ものづくり補助金平成30年度建設業佐賀県

国体や空港拡張といった重要都市インフラ開発案件への効率的な高強度鉄筋の提供

株式会社塚本鐡筋(株式会社塚本鐵筋)

成果加工時間 25分→15分

この事例のポイント

  • 太径の主筋加工では品質の安定化が必要だったが、人手に依存した作業は作業員の熟練度により品質のムラやばらつきが生じていた。
  • 東陽建設工機の主筋自動曲装置TBM-41-1ASを導入し、手作業で行っていた曲げ工程を含む基礎工程と仕上げ工程をプログラム制御により自動化した。
  • 加工時間 25分→15分。加工工程の自動化により、加工時間の短縮と1日あたりの生産量の増加を実現し、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社塚本鐡筋(株式会社塚本鐵筋)
所在地佐賀県 佐賀市
業種職別工事業(設備工事業を除く)
技術分野精密加工
従業員数27人
資本金500万円
設立1934年

事業の背景

昭和9年の創業以来、3代にわたって地元の大型建造物や道路などの鉄筋工事に携わり、棒鋼などの鋼材を加工して接合・組み立てを行う鉄筋加工組立業を営んでいる。高強度・太径の主筋加工にも対応できる高い技術を持ち、新工法を積極的に取り入れて高水準の施工を実現してきた。一方で、3DCADの進展により構造物の複雑化・高品位化が進み、複雑な加工を高い精度で求められるようになっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度太径の主筋加工では品質の安定化が必要だったが、人手に依存した作業は作業員の熟練度により品質のムラやばらつきが生じていた。
  • 生産能力既存設備では鉄筋を加工できるパターンが限定されており、複雑な曲げ加工に対応できなかった。
  • 人手・技能複雑な曲げ加工は既存設備で対応できる範囲を加工した後、残りを手作業で加工しなければならなかった。
  • 納期・工程重要構造物向けの太径主筋加工では工期の短縮が必要だった。

やったこと

東陽建設工機の主筋自動曲装置TBM-41-1ASを導入し、手作業で行っていた曲げ工程を含む基礎工程と仕上げ工程をプログラム制御により自動化した。本装置はコンピューター制御でミリ単位の正確な曲げ加工ができ、高負荷な加工にも対応できる。曲げた回数を自動的にカウントするためミスの減少が見込める。基礎曲げ工程と仕上げ曲げ工程を1工程に集約でき、主筋の同時複数加工も可能で、既存設備との連携もできる適度なスペックであったことが導入の決め手となった。両アンカー形状やST形状の加工を自動化し、同一径の鉄筋であれば複数を同時に曲げ加工できるようにした。

新しい製品・サービス:太径主筋の自動曲げ加工(NC工法)

事業の効果

  • 加工時間 25分→15分
  • 1日あたりの生産量 1,000本→1,500本
  • 作業人員 2人→1人

加工工程の自動化により、加工時間の短縮と1日あたりの生産量の増加を実現し、生産性が向上した。2人で行っていた加工を1人で行えるようになり、省人化も進んだ。納期は3日短縮された。加工が熟練度に関わらず行えるようになったため、外国人労働者でも容易に作業できるようになり、外注に頼らない生産を行う目処が立った。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性複雑な曲げ加工に対応できる業者は少ないと認識し、太径主筋加工の技術と設備を強みとして受注拡大を狙う整理がある。
  • 4
    課題の認識と解決複雑加工の手作業依存による品質ムラや既存設備の加工パターン限定を課題として整理し、加工時間25分を15分に短縮する対策を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標加工時間合計25分から15分、1日の生産量1000本から1500本、納期3日短縮と具体的な目標・実績が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    成長分野への進出建設業界の人手不足の克服や都市インフラ整備への貢献に触れるが、市場成長分野への進出や構造転換との関係は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和9年創業以来3代にわたり鉄筋工事に携わり、既存の新工法導入の取組を踏まえ、NC工法導入を位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    複雑な曲げ加工に対応できる業者は少ないと認識し、太径主筋加工の技術と設備を強みとして受注拡大を狙う整理がある。

  • 課題の認識と解決4

    複雑加工の手作業依存による品質ムラや既存設備の加工パターン限定を課題として整理し、加工時間25分を15分に短縮する対策を示している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間合計25分から15分、1日の生産量1000本から1500本、納期3日短縮と具体的な目標・実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    既存設備との連携が可能で、熟練度に関わらず外国人労働者でも作業できる体制を示し、人材育成も計画している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度で耐震性能の高い鉄筋を求めやすい価格で提供し、公共事業の大手ゼネコンや地域中小企業をターゲットとして明示している。

  • 事業化までの道筋3

    基礎曲げと仕上げ曲げを1工程に集約する方法や、外国人を含む若手従業員の活躍体制を推進する計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    複雑な曲げ加工に対応できる業者は少ないと述べ、同分野で高付加価値の太径主筋の複雑加工に特化している点が読み取れる。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用4

    重要都市インフラの再開発需要に応え、地域社会の安全に貢献する点や、新たな人材育成・雇用の取組が示されている。

  • 費用対効果3

    加工時間の短縮と1日あたり生産量の増加、2人作業を1人で行える効率化が示されているが、補助金額に対する費用対効果の数字は少ない。

  • イノベーションへの貢献3

    NC制御による自動曲げ装置の導入で、外注に頼らない生産体制を目指し、外国人労働者も含む作業環境を広げている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    建設業界の人手不足の克服や都市インフラ整備への貢献に触れるが、市場成長分野への進出や構造転換との関係は薄い。

  • 地域経済への波及3

    地元で3代にわたり地域の大型建造物や道路の鉄筋工事を手がけ、地域社会の安全に貢献する点が示されている。

今後の展望

公共事業を手がける大手ゼネコンや地域に根付いた中小企業を対象に、高精度で耐震性能の高い鉄筋製品を求めやすい価格で提供し、複雑な曲げ加工に対応できる技術と設備を生かして受注拡大を目指す。今後も外国人を含む若手従業員が活躍できる体制を推進し、人材育成を続けるとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。