ものづくり補助金平成26年度建設業徳島県

ビル解体現場で、自機のみで階上に上がる事のできる解体重機の試作開発

株式会社フクブル

成果当初の3t吊りウインチは地上40cm付近で熱をもって停止したが、5tウインチと動滑車1個に変更して解体現場で吊り上げ成功

この事例のポイント

  • 建物解体業界は過当競争と規制強化で工事価格が下落傾向にあり、競合との差別化も難しく厳しい価格競争にさらされている。
  • ビルの解体に使用する自重3tの重機のアーム部に3t吊りの小型ウインチを装着して吊り上げ実験を行ったところ、地上40cm付近でウインチが熱をもって停止した。
  • 当初の3t吊りウインチは地上40cm付近で熱をもって停止したが、5tウインチと動滑車1個に変更して解体現場で吊り上げ成功。試作開発したスパイダーロボ工法により、狭い土地でも重機で安全かつ低コストにビルを解体できる見通しが立った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フクブル
所在地徳島県 徳島市
業種職別工事業
従業員数9人
資本金3,000万円
設立1968年

事業の背景

株式会社フクブルは徳島市の解体工事会社で、ビル解体などの職別工事を行っている。建物解体業界は過当競争と規制強化により工事価格が下落傾向にある。重機の使用ができない住宅密集地や狭小地での手壊し工事が増えており、建築密集地の狭小なビル解体では重機の据付スペースの確保が難しく、コストの高い手作業が主になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算建物解体業界は過当競争と規制強化で工事価格が下落傾向にあり、競合との差別化も難しく厳しい価格競争にさらされている。
  • コスト・採算重機が使えない住宅密集地や狭い土地での手壊し工事など、コストが高くリスクの高い受注が増えている。

やったこと

ビルの解体に使用する自重3tの重機のアーム部に3t吊りの小型ウインチを装着して吊り上げ実験を行ったところ、地上40cm付近でウインチが熱をもって停止した。ワイヤの取り回しを工夫し動滑車を2個使用した条件では問題なく吊り上がったが、解体現場での実施は難しいと判断した。次に動滑車を1個とし5tウインチに変更して解体現場で吊り上げ実験を行い、最上階にスイベル滑車を設置して吊り上げたところ、床板等の亀裂や破損もなく問題なく吊り上がったため実験成功とした。吊り上げ実験のデータをメーカーに提供し、重機を改造した試作機を完成させた。

加工機3t吊り小型ウインチ
加工機5tウインチ
その他スパイダーロボ工法用重機(試作機)

新しい製品・サービス:ビルの上に自ら昇って解体を行う「スパイダーロボ工法」用の解体重機の試作機

事業の効果

  • 当初の3t吊りウインチは地上40cm付近で熱をもって停止したが、5tウインチと動滑車1個に変更して解体現場で吊り上げ成功

試作開発したスパイダーロボ工法により、狭い土地でも重機で安全かつ低コストにビルを解体できる見通しが立った。吊り上げ実験で工法の優位性と安全性を確認できた。今後は都会のビル密集地での需要を見込み、環境展への出展やNETISへの登録を計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    解体業の過当競争と価格下落に触れるが、これまでの事業との一貫性や経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    重機の使用困難な住宅密集地や狭小地での手壊し増加を外部環境として挙げ、スパイダーロボ工法で差別化する方向は読み取れるが、自社の経営資源の強み・弱みは書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    手壊し工事のコスト高・リスク増という課題と、低コスト化・工期短縮を目指す点は読み取れるが、高付加価値化につながる事業計画の具体は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていないが、工期短縮やコスト低減の方向性はうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    メーカーへの実験データ提供や試作機完成の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    狭小地でも安全・低コストに解体できる点、都会での需要が大きいとの見込みが書かれ、顧客ターゲットとニーズの裏付けが読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    吊り上げ実験の段階的な検証(1/4の力、動滑車1個、5tウインチ変更)と、環境展出展やNETIS登録の予定が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の手壊しや重機据付に代わる独自工法「スパイダーロボ工法」を開発し特許出願している点が、新規性として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    狭小地の解体における安全性・コスト面の社会的ニーズはうかがえるが、雇用創出や波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    工事コストと工期の低減が目的とされるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    独自の重機工法による解体手法の革新は読み取れるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    徳島から都市部への全国展開を視野に入れる記載はあるが、地域の雇用や経済成長への寄与は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地方より建築物の密集する都会で需要が大きいと見込み、全国展開の足掛かりとして環境展等への出展を検討している。国土交通省のNETISへの登録も計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。