ものづくり補助金平成30年度製造業徳島県

津波・集中豪雨等による建物への浸水を防ぐ遮水扉と試験装置の開発

有限会社酒牧製作所

この事例のポイント

  • 独自の「セギリプレート方式」による遮水性能を実証実験で検証し、さらに高めるために、自社工場内に水圧実験設備が必要だった。
  • 両開き遮水扉のついた試験水槽、架台、屋上プールからなる実験装置を設置した。
  • 実験・改良を繰り返して完成度を高め、低水圧・低浸水時の弱点を克服し、ほぼ完璧な遮水性を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社酒牧製作所
所在地徳島県 徳島市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

集中豪雨による出水や地震による津波、水害はいつ襲ってくるかわからない。建物の心臓であるポンプ室・機械室・電気設備室を守り、ビジネスを継続するため、顧客のオーダーに応えて遮水設備を開発した。独自の方式で遮水性を実現したものの、実証と向上のためには自社で水圧実験を行える設備が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術独自の「セギリプレート方式」による遮水性能を実証実験で検証し、さらに高めるために、自社工場内に水圧実験設備が必要だった。
  • 品質・精度既存の両開き遮水扉は、低水圧・低浸水時の遮水力が弱いという難点があった。

やったこと

両開き遮水扉のついた試験水槽、架台、屋上プールからなる実験装置を設置した。プールから水槽へ注水し、遮水扉からの漏水を確認する実験を行う。水槽に必要量を注水するための調整バルブと、水槽からプールへ水を戻すための水中ポンプも設けた。バルブの調整により水量や水圧を変えながら、検証と修正を繰り返した。架台には試験時の確認や見学者のための手摺付きの階段を設けた。

検査測定両開き遮水扉付き試験水槽
その他屋上プール
その他架台
その他調整バルブ
その他水中ポンプ

新しい製品・サービス:両開き遮水扉(セギリプレート方式)

事業の効果

実験・改良を繰り返して完成度を高め、低水圧・低浸水時の弱点を克服し、ほぼ完璧な遮水性を実現した。既存ドアにも後付けでき、設計施工一貫体制によりコストも低減した。すでに徳島県内の警察、病院、発電所、球場の電気室・ポンプ室に納品済みで、WEBで公開した実験の様子を見た見学希望や問い合わせも増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    50年の金属加工ノウハウと遮水扉開発の経緯は書かれているが、経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    防災需要や『ほぼ完璧な遮水性』による差別化は読み取れるが、市場規模や競合との比較の数字はない。

  • 課題の認識と解決3

    既存両開き扉の低水圧時の遮水力不足という課題と、実験改良での克服は書かれているが、高付加価値化の見通しは薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、納品実績と問い合わせ増加が示される程度。

  • 事業を進める体制3

    設計施工一貫体制と従業員5名での納品実績は書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハンドル一つで女性でも開閉可能、既存ドアへの後付け可能、警察や病院への納品済みなど、顧客と選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋2

    実験設備の設置と検証・修正の繰り返しは書かれているが、中長期スケジュールや課題解決の方法は記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    独自の『セギリプレート方式』による漏水ゼロという高水準の性能が示されるが、分野全体の普及度は書かれていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    災害時のBCP確保や防災強化型マンションへの提案に触れるが、波及効果や雇用創出の記載はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    水圧実験設備やWEB公開による問い合わせ増加はうかがえるが、デジタル技術の活用は明確でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    徳島県内の警察、病院、発電所、球場への納品という地域での実績は読み取れるが、地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

防災強化型マンションへの提案なども考えている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。