ものづくり補助金平成24年度佐賀県

社会基盤の維持管理に向けた災害対応型飛行調査ロボットの試作・開発

株式会社富士建

この事例のポイント

  • 地上からの写真撮影や測量では有効な資料が得られない場合が多い。
  • 当社が従来研究開発してきた空中撮影用飛行体(マルチローター)をベースに、高度な位置制御装置を搭載する開発を行った。
  • 飛行調査ロボットの試作により、最大4kg程度の計測装置を搭載できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社富士建
所在地佐賀県 佐賀市
業種職別工事業(設備工事業を除く)
技術分野熱処理
従業員数48人
資本金1億円

事業の背景

当社は法面保護・斜面安定工事などを高所や急斜面の現場で行っており、作業前に現地調査をすることがある。しかし地上からの写真撮影や測量では十分な資料が得られないことが多かった。社会基盤の老朽化や自然災害の増加により、調査・点検の予算は増加傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度地上からの写真撮影や測量では有効な資料が得られない場合が多い。
  • 人手・技能災害現場では再崩壊の危険があり、人が近づけない場合は実機のヘリコプターで写真撮影することもある。
  • 新製品・新技術カメラ画像による位置制御は認識距離が短く、点検業務に使うことは難しいと懸念された。

やったこと

当社が従来研究開発してきた空中撮影用飛行体(マルチローター)をベースに、高度な位置制御装置を搭載する開発を行った。当初計画していたカメラ画像による位置制御は、千葉大学の野波先生との打合せで外乱の影響が大きく最大30m程度と短いため方針を変更した。飛行体にミラーを取り付け、測量用トータルステーションで自動追尾しながら位置情報を取得し制御する方式を採用した。組込みソフトウエアはLabVIEWで開発し、制御ボードでフライトコントローラの信号にミキシングして位置制御を試みた。トータルステーションによる自動追尾までは完了したが、その情報で位置を制御する部分と測域センサーのデータによる制御は未完成で、野波先生との共同開発により完成させる予定である。

新しい製品・サービス:飛行調査ロボット(試作・開発)

事業の効果

飛行調査ロボットの試作により、最大4kg程度の計測装置を搭載できるようになった。これにより多様な計測装置を載せ、近接目視の代替として使える見込みが立った。トンネル内部や建物内部でも飛行して対象物を調査できるようになる見込みである。目視調査・点検に特化した廉価版は1セット300万円程度を目標としている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性1999年から飛行調査ロボットの開発に着手し、空中撮影用マルチローター等を基にしたとあるが、経営戦略上の位置付けは記載がない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性2

    1999年から飛行調査ロボットの開発に着手し、空中撮影用マルチローター等を基にしたとあるが、経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    社会基盤の老朽化や自然災害で調査・点検予算が増えており、先行開発で優位性を確保できるとあるが、競争環境の分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    人による調査・点検を代替する課題は示されているが、高付加価値化や成長に結びつく収益計画の記載は薄い。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上規模は1年目1,000万円、8年目2,000万円とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    千葉大学の野波先生との共同開発が予定されているが、社内の人材や事務体制についての記載は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    目視点検に特化した廉価版を1セット300万円程度とする目標があるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    位置制御の未完成部分と課題が記載され、共同開発で完成を試みる予定とあるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    現在実在しない飛行調査ロボットを先行開発するとあるが、高付加価値化や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    社会基盤の災害対応や点検の省人化という公益性は読み取れるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    最大4kgの装置搭載が可能になったとあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献3

    トータルステーションによる自動追尾と位置制御という先端技術の活用が示されているが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    インフラ点検の需要増加に触れているが、日本経済の構造転換に資する具体的な記載は少ない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

トンネル内部や建物内部を問わず飛行し対象物を調査できるようになる。社会基盤の老朽化や自然災害の増加により調査・点検の予算は増えており、今後も増える見込みである。販売開始は1年後とし、売上規模は1年目に1,000万円、8年目に2,000万円を予定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。