが増えた。一方で、包あんの工程が最大のネックとなり、日持ちがしないため作り置きできず注文に対応しきれない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力全て手作業のため生産能力に限界があり、大量注文を受けられないジレンマがあった。
  • 人手・技能計量からパッケージまで全工程を手作業で行っており、後継者に事業承継しても従来の体制では大きく時間短縮することが難しかった。
  • 品質・精度手作業のため量目にバラツキが発生していた。

やったこと

館玉・生地玉を自動計量できる最新式の包あんロボットを導入した。1分間の能力は示されていないが、20分で600個のまんじゅうを製造できるようになり、生産能力が大幅に向上した。自動計量により量目のバラツキが解消された。多様な設定とオプション装置により異なる仕様の包あんにも対応でき、独自の素材送り機構によりデリケートな食材も風味を保ったまま送り出せる。優れたサニタリー性により機械内部の清掃も簡単で、衛生状態を維持できる。

新しい製品・サービス:機械導入後、「桜まんじゅう」や「栗まんじゅう」などの季節商品を展開している。また、十勝産小豆で作った自家炊きあんを用いた「幸福ぶりん」も開発し、丁寧に蒸し上げるため1日100個限定で販売している。

事業の効果

包あんの自動化により生産能力が大幅に向上し、大量注文にも対応できる体制が整った。自動計量によって量目のバラツキが解消され、消費者に安心・安全な製品を安定的に届けられるようになった。固定客に加えて新規顧客の注文にも応えられるようになり、新規商品の開発も容易になった。他の菓子事業者からOEMの依頼があるなど、新たな取引も生まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決包あん工程の手作業がネックと明示され、包あん機導入で20分600個、1分1060個の生産能力向上が数字で示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標20分600個の生産能力向上や量目バラツキ解消は具体的だが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け固定客や新規顧客の要望に応えられる体制、安心・安全な製品を安定供給できる点が書かれ、顧客像と選ばれる理由が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数3名と書かれ、申請は山口県よろづ支援拠点や中小企業診断士の支援を受けたとあるが、遂行体制の詳細は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    事業承継を契機に手作業から機械化へ転換し、看板商品「温泉まんじゅう」の量産化に取り組んだと書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    イベント出店や道の駅での取り扱い増加と、OEM依頼や新規顧客の増加が書かれているが、競争優位の根拠は具体的でない。

  • 課題の認識と解決5

    包あん工程の手作業がネックと明示され、包あん機導入で20分600個、1分1060個の生産能力向上が数字で示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    20分600個の生産能力向上や量目バラツキ解消は具体的だが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数3名と書かれ、申請は山口県よろづ支援拠点や中小企業診断士の支援を受けたとあるが、遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    固定客や新規顧客の要望に応えられる体制、安心・安全な製品を安定供給できる点が書かれ、顧客像と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後は新規取引企業の増加や年1回程度の新商品開発、新規雇用が展望として書かれているが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    十勝産小豆の自家炊きあんを使う温泉まんじゅうで、高付加価値化の記述はあるが、分野の普及度との比較は書かれていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地元産農産物を活用した新商品開発による地域活性化や新たな雇用創出への言及があるが、定量的な根拠は薄い。

  • 費用対効果3

    生産能力の大幅向上と量目バラツキ解消は読み取れるが、補助金投入額に対する付加価値増加額などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    包あんロボットによるオートメーション化は書かれているが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    山口県の地元産農産物を活用した新商品開発や地域活性化、新たな雇用創出への取組が具体的に書かれている。

今後の展望

1年に概ね2商品を目標に、地元産の農産物を活用した新規商品の開発に取り組む。地域へ波及させつつ、新しい取引企業の増加や新たな雇用の創出により事業拡大を加速させる考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。