ものづくり補助金平成30年度製造業佐賀県

半生麺の専用の生産ライン導入で生産性と衛生環境が飛躍的に向上

有限会社井上製麺

成果工程数 8工程→4工程

この事例のポイント

  • 乾麺専用の設備で半生麺を作っていたため、乾燥工程の途中で手作業により麺を取り出す必要があり、工数が多く生産性が低かった。
  • 半生麺専用の生産ラインとして、生地づくり・熟成・圧延と切り出し・乾燥までを行う小型ロール製麺機、切り出した麺の金属混入を検知する金属検知器、切り出し後すぐに包装する中型横ピロー包…
  • 工程数 8工程→4工程。手作業の工程が減り、製造から包装、検査までが自動化されたことで、生産性が3倍に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社井上製麺
所在地佐賀県 神埼市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

神埼そうめんで知られる佐賀県神埼市で1873年に創業した会社で、素麺づくりを中心に事業を展開してきた。近年は即席麺やカップ麺のように調理時間の短い麺類が好まれ、乾麺の需要は減少傾向にある。鍋の締め専用に開発した「すきしゃぶ麺」は、コロナ禍で鍋を囲む機会が減ったことから売り上げが厳しい状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力乾麺専用の設備で半生麺を作っていたため、乾燥工程の途中で手作業により麺を取り出す必要があり、工数が多く生産性が低かった。
  • 品質・精度既存の乾麺専用設備では衛生面での課題が残っていた。
  • 人手・技能包装、金属検出、重量チェックがすべて手作業で行われ、包装工程には約2時間に従業員5人が必要だった。

やったこと

半生麺専用の生産ラインとして、生地づくり・熟成・圧延と切り出し・乾燥までを行う小型ロール製麺機、切り出した麺の金属混入を検知する金属検知器、切り出し後すぐに包装する中型横ピロー包装機、脱酸素の検査と重量チェックを行う金属検出機付ウエイトチェッカーの4つの機械装置を導入した。新設備により麺の製造から包装、金属検出、重量チェックまでを自動で行えるようになり、賞味期限やロット番号も自動で印字される。

加工機小型ロール製麺機
検査測定金属検知器
加工機中型横ピロー包装機
検査測定金属検出機付ウエイトチェッカー

新しい製品・サービス:すきしゃぶ麺(鍋の締め専用の半生麺、食塩不使用で常温90日保存可能)

事業の効果

  • 工程数 8工程→4工程
  • 生産性 1倍→3倍
  • 包装工程の従事者数 5人→2人

手作業の工程が減り、製造から包装、検査までが自動化されたことで、生産性が3倍に向上した。包装工程の人員は5人から2人に減った。手作業が減ったことで衛生面の生産環境も大きく改善した。生産性の向上により販売価格を抑えられることも大きな利点となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の乾麺設備では半生麺の生産性と衛生面に課題が残り、専用ライン導入を決めたと経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    冬の鍋需要向け「すきしゃぶ麺」の開拓という販路の狙いは読めるが、市場規模や競争優位の数値は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    乾燥時間の差による手作業の工数増を課題として挙げ、8工程から4工程への削減で解決する計画が具体的に読める。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産性は3倍に向上、包装工程は5人から終日2人へと数字で目標と効果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員12人の規模は分かるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    簡便性の高い半生麺の需要増、ゆで時間3分から20秒への短縮、常温90日保存など製品の価値とニーズが具体的。

  • 事業化までの道筋3

    新ラインの導入と効果は書かれているが、中長期のスケジュールや課題解決の進め方の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    乾麺市場が減少する中で半生麺を扱う点は読めるが、同分野での高水準の付加価値化を示す記述は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    神埼そうめんの地域性や地元百貨店での取扱いはうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果4

    生産性3倍、工程8から4、人員削減など投資に対する効果が具体的に示され、費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    賞味期限・ロット番号の自動印字など自動化は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン面の革新は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県神埼の伝統的な神埼そうめんを基盤に製品開発している点は読めるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

直販のほか割烹料理店やもつ鍋店、すし屋などの取引先を20店ほど増やす計画を立てていた。コロナ禍が落ち着いたこれからを販路拡大のチャンスと捉えている。

事業者の声

伝統の製法に新しいテクノロジーを巧みに取り込み、極上の麺を作り続ける。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。